スマート農業技術の開発・実証プロジェクト第3回推進会議を開催(岡山県真庭市)
2020年01月22日
令和元年12月19日、岡山県真庭市において「集落営農法人による持続可能な中山間地地域営農体系の実証」の第3回推進会議が開催され、関係者27名により、今年度の実証調査結果や次年度計画の検討が行われた。
代表機関である岡山県農林水産総合センター普及連携部の大内部長からの挨拶
推進会議では、進行管理役である岡山県美作県民局農林水産事業部真庭農業普及指導センターから今年度の実証調査結果報告が行われた。
今年度の実証項目について、岡山県美作県民局農林水産事業部真庭農業普及指導センターの西川副参事から実証結果説明があった
1.直進アシスト機能付加トラクター
耕起・代かきに係る農作業効率の向上について、作業時間削減効果や耕起部分の重複削減効果などの報告があった。
2.直進キープ田植機
田植え作業時間の削減効果や、オペレータやその熟練度による作業時間の違いなどの報告があった。
3.ほ場水管理システム
水管理作業時間の削減効果や、高温対策による収量品質向上効果などについて報告があった。
4.ラジコン草刈機
畦畔管理作業の削減効果や身体負担軽減効果などについて報告があった。
5.ドローンの活用(病害虫防除)
病害虫防除作業の作業時間や防除効果、身体負担評価などについて報告があった。
6.ドローンの活用(センシング)
幼穂形成期および病害虫発生時期に行ったセンシング(※NDVI)の計測結果などの報告があった。
7.収量・食味コンバイン
コンバインから得られたほ場毎の収量・タンパク含有率などの報告があった。
収穫時期の異なる別地区とのコンバインのシェアリング結果として、稼働期間・面積などの報告があった。
また、スマート農機導入経費や削減された労働時間などを含めた経営分析の結果や、規模拡大試算結果などが岡山県農
林水産総合センター普及連携部普及推進課から報告された。
以上の成績報告を踏まえ、今後の取りまとめ内容や、次年度の計画についての検討が行われた。
実証担当生産者の農事組合法人寄江原でも作付けをしている真庭市産「きぬむすめ」は、瀬戸内海で育ったカキ殻を土壌に施用して生産した米をブランド化し、「真庭里海米きぬむすめ」として令和元年11月から販売をしている。この商品パッケージには、真庭市が積極的に推進する「スマート農業」への取組も紹介されており、スマート農業によるブランド力の向上にも期待が寄せられている。
真庭市のブランド米「真庭里海米きぬむすめ」パッケージの裏にはスマート農業への取組も紹介されている
※NDVI
NDVI(Normalized Difference Vegetation Index)とは、正規化植生指標の略称で、植生の状態(分布状況や活性度)を示す指標である
※本実証課題は、農林水産省「スマート農業技術の開発・実証プロジェクト(課題番号:中G08、課題名:集落営農法人による持続可能な中山間地地域営農体系の実証、事業主体:国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構)」の支援により実施されました。
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