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カワズウリ -漬物に最適。珍妙な姿が地元で人気のウリ

2019年5月24日

特徴と由来

●福井県福井市周辺

 1998年に発刊された「福井の伝統野菜」(ふるさと野菜の会編集・福井新聞社発行)によると、「カワズウリ」が生まれたのは昭和の時代に入ってからとされています。
 来歴をたどると、朝鮮半島から中国華北由来で、福井在来の「カタウリ」と交雑して育成されたと考えられます。
 発祥は福井市西側に位置する東安居(ひがしあご)地区でしたが、その後周辺地区に広がったようです。
 昭和20年代に入ると、市内の田原町市場(福井市中央卸売市場の前身)に出荷されるようになりました。
 「カワズウリ」は白ウリの系統に分類されています。主に漬物用に利用され、「カワズウリ」と「本カワズウリ」があります。
 このウリの特徴は、表面が淡緑色の肌にカエルの背中のような濃緑色の模様があることで、福井のカエルの方言を付して「ギャルウリ」とも呼ばれています。
 カワズウリは、表面の盛り上がりが少なく枕形になる「カワズウリ」と、果実表面がでこぼこして全体が楔形になる「本カワズウリ」があり、肉質はきめがこまかく、食味は極上とされます。

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「カワズウリ」

産地の動向

 近年は、生産が福井県北部全域に広がり、各地の直売所で販売されるようになりました。
 「カワズウリ」「本カワズウリ」ともに通常のツケウリ(カタウリ等)より高めの値付けがされており、人気の程をうかがわせます。

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本カワズウリ

栽培方法

 種子は自家採種が主です。種子を採る果実は「カワズウリ」の特徴がはっきりしたものを選んで二番果を残し、栽培終了まで残して完熟させて採種します(一番果は種子数が少ない)。
 播種は4月中・下旬で、苗床に播種し、30~40日後にポリ鉢に鉢上げします。定植は地温が17~18℃になったころに行い、ポリフィルム等のトンネルで保温します。排水の良い圃場を選び、畝幅2~2.5m、株間75~90cmで定植します。
 地這い栽培のほか、支柱とネットを用いた棚栽培も行われます。
 カワズウリは親蔓と子蔓にはほとんど雌花が付かないので、摘心して孫蔓の伸長を促します。

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カワズウリの棚栽培

食べ方

 ぬか漬け・浅漬けが主な食べ方です。外見に似ず肉質は柔らかく、漬けて1~2日目が食べ頃です。歯切れが良くしっとりした食感で美味です。

※本記事の作成にあたり、「ふるさと野菜の会」会員の松山松夫氏にご助言をいただきました。

●参考文献「ふくいの伝統野菜」福井新聞社1998

執筆者
見谷司
福井県福井農林総合事務所 技術経営支援課 主任

●月刊「技術と普及」平成30年1月号(全国農業改良普及支援協会発行)から転載