提供:(一社)全国農業改良普及支援協会 ・(株)クボタ


ミシマサイコ(セリ科)

2018年09月12日

  • (植物学名)Bupleurum falcatum L.
  • (生薬名)サイコ(柴胡)
  • (利用部位)根

分布、主な産地

 本州、四国、九州の山地や丘陵地の草原に生える多年草。
 ミシマサイコ(三島柴胡)の名前は、江戸時代から静岡県の三島地方で産出されるサイコの根が非常に良質であったことや三島がサイコの大集荷地であったことに由来します。
 かつて生薬サイコは、野生のミシマサイコの根を採取し利用されていましたが、資源の枯渇等により、現在、野生品の採取は行われていません。

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ミシマサイコ(左)とミシマサイコの花(右)

 ミシマサイコの国内栽培は1950年代の中頃から始まり、小柴胡湯の需要の増加に伴い、栽培面積は急激に増加し、1990年にピークに達しました。その後、同製剤の副作用問題が起こり、その影響等により、栽培面積は1999年から急激に減少しました。
 近年栽培面積は増加してきており、高知、愛媛、熊本、群馬、栃木、静岡、宮崎、鹿児島、茨城など多くの県で栽培が行われています。2014年度における生薬サイコの国内使用量は601.1t、そのうち日本産は15.4t(自給率2.6%)で、残りの多くを中国からの輸入に依存しています。

効用、用途等

 生薬サイコは特異なにおいがあり、わずかに苦い味がします。
 第17改正日本薬局方では、総サポニン(サイコサポニンaおよびサイコサポニンd)を0.35%以上含むことが規定されています。

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提供 :薬用植物総合情報データベース

 解熱、解毒、鎮痛、消炎などの作用があり、小柴胡湯(しょうさいことう)、大柴胡湯(だいさいことう)、柴胡桂枝乾姜湯(さいこけいしかんきょうとう)、加味逍遙散(かみしょうようさん)、四逆散(しぎゃくさん)など多くの漢方処方に配合されます。

執筆者
医薬基盤・健康・栄養研究所薬用植物資源研究センター 研究員 飯田 修

●月刊「技術と普及」平成29年6月号(全国農業改良普及支援協会発行)から転載