提供:(一社)全国農業改良普及支援協会 ・(株)クボタ


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エビスグサ(マメ科)

2018年10月15日

  • (植物学名)Cassia obtusifolia L.
  • (生薬名)ケツメイシ(決明子)
  • (利用部位)種子

分布、主な産地

 アメリカ原産の1年生草本。享保年間(1716~1736年)に中国から渡来したと言われ、薬用として栽培されます。
 茎の高さは100~160cm、豆果は線形で長く、熟すと弓状に曲がり、種子は短円柱形で、一端は鋭くとがり、他の一端は平坦となる特異な形をしています。
 植物体の大きさや豆果の形状は、各地の栽培在来種により差異が見られます。
 生薬ケツメイシの基原植物として、第17改正日本薬局方には、熱帯アジア原産のC. tora L. も収載されています。同属植物として、ハブソウ(C. torosa Cav.:生薬名ボウコウナン(望江南))があり、これらの種子はいずれもハブ茶の原料として利用されますが、市販のハブ茶には栽培が容易で、病虫害の被害が少なく、種子収量が多いエビスグサの種子が繁用されています。
 エビスグサは高温を好む植物で、温暖地での栽培に適しています。全国各地で栽培されていると思われますが、生産地や生産量の詳細は不明です。

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エビスグサ(左)とエビスグサの花(右)

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エビスグサの果実

効用、用途等

 生薬ケツメイシは、砕くと特異なにおいおよび味があります。
 一般用漢方処方の原料としての使用はなく、もっぱら民間薬として利用されます。緩下薬、強壮薬として、整腸や便通のため、お茶(ハブ茶)などで用いられます。また、目の炎症等に用い、視力を回復する効能があると言われています。

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提供 :薬用植物総合情報データベース

執筆者
医薬基盤・健康・栄養研究所薬用植物資源研究センター 研究員 飯田 修

●月刊「技術と普及」平成30年1月号(全国農業改良普及支援協会発行)から転載