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(国際農研ほか)トウモロコシの生物的硝化抑制の鍵となる物質の同定に成功―窒素施肥量を削減できるBNI強化トウモロコシの開発に前進―

2023年07月03日

国際農研農研機構は、トウモロコシの根から産生される生物的硝化抑制(BNI)の鍵となる親水性BNI物質「MBOA」の同定に成功した。

近代農業では、工業生産されたアンモニア態窒素肥料が農地に多量に投入され、土壌微生物(硝化菌)による硝化によって硝酸態窒素へと変換されることで、水質汚染や温室効果ガス発生など、様々な問題を引き起こしている。
MBOAは、特定のイネ科植物(トウモロコシ、コムギ)が産生する二次代謝物質であることが知られているが、研究グループは、土壌とBNI物質による培養実験や化学分析により、MBOAが硝化菌の硝化反応と増殖を抑制し、硝化を阻害することを明らかにした。さらに、疎水性BNI物質であるHDMBOAが土壌中で化学的により安定で強力なBNI活性を持つMBOAに変換され、BNIを発揮することを見出した。
本研究により、今後、農業分野での実利用に適した「BNI強化トウモロコシ」の開発を通じて、環境負荷を軽減した持続的なトウモロコシ生産システムの開発を推進。このことにより、農業の生産力と持続性を高め、みどりの食料システム戦略の推進に貢献する。


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