提供:(一社)全国農業改良普及支援協会 ・(株)クボタ


ボタン(ボタン科)

2018年10月23日

  • (植物学名)Paeonia suffruticosa Andrews
  • (生薬名)ボタンピ(牡丹皮)
  • (利用部位)根皮

分布、主な産地

 中国西北部原産の多年生の低木。
 奈良時代に渡来したと言われ、薬用または鑑賞用として栽培されてきました。
 収穫は植え付け4~5年目の秋(9月~10月)に行うとともに、収穫後の地上部を用いて、次作の植え付けを行います。
 繁殖は株分け法が一般的です。収穫後の株から根をすべてもぎ取り、根頭部の付いた地上部を苗とします。大中小の苗3本を1株として、根元をワラ等で束ねて圃場に植えつけます。苗の倒伏防止と株の活着を促すため、株ごとに支柱を立てます。
 収穫した根は水洗した後、根の芯(木部)抜き作業を行います。根をナイフ等で縦に切れ目を入れ、木槌などで軽くたたいて根皮をはずし、芯の端を指ではさみ、根皮を引き裂きながら芯を抜き去ります。芯抜きした根皮は天日乾燥させます。
 国内栽培は、かつて奈良県や長野県で行われていましたが、芯抜き作業の手間を要することもあり、現在はほとんど行われておらず、生薬はほぼ全量中国から輸入されています。
 中国における産地は安徽、山東、浙江、四川、陝西などの各省です。

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ボタンの花

効用、用途等

 生薬ボタンピは特異なにおいがあり、わずかに辛くて苦い味がします。
 第17改正日本薬局方では、ペオノール1.0%以上を含むと規定されています。生薬の外面や内面にペオノールの無色板状結晶が析出することがあります。
 消炎、鎮静、鎮痛、駆瘀血などの作用があり、大黄牡丹皮湯(だいおうぼたんぴとう)、桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)、温経湯(うんけいとう)、加味逍遙散(かみしょうようさん)、八味地黄丸(はちみじおうがん)などの漢方処方に配合されます。

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執筆者
医薬基盤・健康・栄養研究所薬用植物資源研究センター 研究員 飯田 修

●月刊「技術と普及」平成30年3月号(全国農業改良普及支援協会発行)から転載