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「野菜ソムリエ」の元気を作るおいしい食卓【46】

2017年10月18日

料理講座「おいしい!新鮮!オール東京産deクッキング」


野菜ソムリエ・アスリートフードマイスター 田代由紀子   


 公益財団法人東京都農林水産振興財団主催の料理講座の講師を務めました。
 「東京の農畜産物を使って、家庭でも再現しやすい料理を調理し試食すること」「東京の農林水産業や食に関心をもってもらい消費拡大を図ること」。この2つをテーマにした料理講座を行ってほしいと依頼を受けました。せっかくならば、食材をできる限り東京産でそろえてみたら楽しい企画になるのでは、と提案したところ、「オール東京産で行いましょう」ということになりました。


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■東京のブランド食材「TOKYO X、奥多摩やまめ、江戸東京野菜」
 今回は、なかなか手に入れるのが難しい、希少な食材も用意してもらいました。
 1つ目は「TOKYO X」。東京都畜産試験場が開発した、東京発のブランド豚です。肉質に優れた特徴を持つ品種の豚(北京黒豚、バークシャー種、デュロック種)をかけ合わせて品種改良されたことから、クロス(交雑)を表す「X」の文字が使われています。豚肉の醍醐味ともいえる脂身は甘み、うま味がしっかりしていながら、さっぱりと食べられます。


 2つ目は「奥多摩やまめ」。奥多摩さかな養殖センターで開発されたヤマメは、通常のヤマメと違い産卵をしないため、大きく育ちます(自然のヤマメは産卵により2年で死んでしまう)。大型の魚のため身がたっぷりで脂ものっているので、刺身やカルパッチョ、ムニエルなどにするとおいしく料理することができます。


tashiro_46_1.jpg 3つめは江戸東京野菜。今回はこれから旬を迎えるシントリ菜、後関晩成コマツナ、金町コカブ、間引き菜として滝野川大長ニンジンを使用しました。これらは前日に、八王子に畑があるオギプロファームさん(写真右)を訪ねて収穫させてもらいました。最近脚光を浴びる機会が増えた江戸東京野菜ですが、F1種の野菜と違い、発芽率の低さや病害虫に弱いなどの栽培のむずかしさなど話を聞きました。


■こんなに揃う!? 東京産
 今回の講座では、メインとなる食材だけでなく、その他の食材や調味料なども東京産にこだわりました。米は羽村市、チーズは青梅市、ヨーグルトは八王子、ハチミツは立川産、塩は青ヶ島の「ひんぎゃの塩」、酢はあきる野市近藤醸造株式会社「キッコーゴの米酢」、油は利島村の「椿油」、食後のお茶には立川産の紅茶や練馬区の麦茶「金子ゴールデン麦茶」といった具合に、ほんの一部のものを除いてすべて東京産がそろいました。どうしても東京産が用意できなかったマヨネーズは、東京産の卵と酢、塩、椿油で手作りするという徹底ぶりでした。


■オール東京産deクッキング
 参加者は高校生から大人まで、総勢20名余り。和気あいあいと調理を楽しんでもらったメニューは、

*奥多摩やまめのタルタル ~東京産ダイコンのカナッペにのせて~
*江戸東京野菜シーザーサラダ ~烏骨鶏卵のポーチドエッグ添え~
*TOKYO Xのフラメンキン(ロールカツ) ~江戸前の海苔と東京産野菜を巻いて~
*ごぼうの黒米リゾット ~東京産のベーコンの旨味を含ませて~
*無花果ムース ~東京牛乳と東京産のはちみつを使って~


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 実習、試食を終えた参加者からは、「こんなにも東京産の食材があるなんて知らなかった」「もっと東京の食材を知ってみたい」「自宅の近くにも畑があるが、何を作っているのかさえ知らなかった。今後は注意してみてみたい」などの感想を聞きました。身近な東京食材に関心をもってもらえてうれしく思っています。

たしろ ゆきこ

野菜ソムリエ・アスリートフードマイスター。「楽しく、美味しく、健康な生活を!」をコンセプトに野菜についてのコラム執筆、セミナー開催、レシピ考案などを行っている。ブログ「最近みつけた、美味しいコト。。。」で日々の食事メニューを発信中。

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