提供:(一社)全国農業改良普及支援協会 ・(株)クボタ


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農業経営者の横顔



歴史ある営農組合組織で地域農業を守る

2017年08月30日

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石川貴博さん(農事組合法人 高棚営農組合 愛知県安城市)


 6月末の愛知県安城市では、麦の収穫跡で大豆の播種が始まっていた。
 安城市高棚町の高棚営農組合は、昭和54年に3営農組合が合併してできた、水稲、麦、大豆を2年3作する土地利用型経営の農事組合法人だ。現在は8戸の農家が参加し、経営面積は290ha(または、稲170ha、麦120a、大豆110ha)。


 構成員のひとり、石川貴博さんは、祖父の代から営農組合に所属する3代目。JAの稲作青年部長を務める、若手のホープだ。西三河農業改良普及課の小林技師とは年齢が近く、打合せの話も弾む。


201708_yokogao_ishikawa_2.jpg 案内してくれたのは愛知県で最も作付面積が広い、県の試験場が開発した米「あいちのかおりSBL」の採種圃場。「あいちのかおり」は縞葉枯病、いもち病に抵抗性をもつ品種だ。「採種圃なので、収量をとらない作り方をしています」と、石川さんは説明する。種子栽培への配慮はさらに、交雑しないようまわりの圃場にも同じ品種を植えているという。
右 :採種圃場を前に、石川さん(右)と西三河農業改良普及課の小林技師


 「このあたりでは、農機のオペレーターを『営農さん』と呼びます」と、石川さん。事務所に隣接する倉庫には、大規模経営には欠かせない農業機械がずらりと並んでいた。3代目が活躍する営農組合は、地域になくてはならない経営となっている。(水越園子 平成29年6月26日取材 協力:愛知県西三河農林水産事務所農業改良普及課)