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2018年9月19日
山地や草原に生える多年草。北海道~九州、朝鮮、中国、アムールに分布します。
近年、野生種は乱獲や生育環境の変化により激減し、環境省のレッドデータブックの絶滅危惧IB類(近い将来における絶滅の危険性が高い種)に指定されています。
花は可憐な白色で、根は名前のとおりの紫色(赤紫色)です。色素の主成分はシコニン類で、色素は根の表層に生成されるため剥がれやすく、そのため、収穫した根は水洗いはせず、振るうなどして根の土を落とします。
国内の栽培は北海道や青森、岩手、滋賀、山口、高知、大分などの各県で行われていますが、ほとんどが染料用です。
ムラサキ(左)とムラサキの花(右)
2014年度における医薬品としての国内使用量は9,605kgで、全量中国からの輸入に依存しています。
中国の産地は吉林、遼寧、河北、四川、雲南、貴州など多くの省があります。中国ではムラサキの根を「硬紫根」、新疆紫草(Arnebia ruchroma)を「軟紫根」と称し利用していますが、後者は日本薬局方に収載されていません。
本種の近縁種にセイヨウムラサキ(L. officinale)があります。花は淡黄色の小花で、根のムラサキ色は薄く、実用性に劣ります。ムラサキとセイヨウムラサキは容易に雑種を作り、雑種化したムラサキの根色は薄くなるため、両種を隣接して栽培してはいけません。