提供:(一社)全国農業改良普及支援協会 ・(株)クボタ


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注目の農業技術



センブリ(リンドウ科)

2018年10月03日

  • (植物学名)Swertia japonica Makino
  • (生薬名)センブリ(当薬)
  • (利用部位)開花期の全草

分布、主な産地

 山野の日当たりに生える1年生または越年生草本。北海道西南部~九州、朝鮮・中国に分布します。
 センブリはドクダミ、ゲンノショウコとともに日本の三大民間薬の一つと言われています。
 1年目の生育は数枚の根生葉を持つロゼット状で推移し、2年目に花茎が伸び開花します。根生葉株は強光に弱いため、栽培に当たっては1年目の播種後、稲ワラやモミガラで覆い、さらに寒冷紗(遮光率50%)でトンネル被覆を行います。2年目に寒冷紗を取り除き、植物体に陽光を当てて育て、開花期に収穫します。
 国内の栽培は長野県、高知県などで行われています。
 2014年度における医薬品としての国内使用量は2,330kg、国内産は1,588kg、残りは中国産です。

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 センブリの花

効用、用途等

 生薬センブリ(別名「とうやく(当薬)」)はわずかににおいがあり、味は極めて苦く、残留性です。
 第17改正日本薬局方では、スウェルチアマリンを2.0%以上を含むと規定されています。
 漢方処方としての使用はなく、民間薬で苦味健胃薬、整腸剤として用いられます。また苦味チンキ(サンショウの項参照)の製造原料として利用されており、育毛剤に配合されることもあります。

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提供 :柴田敏郎

執筆者
医薬基盤・健康・栄養研究所薬用植物資源研究センター 研究員 飯田 修

●月刊「技術と普及」平成29年11月号(全国農業改良普及支援協会発行)から転載