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【兵庫県たつの市】KSASを使って調査をしています

2016年05月18日

兵庫県たつの市の取り組み(平成28、29年度)

ICT(KSAS)の実証調査について

 全国農業システム化研究会では、平成26年度から、ICT技術(KSAS)の活用により、大規模稲作経営体における新たな経営支援システムを構築し、圃場管理の効率化や蓄積データを活用し、これら大規模経営支援システムの構築と経営改善への有効活用方策に関する検討を行っています。
 ここでは、兵庫県の実証内容について紹介します。

実証地域およびテーマ

●担当普及指導センター :兵庫県龍野農業改良普及センター
●実証農家 :株式会社 ささ営農 (兵庫県たつの市)
●テーマ  :「組織経営体へのICT導入による経営改善効果の検討」

調査の目的とねらい

 当地区では、約55ha(約500筆)の農地集積が進んでいるが、地元以外の離れた5地区での借り受けも行っているため、圃場毎の特性を踏まえた作業計画や移動時間(距離)も含めた効率的な作業が困難になっている。収益性の高い農業経営を実践するため、ICTを活用した圃場管理システムの導入により、専用端末を装備した5名のオペレーターによる正確できめ細かな圃場管理を行うことで、2年3作(水稲‐麦‐大豆)の作付け体系における、収量・品質の安定化と作業の効率化を目指す。

①圃場毎の収量・品質を把握し、翌年の施肥設計や栽培計画を作成し、収量・品質を向上させる。
②圃場毎の特性を把握し、最適な品目選定や適正管理が可能な計画を立案し、効率的な作業を実施する。
③全オペレーターの労働時間を正確に把握することで、最適な作付け計画と人員配置を提案し、無駄の無い労働配分を行う。
④圃場管理の徹底により、過剰な施肥や薬剤散布を押さえ、コスト削減を行う。
⑤圃場管理データを活かした経営改善を行い、収益性の高い農業経営を行う。

耕種概要

●品種
 :水稲(ヒノヒカリ)
 :小麦(ゆめちから)他

調査内容

●平成28年度
①調査対象圃場を水稲と麦等を作付けする全ほ場とし、作業を担う全オペレータ(5名)が専用モバイルを携帯し、以下の項目について調査する。
●調査項目
圃場毎の作業時間、施肥量、使用薬剤、雑草発生、倒伏程度、コスト分析など

②水稲と小麦では代表圃場を選定し、ICT対応機械による作業を実施し、データの収集を行う。
●ICT対応コンバインで収量・タンパク含量の測定を行い、生育調査・土壌分析は代表3筆のみ実施。
●ICT対応田植機は、過去に収量コンバインや土壌分析データを取得した圃場で、施肥設計を組んだ上で活用する。
以上の取組から得られたデータを活用し、最適な施肥設計、作付け計画を検討する。

●平成29年度
※調査対象圃場を水稲と麦等を作付けする全ほ場とし、作業を担う全オペレータ(5名)が専用モバイルを携帯し、下記の項目について調査する。
・調査項目:圃場毎の作業時間、施肥量、使用薬剤、雑草発生、倒伏程度、コスト分析など

①水稲(ヒノヒカリ)
代表圃場を選定し、ICT対応機械による作業を実施し、データの収集を行う。(生育調査、土壌分析も実施)
目標:分布図ランクA
・ICT対応田植機は、過去に収量コンバインや土壌分析
データを取得した圃場で、土壌分析結果も参考に最適な施肥設計を組んだ上で作業を行う。
・ICT対応コンバインで収量・タンパク含量の測定を行う。

②小麦(ゆめちから)
代表圃場を選定し、ICT対応機械による作業を実施し、データの収集を行う。(生育調査、土壌分析も実施)
目標:分布図ランクA
・過去データ等を参考にし、最適な追肥時期、追肥量を検討し実施する。
・ICT対応コンバインで収量・タンパク質含量の測定を行う。

以上の取組から得られたデータ(過去2年間)は、(株)ささ営農内に検討の場を設置し、データの活用方法や次年度以降の施肥設計、作付け計画についての検討を行う。

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