提供:(一社)全国農業改良普及支援協会 ・(株)クボタ
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ニンニク畑では、長年の堆肥施用でリン酸とカリが過剰となっているほか、10a当たり施用窒素成分量は、県の施肥基準が20~25㎏であるのに対し、現場では30㎏以上の施用となるなどの問題を抱えており、10a当たりの肥料費が4~5万円にもなっている。
また、植付時や収穫時には多大の労力を必要とし、高齢化・労働力不足等から、一層の省力化が求められている。
このため、ニンニクの施肥低減及び省力化を推進するための機械化体系を実証して、早期に普及が可能な低コスト栽培技術の確立を目指す。
具体的には、畦内全層施肥や畦内局所施肥による施肥低減、施肥同時畦立てマルチ、乗用自走式の植付け機、並びに収穫機を組み合せた機械化体系の経営的・技術的な課題や普及性について実証する。
砕土鎮圧、均平 | 能率と効果 |
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![]() バーチカルハローによる 砕土・鎮圧 ![]() レーザーレベラーによる 均平作業 |
実証圃場は、長年のロータリ耕により圃場の両端に土壌が移動し、中央部分がくぼ地になり、水が停滞する状態であった。 このため、バーチカルハローによる砕土とレーザーレベラーによる圃場の均平化を図った結果、くぼ地は解消された ●型式 パワクロトラクタ バーチカルハロー レーザーレベラー |
施肥同時畦立・マルチ設置 | 能率と効果 |
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![]() 施肥同時畦立てマルチャー |
・作業時間は10a当たり約1時間 ・トラクタ前部にタンクを設置。除草剤もマルチ下に同時散布 ・機械植えは無孔マルチ使用。慣行体系は有孔マルチ使用 ・畦立ては、ニンニク用畦立成形機 ●型式 パワクロトラクタ (KL5150FQMANPC) 車速連動型肥料散布機 (DS-100MT-A6) 畦立成形マルチャー (PH-MR141B) |
病害虫防除 | 能率と効果 |
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![]() 乗用管理機 |
・10a当たり作業時間は約0.5時間 ●型式 乗用管理機 (RV60Y) |
収穫 | 能率と効果 |
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![]() 乗用自走式収穫機 ![]() 収穫機後部では、 2人で根切り補助 |
・10a当たりの作業時間は4.9時間 ・オペレータ1人、作業員2人の組作業 ・3人の組作業でも収穫は効率化できるが、スピードを早めるには、補助員を1名追加することで、より効率化が図れる ●型式 乗用自走式にんにく収穫機 (AGH-1) |
機械化体系により、労働時間は慣行体系に較べて10a当たり79.2時間(慣行比75.5%)に削減された。また、植付け作業(腰をかがめた状態)と収穫作業(茎葉処理の省略、運搬)で軽労化が図られた。
機械化体系により減価償却費が約100万円増加するが、雇用費が抑えられるため、慣行100a規模に対して115aの想定面積で同等の所得が確保可能である。
左 :手植え作業
主要機械作業ごとの延べ作業時間
経営評価
<肥料散布機の施肥精度>
・施肥方法は、慣行が全面全層施用に対し、試験区では畦内全層施肥及び畦内局所施肥とした。
10a当たりの窒素施用量は慣行の20~40%減としたが、ダイヤル式肥料散布の場合、肥料投入量は設定値に対して85~95%と精度が低かった。そこで、車速連動型で実施したところ、設定値に対して99.6%と高精度であった。
肥料投入イメージ
<施肥低減による収量>
・総収量は慣行区が1,068kg/10aで最も優り、減肥率が高かった実証区1が805kg/10aで最も収量が低かった。
また、植付け機が原因と思われる品質低下はみられなかった。
<まとめ>
・平成22年は越冬後から低温傾向で、このような気象条件ではロング肥料の肥効が悪く、更に減肥となったため、収量が劣ったものと予想された。
今回の調査において、局所施肥によるにんにく栽培について初めて取り組んだが、障害もなく、品質も他の区に比較して高かったことから、今後、施肥位置や量等について検討したい。
青森県五戸町