農業のポータルサイト みんなの農業広場

「注目の農業技術」一覧に戻る

青しまうり -受け継がれる懐かしいふるさとの味

2019年5月27日

特徴

●佐賀県多久市

 本品種は青大縞瓜とマクワウリの自然交雑種で、多久市を中心に長年栽培されています。果実はやや短形で丸みを帯び、長さ20cmm、重さ0.6~1kg程度で、果皮は灰緑色で、やや濃い銀色の幅広い明瞭な縞模様をしています。果肉は黄緑色で厚く緻密であり、漬物加工に適した品種です。

201904dento_aoshima_1.jpg
「青しまうり」

生産の状況

 昭和56年に「青しまうり研究会」が会員数20名で発足し、JAや行政の支援で栽培面積は90aまで拡大しました。その後、高齢化や連作障害、低価格等の理由で面積は減少傾向にありましたが、「多久の伝統野菜を絶やさない!」という地元農家の強い思いによって生産が継続され、現在(平成30年)は農家数11名、栽培面積63a、生産量2.4tが維持されています。
 作型は、ハウス(3月上旬定植、5月中~8月中旬収穫)、トンネル(4月上旬定植、6月上~8月中旬収穫)、露地(4月中旬定植、6月中~8月中旬収穫)に分けられ、農地の規模や条件に応じて作型分散を図っています。
 現在、普及センターとJAが年2回の栽培研修会と現地研修会を行い、伝統野菜の継承に取り組んでいます。平成29年度に実施した「基礎研修」では3名の方が参加され、そのうち1名の若い生産者が、30年度に初めての作付けで高い収量を上げました。これを機会に次年度以降も新規栽培者の参入が期待されます。

201904dento_aoshima_2.jpg  201904dento_aoshima_3.jpg
現地研修会(左)とJA加工場での酒粕漬けづくり(右)

郷土の味が全国へ

 地元では自家製の「青しまうり漬け」が毎日食卓に出され、幼い頃から慣れ親しんだふるさとの味です。このような地域の野菜を農家が受け継いで生産し、JAが無添加の酒粕漬けに加工し「青しまうり漬け」として、地元のみならず、全国に発送しています。酒粕特有の香りとカリッとした歯ごたえが特徴で、夏限定の郷土の味は販売後すぐに完売となっています。

201904dento_aoshima_4.jpg
贈答用などで人気の高い「青しまうり漬け」

自然豊かな環境で

 佐賀県多久市は、県のほぼ中央部に位置し、四方を緑豊かな山に囲まれ、冷涼な気候と豊富な水が人々の豊かな暮らしを支えています。主な産業は、弥生時代からつづく米麦を中心とする農業で、今でも「桐岡なす」や「女山大根」などの伝統野菜が生産されています。
 「青しまうり漬け」については、多久市HPに紹介されています。

執筆者
山口史子
佐賀県佐賀中部農林事務所佐城農業改良普及センター 園芸担当

●月刊「技術と普及」平成30年1月号(全国農業改良普及支援協会発行)から転載