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耕作不能の強湿田を農地に!パート2(静岡県焼津市)

2012年4月 4日

 静岡県内初のクボタeプロジェクトによる耕作放棄地再生支援は、昨年12月初旬に焼津市藤守地区の2.1haで圃場の草刈が行われ、本コーナーでも紹介した(耕作不能の強湿田を農地に!)が、排水難のため作業が中断されていた。

 
 
左 :水位が深いところは、アシを地際から刈れず、また、度々車輪が沈下して動けなくなってしまうことから、作業を断念(平成23年12月) 
右 :建機で排水路まで水路を掘削し、まず排水対策を先行実施 

 
左 :排水路につなぐと、勢いよく滞水していた水があふれ出る 
右 :他の圃場でも、一部を掘り下げて水を集め、水中ポンプで排水


 排水が進んだとの情報を得て、1月23~24日の2日にわたり草刈作業を再開した。ところが作業の数日前に大雨が降り、圃場は再び水位が深くなったが、日程の関係で作業を強行した。

 
左 :排水が進んだとの情報で草刈作業を再開。しかし、前々日の大雨で再び冠水し、圃場に進入直後に車輪が沈下 
右 :大型建機により沈下したトラクターを引き上げ 

 
左 :1枚の圃場でも水位の高低があり、高い所から草刈を始める 
右 :難航しつつも、何とか刈り取りが進む 

 
左 :その後も何度かトラクターが沈下し、もう1台のトラクターで引き上げる 
右 :道路際の軟弱地盤のところを残し、作業は終わりに近づく 


 
左 :トラクターが入れない軟弱地は、刈払機により人力で刈取る 
右 :アシの刈り取りを終了した水田 

 たびたびトラクターが沈下するなど困難に見舞われたが、なんとか刈り取り作業を終えることができた。

 地元関係者からは、次のような感想が聞かれた。

  「条件が悪く、再生は無理とあきらめていた圃場の再生を支援していただいた。不法投棄が無くなって住民が喜び、再び不法投棄場とならないよう地権者が看板やロープを設置するなど、住民意識が変わり、前向きになってきた。」(焼津市農政課)

 「クボタeプロジェクトの支援をいただくことができ、本当にありがたい。地域の声を焼津市農政課が県、国につないでくれて実現できたもので、農政の力だと感謝している」((仮)藤守地区耕作放棄地解消基盤整備事業推進協議会会長)


 23年度にクボタeプロジェクトで草刈支援が完了した農地では、24年度に客土、排水対策などの基盤整備(国および県の耕作放棄地対策事業による)が予定されており、待望の稲作は、25年産から再開される見込みである。

 また、残りの放棄地2.3haは、24年のクボタeプロジェクトで継続して支援をする予定だ。(みんなの農業広場事務局)

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