「おでん用ダイコン」産地の研究室見聞 ~地域の農業生産に密着した研究室を訪ねる~
2007年10月17日
千葉県農業総合研究センター 北総園芸研究所 東総野菜研究室は、銚子市に隣接する千葉県旭市にある。
千葉県下有数の野菜産地である千葉県東総地域(銚子市、旭市)の「研究室」として、室長以下研究員2名と農業技術員4名が、周辺の特産野菜の研究をおこなっている。敷地面積は5.4haで、ハウス計9棟、ガラス温室3棟、試験圃場面積は合計2.5ha。年間視察者約1500名を数え、農業が盛んな地域らしく、診断・相談業務が多く、講習会には生産者の参加が多い。
東総地域は温暖な気候を生かした露地野菜の生産が盛んで、専業農家率は50%と高い。生産面積は、キャベツ2000ha、ダイコン1200ha、メロン(アムス、タカミ)250ha、パセリ130haなど。そのほかにレタス、チンゲンサイ、スイカなども栽培されている。
業務用野菜に対応した野菜生産が重要になりつつある中、千葉県では、県研究センターの5研究室で6品目に取り組んでいる。
東総野菜研究室では「おでん用ダイコン」、「カット加工用キャベツ」、「サンドイッチ用レタス」について、加工適正品種の選定や安定生産技術の確立を重点研究課題の一つとして取り組んでいるところだ。
また、地域関係機関の協力試験として、抑制メロン、サラダゴボウ、珍しいところでは、地元産しょうゆを使った「下総早採り大根しょうゆ風味」についても研究をおこなっている。
訪問後、産地を車で回ると、秋の晴天下、あちこちの圃場で半自動定植機によるキャベツの定植作業がおこなわれていた。
(10月11日訪問 みんなの農業広場事務局)
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