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大豆等の省力・低コスト・高品質生産技術に関する実証調査現地検討会の開催(山形県米沢市)

2011年12月12日

10月25日、山形県米沢市で大豆等の省力・低コスト・高品質生産技術に関する実証調査現地検討会が、山形県置賜総合支庁産業経済部農業技術普及課の主催により開催された。

山形県における大豆は、水田転作面積の2割を占め、水田農業の基幹作物となっているが、収量・品質向上が喫緊の課題となっていた。原因は「連作による地力低下」「湿害」「雑草害」で、これを解決し、高品質・高収量を確立するため、大豆300A技術の効果実証と、新品種「里のほほえみ(東北160号)」の導入による収量・品質の向上に取り組んだ。


午前中は大豆連作圃場と実証調査圃場の視察を行った。実証調査は全国農業システム化研究会の実証事業として取り組まれており、畦立播種同時深層施肥、中耕ディスク式培土機による培土作業、防草剤畦間散布等の技術実証を行っている。


※関連リンク
大豆の畦立播種同時深層施肥技術の実演会を開催


過去5年間の平均単収は135kg/10aと低迷していたが、今年から導入した技術、品種のおかげで、見違えるほど生育し、目標としている300kg/10aも現実的なものとなった。


  
 :大豆連作圃場の説明をする山形県農林水産部生産技術課 瀬野氏(中央奥)
 :排水の大切さについて話す株式会社クボタ 機械営業総括部 技術顧問 有原氏


  
 :大豆連作圃場
 :実証調査圃場の説明をする山形県置賜総合支庁産業経済部農業技術普及課 主任専門普及指導員 太田氏


  
 :実証調査圃場
 :左が今年の大豆で、右が昨年までの大豆。違いは一目瞭然である


クボタ機械サービス株式会社により、今回の実証調査で用いた機械展示も行われた。当日は、生産者、山形県農業関係機関、農業資機材メーカー等111名が参加し、小雨の中、熱心に説明を聞いていた。


  
たくさんの機械が展示された


午後からは室内検討会が行われ、大豆生産技術や機械についての話題提供が行われた。山形県農業総合研究センター土地利用型作物部 専門研究員 後藤氏からは、小畝立て深層施肥技術と新品種の「里のほほえみ」についての発表があった。この技術は初期の湿害を軽減する小畝立て播種技術と、根粒菌の活動を阻害せず、効率的に窒素供給をする深層施肥技術を組み合わせた新たな播種技術で、収量構成要素の全てで対象区を上回るという良好な結果が得られたとの報告があった。また、「里のほほえみ」の品種特性等について、詳しい紹介があった。


その後、総合討議が行われ、連作障害の質問や、実際に現場で起こっている問題に対し、活発な検討が行われた。実証調査については、来年2月の最終成績検討会に向け、収量・品質の調査を行い、成績が取りまとめられる予定だ。収量300kg/10a以上をめざした実証調査が、引き続き行われる。(みんなの農業広場事務局)


  
 :室内検討会 /  :総合討議

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