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雑穀の収穫技術について

2007年10月29日

【1】 収穫時期の目安

 ヒエは、出穂後20日を過ぎた頃から脱粒しやすくなるので、穀実の80%ほどが熟色となり、手で握ると脱粒するようになったら素早く刈り取りを行う。出穂後35日(水田栽培の短稈種「達磨」は45日)が目安である。

 アワは、茎葉や穂首が黄化し、枝梗が枯れて穂を手で握ると子実が脱粒する頃とする。出穂後40~50日が目安である。

 キビは収穫が遅れると脱粒しやすいので、早めに収穫する。収穫適期は、茎葉が黄化し始め、穂の先端から半分ほどが成熟し、品種固有の色になった頃である。出穂後30~40日が目安である。


【2】 収穫のポイント

 刈り取り結束には、水稲用のバインダーを利用できる。バインダーによる刈り取り作業時間は、10aあたり約100分である。

キビ収穫   キビ収穫


 ヒエの場合、短稈種「達磨」など稈長が130cm以下の品種は、水稲用の自脱型コンバインによる収穫が可能である。自脱型コンバインによる収穫作業能率は、10aあたり30~35分で、収穫ロスは1~3%と少ない。この場合、風量をやや少なくし、吐き出し部のロスをできるだけ少なくなるように設定し、刈り取り高さは30cm程度に高くする。

 長稈のヒエやアワ、キビは、自脱型コンバインを利用することはできないが、豆ソバ用や汎用の普通型コンバインによる収穫は可能である。この場合、選別ファン、扱き胴の回転数、扱き網の差し替え、リールの高さとタイミングの調整を行いながら精度に注意して作業を行う必要がある。ただし、収穫ロスがアワ、キビでは10%以上発生することに留意する必要がある。


執筆者 
岩手県農業研究センター県北農業研究所 主任専門研究員  
荻内 謙吾(おぎうち けんご)

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