'栗きんとん'の加工に適するクリ新品種「えな宝来」、「えな宝月」
2017年07月19日
育成の背景
岐阜県では、恵那地域を中心におもに和菓子原料向けにクリ生産が行われています。
こうした中、主用途である銘菓「栗きんとん」の販売開始(9月上旬)にあわせた8月下旬から収穫できる品質・収量性の優れる極早生品種が求められていました。また、早生基幹品種「丹沢」と中生基幹品種「筑波」の間に収穫でき、従来の補完品種「国見」よりも加工に適する品種も求められていました。
そこで、これらのニーズに応えられる、高品質で多収性の県オリジナル品種を育成しました。

クリ時期別出荷量と新品種の関係
表 「えな宝来」、「えな宝月」の生育期

(平成24~28年の5年間の平均値)
表 「えな宝来」、「えな宝月」の収量性、果実特性及び品質

(平成24~28年の5年間の平均値)
栽培上の留意点
1.両品種の導入により、出荷端境期が解消され、安定供給と収穫労力分散が期待できます。
2.「えな宝来」は、加熱すると渋皮がむけるため、焼き栗用途として利用できます。
3.両品種を利用し、作業性やクリシギゾウムシなど害虫の適期防除の観点から、極早生~早生品種群、中生~晩生品種群など、収穫期ごとにほ場を分けた植栽を行うと良いです。
4.当面、栽培可能地域が岐阜県内に限定されています。
普及状況と今後の見込み
ここ3年間で、両品種合わせ約3,200本(8ha相当)が植栽されました。将来的には10,000本(25ha)の植栽を見込んでいます。
執筆者
磯村秀昭
岐阜県中山間農業研究所中津川支所
岐阜県では、恵那地域を中心におもに和菓子原料向けにクリ生産が行われています。
こうした中、主用途である銘菓「栗きんとん」の販売開始(9月上旬)にあわせた8月下旬から収穫できる品質・収量性の優れる極早生品種が求められていました。また、早生基幹品種「丹沢」と中生基幹品種「筑波」の間に収穫でき、従来の補完品種「国見」よりも加工に適する品種も求められていました。
そこで、これらのニーズに応えられる、高品質で多収性の県オリジナル品種を育成しました。

クリ時期別出荷量と新品種の関係
表 「えな宝来」、「えな宝月」の生育期

(平成24~28年の5年間の平均値)
表 「えな宝来」、「えな宝月」の収量性、果実特性及び品質

(平成24~28年の5年間の平均値)
栽培上の留意点
1.両品種の導入により、出荷端境期が解消され、安定供給と収穫労力分散が期待できます。
2.「えな宝来」は、加熱すると渋皮がむけるため、焼き栗用途として利用できます。
3.両品種を利用し、作業性やクリシギゾウムシなど害虫の適期防除の観点から、極早生~早生品種群、中生~晩生品種群など、収穫期ごとにほ場を分けた植栽を行うと良いです。
4.当面、栽培可能地域が岐阜県内に限定されています。

普及状況と今後の見込み
ここ3年間で、両品種合わせ約3,200本(8ha相当)が植栽されました。将来的には10,000本(25ha)の植栽を見込んでいます。
執筆者
磯村秀昭
岐阜県中山間農業研究所中津川支所