胴割れを少なくする栽培方法

 
胴割れはどのような時に発生するか
 
 

胴割れは、玄米の内部に亀裂が生じる現象ですが、いろいろの場面で
 発生します。

稲の栄養不良 出穂直後の高温 刈取り遅れ
高い乾燥温度や速度 不適切な貯蔵管理 精米時の温度    など
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栽培における対策技術
 
 
 [1]土づくり
作土を深くして根が働きやすい環境を作ります。
生育の後半まで活力ある根を維持するよう地力を高めます。
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 [2]作期を遅らせる
とくにイネの出穂後10日前後の間、気温が高いと胴割れが増えます。
田植えする日を後ろにずらすことが効果的です。
直播を組み入れると効果的です。
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移植、直播ができる
多目的田植機
 [3]適正な追肥
登熟期間中の葉色が高く維持されると胴割れは少なくなります。
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 [4]登熟時の地温を下げる
出穂後の10日間程度、かけ流しなどにより地温を下げると効果的です。
夜間のかけ流しは、効果が大きくなります。
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 [5]落水時期を調節する
落水時期は、可能な限り遅らせます。
地域の用水計画に合わせた間断かん水を行います。
すばやい落水に努めます。
「栽培指導指針」が示す落水時期(例)
青森
湿田は出穂後20〜25日、乾田は出穂後30〜35日を目安にする
新潟
徐々に落水日数を多くし、落水は出穂後25日以降とする
滋賀
成熟期の5日前までは溝に半分程度の水がたまっている状態にする
佐賀
成熟期まで土壌を黒乾状態に保ち落水はできるだけ遅くする
 
 
収穫から貯蔵における対策技術
 [1]正確に収穫適期をつかむ
近年、収穫適期が早まる傾向にあります。
正確な刈取り適期の推定で、刈り遅れによる胴割れ発生を軽減します。
短くなる収穫適期間には、高能率な収穫機で対応します。
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手動籾すり機
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高能率コンバイン
※2007年12月現在
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胴割れの測定
 
 [2]籾の水分条件と乾燥方法
乾燥温度は、初期籾水分24%で50℃以下、22%
以下で45℃以下が目安です。
胴割れが危惧される場合の乾減率は0.5〜0.6%
/時に調整します。
水分ムラが大きい籾は、通風乾燥や一時貯留で
ムラを解消できます。
正確な水分測定で仕上げ水分は15.0%が
目標です。
玄米水分14%以下で急激な食味低下を
起こします。
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 [3]米にやさしい貯蔵と精米
籾すりは、籾の温度が常温近くまで下がってから行います。
胴割れ・砕米は10%以下を目指します。
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