新規就農でキュウリとニガウリ作りに汗を流す!
2014年08月19日
群馬県板倉町の君島拓さん(33)は、施設キュウリ10a、ニガウリ10aを作る、新規就農3年目の青年農業者だ。
茨城県の出身で、学生時代は板倉町に住み、農作業のアルバイトを経験したこともあった。卒業後に会社員として3年間働いたのち、農業をしたいと板倉町に戻り、館林市の農家で3年間研修を受けながら働いた。続いて1年間、明和町のベテランキュウリ農家で研修を重ね、満を持して3年前に30歳で就農した。
初年から目標の収量を確保
施設キュウリは、地域で一般的な促成(2月定植―7月上旬収穫)と半促成(8月お盆過ぎ定植―12月いっぱい収穫)の作型で作付けしている。目標20tのところ、1、2年目ともに22t以上という好成績を上げたが、3年目の今年は初めて目標を下回った。
「2月の大雪と寒さの影響だと言われるけれども、温度管理の失敗だと思っています」と、君島さんは謙虚である。大雪による品薄により10年で最も高い値がついたため、経営的には前年、前々年と変わりない結果が出たという。
左上 :君島さんと館林普及指導センター曽原普及指導員。後ろは君島さんの施設キュウリハウス
右下 :ハウスの骨組みを利用した露地ニガウリ。植え付けが遅れたのでやっと花がつきだした
訪ねた日は促成栽培が終了した直後で、1カ月後の定植へむけた準備がまもなく始まるという時だった。北関東地域は今年2月に大雪に見舞われ、施設や農作物に大きな被害がでたが、君島さんのハウスは幸い、入口の扉2枚が壊れただけですんだ。また、ハウスのすぐ近くの畑では、梅雨の晴れ間の好天の下、ハウスのパイプを利用したニガウリが順調に生育していた。この地域はニガウリ栽培が盛んで、本州一の産地と言われている。
作物は毎年違うと実感
今後はどのような経営を考えているかたずねると、「同じ作物でも、作ってみると毎年違う。3年たっても作り方をわかっていないだろうという気がします。だからこそ、基礎をしっかりと身につけたい。目標の反収をコンスタントにとれて、品質にも自信が持てるようになれば、技術を習得できたと言えるでしょう。そうなったら回りからアドバイスをもらいながら、規模拡大にも踏み切りたい」と、笑顔で話してくれた。(水越園子 平成26年7月8日取材 協力:群馬県東部農業事務所普及指導課館林地区農業指導センター)