溝切り・中干しをおこないました
2008.06.13
6月10日の第2回生育調査では、白根地区3地点の平均で、草丈が29cm、茎数は278本/㎡、葉齢は7.2となっています。小田農場のデータもほぼ同様で、昨年に比べると3日程度遅れています。
田植え後1カ月を過ぎ、茎数が目標穂数の80%(茎数300本/㎡)近くになりました。
6月10日と11日に水を落とし、2~3日そのままにして地固めをした後、6月12日から14日の間に溝切りを行いました。
溝切りは、40アールのほ場に歩行型の溝切り機を使用し、深さ8~10cm、幅15cm(底面は8cm)の溝を、縦に9本、横の通路側に4本切っていきます。作業時間は、約30分程度でした。
溝切り・中干しは、水稲の健全な育成のために行うものです。
土中のガスを放出し、酸素を供給して健全な根をつくることや、地耐力の確保による収穫時の機械操作を容易にすること、フエーンなどの緊急時に迅速なかん水を可能にします。
また、長雨などによる停滞水の排水を容易にするなど、さまざまな目的を持っています。
溝切りの後は、過剰生育を防止するため、田面に小さなヒビが入り、軽く足跡がつく程度まで中干しを行います。その後は、出穂の25日前まで間断かん水を実施して、根への酸素供給を意識した水管理を行っていきます。
生育はやや遅れていますが、これからの天気次第です。イネの出穂は、8月8日頃になると思われます。
今年度から溝切り・中干しの直後に「田んぼダムプロジェクト」を実施することになりました。
白根郷には排水機場が3カ所あり、合わせて毎秒108トン、1日の連続運転で930万トンの排水能力があります。
計算上は24時間で白根郷内の水が全て排水されることになっていますが、大雨があった場合には、能力をオーバーすることも考えられます。
そこで、排水口を1cmだけ高くして、田んぼをダムとして使い、排水に余裕を持たせようとする試みです。
1cmの水は10ミリの雨に相当しますので、白根郷の全水田を5,500haとすれば550万トン多く貯水出来ることになります。この水の量が、1日かけてゆっくりと排水されるだけでも、急激な出水などの被害が防げると期待されています。
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