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「野菜ソムリエ」の元気を作るおいしい食卓【107】

2022年12月14日

世田谷区消費生活講座でおせち料理と伝統野菜を紹介


野菜ソムリエ・アスリートフードマイスター 田代由紀子   


 ここ数年依頼が多くなった「食品ロス」をテーマにした料理講座。今月は、東京都世田谷区主催の消費生活講座【気軽に食品ロスを減らそう~無駄なく使えて、体によい「おせち」の紹介~】で、野菜を中心としたおせち料理と、おせち料理を無駄なく食べきるための工夫や、リメイク料理などを紹介する予定です。

 講座では、世田谷区で古くから栽培されている江戸東京野菜の一つ、「大蔵ダイコン」の話にも触れたいと思い、大蔵ダイコンを栽培している八王子の農家、オギプロファームさんの畑と直売所を訪ねてきました。


tashiro_107_2.jpg オギプロファームの代表である福島秀史さんは、江戸東京野菜の魅力を多くの人に伝えたいと、固定種の野菜を中心に、栽培期間中農薬不使用、無肥料自然栽培を行っています。
 江戸東京野菜などの固定種の野菜は、自分で種取り(自家採種)をすることから、交雑を防ぐためにある程度の広さの農地が必要です。その農地の確保や、収穫量が少なく栽培に手間がかかることなどから、栽培する農家は少数です。代々引き継がれてきた命を絶やさず守り続ける必要があると、福島さんは言います。

 福島さんの畑では、一般的に雑草と呼ばれる植物も抜いてしまわず、緑肥として土にすき込んでいます。そうすることで土壌内の微生物が増え、植物にとって環境の良い状態を作ることができ、農薬や肥料の必要がなくなるとのことです。栽培には手間がかかりますが、野菜本来の香りや味わいを感じる野菜だ、と直売所や宅配購入にはリピーターが多いそうです。この日、畑で一緒になった方は「福島さんの野菜は味が濃くておいしいので、スーパーで野菜を買う頻度が減りました」と話していました。
 今回は講座で紹介したい大蔵ダイコンのほか、八王子生まれの高倉ダイコン、みの早生ダイコンを分けていただきました。
 一般的な直売所と違い、オギプロファームの直売所には野菜がほとんど並んでいません。お客さんの注文を聞いてから、福島さんが目の前で収穫してくれるので、鮮度抜群の野菜を買えるのも人気の秘訣のようです。


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 講座では、おせちの定番、ダイコンとニンジンの紅白なますや、そのなますを使ったアレンジ料理を紹介する予定です。また、大蔵ダイコンの「全体が真っ白で、首から先端近くまでが同じ太さの円筒形なので、輪切りにしたときにどこを切っても同じ形で、形をそろえやすい」という特徴を生かして、薄切りのダイコンの間に柚子の薄切りやスモークサーモンなどをはさんだカナッペも、紹介しようと思っています。
 肉類や味の濃い料理ばかりに偏りがちな、年末年始。無駄なく野菜を使って、すこやかな年越しを過ごしていただければと思います。


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 わが家で、毎年欠かさず作っている、手軽に作れる紅白なますとそのアレンジレシピをご紹介します。


【紅白なます】
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【材料】(作りやすい量) 
ダイコン   300g
ニンジン   30g
塩      小さじ1杯
酢      大さじ4杯
砂糖     大さじ3杯


【作り方】
① ダイコンとニンジンを千切りにし、塩をふりしんなりさせる。
② ①を軽くしぼり、酢・砂糖を入れて味をなじませる。


【紅白なますで南蛮漬け】
(少量残ってしまったお刺身の活用法)
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【材料】 
刺身     適量
醤油     少々
小麦粉    適量
油      適量 

漬け汁
なます    2分の1カップ
醤油     大さじ1杯
鷹の爪    適宜
ピーマン・赤ピーマンなど適宜


【作り方】
① 刺身に醤油をふりかけて薄く小麦粉をまぶし、油で両面を焼く。
② つけ汁を作る。 なますに醤油・鷹の爪を加える。
③ ①を②に漬ける。

たしろ ゆきこ

野菜ソムリエ・アスリートフードマイスター。「楽しく、美味しく、健康な生活を!」をコンセプトに野菜についてのコラム執筆、セミナー開催、レシピ考案などを行っている。ブログ「最近みつけた、美味しいコト。。。」で日々の食事メニューを発信中。

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