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農家の「やる気」を後押し 未利用水田の再生と大豆栽培(岩手県西和賀町)

2010年6月18日

 「今年だけ」のつもりが3年・4年たち、あっという間に5年も6年も経ってしまった。一時的な休耕田のつもりが、遊休農地化(耕作放棄地)し、気づいた時には、農家の手持ち機械では再生が困難なほどの状態におちいっていた。こんな経験をしている農家は数知れないだろう。

 岩手県西和賀町は、秋田県との県境にある、典型的な中山間地。ご多分にもれず、高齢化の進行や農家戸数の減少により、全水田面積(1,570ha)に占める未利用水田は全体の14%(220ha)に達している。
 この現状をよしとせず、農地遊休化の増加に歯止めをかけるとともに、遊休農地の解消・再生に取り組み、自活力・自給力の向上に向けて、積極的に打って出ようと行動を起こしたのが、西和賀町沢内の北太田営農組合(代表:髙橋昭貴氏、構成員:21名)である。


 昨年、町内の別集落が(株)岩手クボタの協力のもとに実施した「大豆300aプロジェクト」では、10aあたり240㎏もの収穫があった。これに触発され、再生農地に大豆を栽培し、地産地消や6次産業化への一助にしたいと、組合員が立ち上がった。

 この取り組み-北太田営農組合が実施する「耕作放棄された未利用水田の再生と大豆栽培の転換実証」-を、(株)岩手クボタ(クボタeプロジェクト)、西和賀町役場、農業委員会、県中央農業改良普及センター・西和賀普及サブセンターが連携して後押ししている。(みんなの農業広場事務局)


    
左 :雑草の刈り取り(フレールモア)
右 :長年放置された水田ではカヤ、シダ等の頑固な雑草が繁殖。大馬力のトラクタで大きなカヤの株を反転・埋め込み(プラウ耕)


  
左 :埋め込んだ雑草を地表面に出さず、埋め込んだままで砕土・耕耘 (バーチカルハロー)
右 :砕断された雑草の根株・表面に浮き出た石拾い


  
左 :土壌分析に基づき、土作り資材を200kg/10a投入(ライムソワー)
右 :きれいに整地された圃場


  
大豆の畦立て+施肥+播種機を利用し、効率的な作業を実施(畦立て・施肥・播種機)



播種後の除草剤散布作業(ハイクリブーム)

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