提供:(一社)全国農業改良普及支援協会 ・(株)クボタ


(株)福成農園スマート農業実証コンソーシアムで令和3年度第1回スマート農業技術実演会を開催(鳥取県南部町)

2021年10月28日

●実証課題名:次世代につなぐ水稲・白ネギを柱にした中山間地域水田複合経営モデルの実証~農業の「ユニバーサルデザイン化」・「データの見える化」を目指して~


 (株)福成農園スマート農業実証コンソーシアムでは昨年度より、南部町の(株)福成農園及び(同)清水川を実証農家として、スマート農業技術の開発・実証プロジェクトに取り組んでいる。

 10月18日、新型コロナ感染症の状況が全国的に落ち着きを見せる中、感染対策を行いながら、関係機関、生産者、報道機関等から約70名が参集し、(株)福成農園の実証圃場において「令和3年度第1回スマート農業技術実演会」を開催、当日は前日までの雨もやんで抜けるような秋空が広がり、①食味・収量コンバインによる収穫作業およびデータ取得、②直進キープ田植機の圃場内走行デモ、③自動操舵システムによる白ネギ土寄せ作業、④ほ場環境モニタリングのデータ取得状況の技術実演を行った。

 進行管理役の鳥取県西部農業改良普及所の角脇次長の進行で、初めに西部農業改良普及所の天満所長から開会の挨拶があり、続いて、角脇次長、(株)中四国クボタの山根氏らから実演内容および実演機械についての説明、機械のデモが行われた。


smart_tottori211018_2078.jpg
鳥取県西部農業改良普及所の天満所長の挨拶の様子


①食味・収量コンバインによる収穫作業およびデータ取得
 (株)クボタの食味・収量コンバインは、KSASに対応し、収穫作業と同時に圃場ごとの籾の水分含有率やタンパク含有率、収量の計測を行い、得られたデータをKSASシステムに自動的に送信、記録し、圃場ごとの特性を簡易に把握できる。これを活用し、圃場ごとに最適な施肥設計の見直しを行うことにより、水稲の収量増を目指し、実証を行っている。
 令和2年度はほ場ごとの収量やタンパク含有率をデータ化し、ほ場ごとの特性が把握できた。令和3年度はこれを基に実証に取り組んでおり、実演会では飼料用の多収米「北陸193号」の収穫作業のデモが行われた。


smart_tottori211018_2082.jpg  smart_tottori211018_2086.jpg
左 :(株)中四国クボタ山根氏による食味・収量コンバインのセンサー部分の説明
右 :食味・収量コンバイン(DR595S-PFW-C)での飼料用の多収米「北陸193号」の収穫作業の様子
 benri_movie1.jpg(動画を再生)


smart_tottori211018_2092.jpg  smart_tottori211018_2095.jpg
(株)中四国クボタ山根氏によるKSASの説明の様子とほ場ごとの特性のデータ


②直進キープ田植機の圃場内走行デモ
 GPS情報を利用して植付位置や施肥量を一定に保ちながら直進走行することによる、移植同時側条施肥精度の高位平準化、作業の効率化を目指してクボタの6条植え直進キープ機能付き田植機で実証を実施。
 平成2年度の実証では10a当たり作業時間が15%短縮することを確認した。
 令和3年度は引き続き実証を実施し、データの分析中。
 実演会では、直進キープ機能付き田植機のほ場内走行デモが行われた。


smart_tottori211018_2102.jpg  smart_tottori211018_2108.jpg
クボタの直進キープ田植機(NW6S-F-GS)の説明と作業デモの様子 benri_movie1.jpg(動画を再生)


③自動操舵システムによる白ネギ土寄せ作業
 自動操舵システムを利用することで、オペレーターの習熟度による白ネギの畝立て、土寄せ作業の作業効率や畝成形のばらつきを解消することを目的に実証を実施。衛星からの測位情報および地上からのRTK測位を行い、非常に精度の高い位置情報(誤差2~3cm)を受信する、(株)トプコンの自動操舵システムを乗用管理機に取り付けて実証を行っている。
 これまでに、入社1年目の社員でも、誤差2cm程度で正確に植え溝堀り作業を行えることが確認できた。また、畝立て作業で作業時間の短縮、作業精度の向上効果や、作業中にオペレーターが後方の確認ができるなどのメリットがあることが確認されている。
 実演会では、トプコン社製の自動操舵システムをクボタの超幅狭仕様トラクタJB13に取り付けて土寄せ作業の実演が行われた。


smart_tottori211018_0.jpg
自動操舵システム(ハンドル、モニター、受信機)

smart_tottori211018_2124.jpg  smart_tottori211018_2133.jpg
左 :自動操舵システムを装着したトラクタによるデモの様子
右 :土寄せ作業後のほ場の様子。自動操舵が高性能であることが分かる
 benri_movie1.jpg(動画を再生)


④ほ場環境モニタリングのデータ取得状況
 栽培管理データモニタリングシステムを利用して、ほ場の水位、水温、地温、土壌水分、EC等の栽培環境をモニタリングする技術の実証を行っている。実演会では、白ネギでのほ場環境データモニタリングシステムの取り組みについて説明が行われた。


 最後に、実証の2年目となる令和3年は、初年度の実証で得られたデータや課題を整理し、取りまとめを行う予定との説明があった。


※本実証課題は、農林水産省「スマート農業技術の開発・実証プロジェクト(課題番号:水2G11、課題名:次世代につなぐ水稲・白ネギを柱にした中山間地域水田複合経営モデルの実証、事業主体:国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構)」の支援により実施されました。


関連情報
スマート農業実証プロジェクト令和3年度実証の紹介(株式会社福成農園:鳥取県)
(株)福成農園スマート農業実証コンソーシアムが令和2年度第2回スマート農業技術実演会を開催(鳥取県南部町)
(株)福成農園スマート農業実証コンソーシアム中間検討会の開催
(株)福成農園スマート農業実証コンソーシアムで第1回スマート農業技術実演会を開催(鳥取県南部町)


(株)福成農園ほか (鳥取県南部町)(農研機構サイト)