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徳島県
吉原 均

吉原 均

徳島県美波農業支援センターの吉原均です。野菜・作物担当で「きゅうり」、「いちご」、「水稲」、「藍」を担当しています。

やっぱり藍でしょう!

2010.06. 4

 私が行く所、藍がある(←?)。
というわけで、今回は新しい「藍」への挑戦をご紹介します。

 先日、徳島県でも最も南側に位置する、海陽町の熟田(ずくだ)地区で、藍の定植作業が行われました。
 藍と言えば徳島県、というわけで、徳島ならどこでも栽培されていそうなイメージの藍ですが、実は県内でも北側、吉野川沿いのごく一部でしか実用栽培されていません。

 ところが最近、当センター管内の海陽町で、藍の栽培に挑戦している方たちがいらっしゃいます。
 以前のブログでもご紹介しましたが、現在、地元の肌着メーカーなどと連携して、藍を使った農商工連携の取り組みを模索しているのです。構想には、地元産の鶏糞堆肥を活用することも組み込まれていて、地域資源の利活用といったテーマにも沿った形となっています。

 定植は、肌着メーカーの関係者や地元農家など、多彩な顔ぶれでワイワイと行われました。


   
左 :植え付け前には、天地の神様にお酒とお祈りが捧げられました
右 :植え溝を作る作業。今回は人力で挑戦! 私は腰が痛くなりました。写真は栽培に挑戦する農家Y氏


  
左 :地元肌着メーカーの専務さんとお嬢さん(写真手前のお二人)も植え付けに挑戦
右 :出番を待つ藍の苗。これは地面に播種して育てたもの。このように移植直前に抜き、水に漬けておきます


 なにせ、ほとんどの人が藍の定植初体験。まるで体験学習でイネを植える小学生のように、楽しく作業が行われました。
 追肥や除草を経て、7月中~下旬には収穫できる予定です。今後もこのブログで、生長のようすをレポートしたいと思います。


 古代、この地で朝廷に仕えた海部にちなみ「海部の藍(あまべのあい)」と名付けられたこの地域の藍。今後の動向に期待大です。


  
左 :こちらはセルトレイで育苗中の藍。まだ発芽したばかりです。これもそのうち移植されます
右 :移植から5日後の様子。雨で水浸しですが、藍はへっちゃらです! むしろこの方が元気 

ウェル○めの舞台に転勤です

2010.05.10

 このたび転勤で、徳島県で最も南にある、美波(みなみ)農業支援センターに勤めることになりました。
 ここは朝の某連続ドラマの舞台になったところです。残念ながら、撮影も放送もすっかり終わっていますが・・・。
とにかく、今後もよろしくお願いいたします。


 新しい担当作物は「きゅうり」。管内では35戸、10haの規模で栽培しています。きゅうり栽培が始まってから60周年という、歴史のある産地です。
 今回ご紹介するのは、私が担当することになったキュウリ栽培での新しい取り組み、「スワルスキーカブリダニ」という天敵を使った害虫防除についてです。
 天敵と言えば、以前にも飛ばないテントウムシをご紹介しましたが、今度の職場でもやっぱり天敵と関係がある仕事・・・。よほど縁があるのでしょうかねぇ。
右 :今回の戦場はここ、キュウリのハウス。湿度がすごく高くて、まるでジャングルみたいです、暑い!


 さて、キュウリ栽培現場では、ミナミキイロアザミウマという手ごわい害虫に悩まされています。
 そこで導入したのが「スワルスキーカブリダニ」。ミナミキイロアザミウマなどの害虫を食べてくれます! なんだかワルそうな名前ですが、全然悪くありません。スワルスキー博士が発見したからこんな名前なんだそうです。ちょっと言いにくくて、農家の方に覚えてもらいにくいのがご愛敬。キュウリではあまり使用例がないそうなのですが、実用化に向けて、試験的に導入を進めているところです。


  
左 :憎き害虫、ミナミキイロアザミウマ。残念ながらスワルスキーは撮影できていません・・・。すみません
右 :調査中セルフ撮影。右手でカメラ持ってます


 現在、週1回、8カ所のハウスで調査を行っていますが、何せこのダニは小さい! しかも動きが速い! 目がすごく疲れます。
 しかしこのスワルスキーカブリダニを導入して害虫防除に成功しているハウスでは、例年行っている薬剤防除をほとんどしなくていい、という状態です。実施農家の方の中には「これはいい。楽だね!」といって下さる方もおられます。今後の成果が楽しみな状況です。

テントウムシは太陽の虫だッ!

2010.03.29

 Buon Giorno! 今回は非常にユニークな取り組みについてです。
 テントウムシがアブラムシの天敵ということはご存じですよね? 現在、このテントウムシをアブラムシ防除に応用しようという取り組みが行われていて、私も農業研究所の調査をお手伝いしています。


 対象作物は、徳島特産の「春にんじん」。当管内が最大の産地です。
 実はこのテントウムシ、普通のテントウムシではありません。なんと! 「飛ばない」テントウムシなんです。その名も「飛ばテン」。(独)近畿中国四国農業研究センターで育成された、遺伝的に飛ばないナミテントウです。羽も筋肉もちゃんとあるそうなので、「飛べない」ではなくて「飛ばない」ということらしいですが・・・。


  
左 :今回の戦場はここ。にんじんのトンネルです
右 :調査中の研究所の方々。調査は常に中腰。「腰イテー」が合い言葉です 


 さて、「なんで飛ばんの?」「さぁ?」などという会話をしつつ、調査開始。アブラムシとテントウムシを数えます。
 調査していると「飛ばテン」発見。確かに飛びません! 普通のテントウムシなら、何かの先端までたどり着くと飛んでしまうものですが、クルリと引き返してしまいます。これなら遠くに脱走せずに、作物についたアブラムシをたくさん食べてくれるかも! 葉っぱの上をヨタヨタ歩く姿はちょっと頼りないけど、彼らの活躍に期待してます!


  
左 :新芽に発生したアブラムシ。飛ばテン、ご飯はここですよ!
右 :飛ばないナミテントウ。背中の模様は色々個性があって、おしゃれな感じ。このコはわりと派手なタイプ



卵です。放飼した時の木屑に産んでいました。ツヤツヤです。幼虫もアブラムシを食べてくれます

いちご炭疽病対策その後

2010.03. 9

 今回は、イチゴの炭疽病対策についての話題です。以前も書きましたが、徳島では「親株の簡易検定」という手法を使って、早期に、この病気にかかったイチゴを排除する取り組みを行っています。

 数年前に猛威を振るった「炭疽病(たんそびょう)」ですが、最近はちょっと落ち着いてきています。当センター担当者の山本さんと私は、「これが簡易検定の効果なのか~!」「カビまみれで頑張った甲斐があった~」と喜んでいたのですが、実はハッキリと分からないので、ちょっとがっかり。近年は台風も来ていないし、雨も少ない、炭疽病まん延の条件がそろっていないだけ、という説もある一方、生産者からは「絶対に効果はある! 今後もお願いします。」という、号泣モノのお言葉も。どのみち、この病気に強い新品種が育成されるまでは、簡易検定や株元灌水で対抗するしかないようなので、カビ臭い葉っぱとの格闘は、まだまだ続きそうです。

 今は簡易検定のシーズンに突入中。今日も山本さんとともに、ばっちりマスクして、のぞんでいます。検定の効果でも天候のおかげでも、どっちでもいいから、今年も炭疽病があまり発生しませんように!


  
左 :炭疽病が発症したイチゴ。枯れます・・・。
右 :私たちが格闘しているカビカビの葉っぱです。お見せするのがためらわれるので、ちょっとボカシときます(逆効果?) 


  
左 :「炭疽病バスターズ(もちろん自称)」のメンバー、山本さん。検体が山積みです~♪
右 :同メンバーの私。カビ対策には気を遣ってます。ちなみにこのチーム、メンバーは2人だけです。がんばります! 

輝け!女性グループ

2010.02.19

 今回は、先日行われた、女性グループの交流会についての話題です。
 「輝く女性グループ活動事例交流会」と題されたこの会は、管内の各女性グループが取り組んでいる食育や特産品加工、産直などの活動を発表し、情報交換を行うことを目的に開催されました。私も裏方として参加しました。


 まず3つのグループから事例発表がありました。その後、徳島の食材にこだわるお弁当屋さん「デイズ・キッチン」を経営している森永才知さんの講演「これからの食と野菜の関係」があり、「皆さんが一生懸命つくった食材を、精一杯愛情込めて料理します!」と、力強いメッセージをいただきました。


  
 
左 :事例発表。みなさん上手にお話しされます。日頃の活動がよく分かりました
右 :デイズ・キッチン代表の森永才知先生。地域食材へのこだわりと、愛情が伝わる講演内容でした


  
左 :飯泉知事登場!モテモテです
右 :熱心に試食&意見交換される知事。おいしそーに召し上がりますネ


 最後に「わたしの商品自慢合戦」と題した、特産物加工品の試食会が行われました。
 ここで会場にスペシャルゲスト、飯泉知事が登場! 各グループが自慢の加工品をアピールした後、いよいよ試食タ~イム。知事を囲んで終始、和やかムードで進行しました。飯泉知事はテーブルを回りながら、精力的に試食。みなさんと一緒に、熱心に意見交換&体重増加に勤しんでおられました。

 いつも思いますが、イベント系の仕事は楽しいですね。終わった後には何とも言えない充実感があります。

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