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2015年4月24日
笑顔がすてきなカップルがトマトのハウスで待っていた。専業農家だった祖父の後を継いで就農、米作り6年目の福井喜康さんと、広島県出身の敬子さん夫妻だ。2人は兵庫県立農業大学校の同級生で、農大卒業後に広島大学へ進学した敬子さんの卒業を待って、結婚。2人でトマト栽培を初めて2年目になる。経営は、水稲4haと施設トマト4aである。
「新規に農業を始める人にはハウス栽培をすすめている」と言うのは、2人の栽培指導や相談に乗っている、丹波農業改良普及センターの京主任。これからは稲作を補完する複合的な経営が必要だ。そこで、ハウス栽培のイチゴまたはトマトを勧めるのだが、福井さんは初夏の育苗があるため、作業がそれほど重複しないトマトを選んだという。200㎡のハウス2棟が、畑の中に立っている。
作型は、半促成と抑制の年2作。取材当日は、8月10日に定植した苗が実を付け、収穫が始まっていた。年内いっぱい収穫したあと、半促成は2月20日頃定植する。5月半ばから約2カ月、収穫を行う。その後、抑制までの間、肥料を吸わせるためもあってトウモロコシを作る。
野菜は敬子さんが主担当である。敬子さんは普及センターの新規就農者向けの講座を受講中だ。「まだ勉強中です」とはにかむが、「(トマト栽培が)現在は3回目になり、上手につくっている」と、京主任は2人をほめる。 「稲は、まあ放っておいてもできるけれど、トマト作りは楽しいです」と喜康さんは言う。
課題は販売先の確保だ。現在は、神戸市内の直売所に出荷している。
若い2人には地域の期待も大きい。将来的にはハウスを増やし、トマトを中心に作っていきたい。売り先を開拓しながら量を増やして行ければ、と喜康さんは話してくれた。(水越園子 平成26年10月23日取材 協力:兵庫県丹波県民局丹波農業改良普及センター)