提供:(一社)全国農業改良普及支援協会 ・(株)クボタ


オウレン(キンポウゲ科)

2018年10月26日

  • (植物学名)Coptis japonica Makino
  • (生薬名)オウレン(黄連)
  • (利用部位)根茎

分布、主な産地

 日本の山地の木陰に自生、または栽培される多年生草本で、地下茎は横に伸び、多数のヒゲ根を出します。
 葉は根茎の先端部に叢生し、長柄があり、三出複葉、小葉は広卵形で不整の鋸歯があります。早春に花茎を出し、小形の白色花を2~3個着生します。

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セリバオウレン(左)とセリバオウレンの花(右)

 薬用に用いられる日本産のオウレンは、小葉の切れ込みによって1回三出複葉のキクバオウレンC. japonica Makino var. japonica Satake(主に日本海側に分布)と2~3回三出複葉のセリバオウレンC. japonica Makino var. dissecta Nakai(主に太平洋側に分布)の2種類です。
 現在、国内栽培は福井県を主に、静岡や高知でわずかに行われている程度で、生薬として使用されているのは中国産(主に四川省)の同属植物が主です。
 畑栽培のやり方は、初夏に採種した種子を乾燥しないように秋まで貯蔵した後に播種し、1~2年間育苗した苗を本圃に植え付け、日覆下で3~4年間栽培した後、秋に掘り上げ、その後、ヒゲ根を除いた根茎を乾燥させ、磨きをかけて仕上げます。

効用、用途等

 生薬オウレンは弱いにおいがあり、味は極めて苦く残留性で、唾液を黄色に染めます。
 第17改正日本薬局方に収載され、活性成分のベルベリンを4.2%以上含むことが規定されています。
 健胃、止瀉、整腸、止血などの作用があり、黄連解毒湯(おうれんげどくとう)、三黄瀉心湯(さんおうしゃしんとう)、半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)、清上防風湯(せいじょうぼうふうとう)など多くの漢方処方に配合されるほか、止瀉薬、苦味健胃薬として配合剤(胃腸薬)の原料として利用されます。

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執筆者
医薬基盤・健康・栄養研究所薬用植物資源研究センター 客員研究員 柴田敏郎

●月刊「技術と普及」平成30年1月号(全国農業改良普及支援協会発行)から転載