ガジュツ(ショウガ科)
2018年10月11日
- (植物学名)Curcuma zedoaria Roscoe
- (生薬名)ガジュツ(莪蒁)
- (利用部位)根茎
分布、主な産地
インド、ヒマラヤ地方原産の多年生草本。
本邦への渡来や栽培の歴史についての詳細は不明ですが、1600年代には既に薩摩藩の元、種子島、屋久島で栽培されており、国禁の品(公儀手形にて取り扱われるべき物品)として統制されていました。
形態的特徴は、葉は無毛で、中肋に沿って赤紫色を帯びています。花序は晩春から初夏にかけて茎(偽茎)の脇に根出します。花弁と混同されやすい花序上部の紅紫色の部位は苞葉で、花は中央部の苞腋から出現している淡黄色のものです。根茎は長卵形~勾玉状で、内部の色は淡青色です。熱帯性植物のため、耐暑性、耐照性は強いですが、耐寒性や越冬性は弱く、栽培は冬季温暖で降霜のない九州南部~琉球列島に適しています。国内での経済栽培は鹿児島県(種子島、屋久島)、沖縄県で行われています。
ガジュツ(左)とガジュツの花(右)
医薬基盤・健康・栄養研究所薬用植物資源研究センター 研究員 飯田 修
●月刊「技術と普及」平成30年1月号(全国農業改良普及支援協会発行)から転載