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下仁田ねぎ-加熱で独特の甘み、冬期限定の伝統ねぎ

2014年5月26日

由来

●栽培地域 :群馬県甘楽富岡地区(富岡市、下仁田町、甘楽町)

 下仁田ねぎは、群馬県西部に位置する名前の由来である下仁田町を中心に、甘楽(かんら)富岡地区(富岡市・下仁田町・甘楽町)等で生産されています。

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下仁田ねぎ

 いつ頃から栽培されているかは定かではありませんが、江戸時代の文献で高崎藩の殿様が地元の名産品として諸国大名へ年末年始に贈答した記録があり、古くから栽培されているネギです。
 また昭和に入ってからは皇室への献上により、その名声が一段と高まりました。

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皇室へ献上する際、正装し撮られた写真(昭和初期)

特徴

 下仁田ねぎは、非分げつ性の1本ネギで、軟白部が15~20cmと、他のネギと比べると短い。また、太さは直径5~6cmで、太くてずんぐりとした極めて特異な形状・草姿のため、他の品種とは区別されます。
 下仁田ねぎは冬季限定のネギで、寒さに当たるほど美味しくなります。
 種は自家採取している農家も多く、何系統かに分類されます。
 他のネギに比べ病害に極めて弱く、栽培しづらい品種です。

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生育のようす

食べ方

 生のままでは非常に辛いですが、熱を加えると独特の甘みがあり、肉質はとろけるように柔らかくなります。食味・食感に優れ、長年愛され作り続けられています。
 その特徴から、鍋、すき焼き、焼きネギ(ネギぬた)など、火を通して調理する料理によく合います。

産地の動向

 産地では、栽培講習会や立毛共進会などを開催して技術の向上を図っています。また、パンフレットを作成したり、11月23日(いい風味の日)に消費者との交流イベント「下仁田ねぎ祭」を開催し、情報発信と消費拡大PRを図っています。

執筆者
上村達也
群馬県農政部西部農業事務所普及指導課富岡地区農業指導センター担い手支援係

●月刊「技術と普及」平成24年9月号(全国農業改良普及支援協会発行)から転載

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