れんこん新品種育成への取り組み その2
2009.05. 8
今回もれんこんの話題です。
前回は2次選抜と呼ばれる作業をレポートしました。順序が逆になりますが、今回はそれより前の、交配作業から順にご紹介します。
交配とは、新しい特性を持った個体を得るために、既存の品種同士を掛け合わせる事を言います。
7月、れんこんの交配は、夜明けと共に行います。ねむい・・・。しかし開花時間が早朝なので我慢我慢。農家の方にも手伝っていただきます。
ところで、れんこんの葉の上には、水滴が溜まっていることが良くあります。交配のために葉をかき分けると、その水が頭上からドサーッと降ってきてビショビショに・・・。一発で目が覚めます!
左 :れんこんの花。良い香りです。咲く時にポンと音がする、という事はありません
中 :交配作業。この後、虫による交雑を避けるために袋をかけます
右 :発芽した種子。ヤスリで皮を削らないと発芽しにくいです。ちなみに、まだ青くて柔らかい種子を塩ゆでにして、中身を食べるとすごく旨い!です。お試しあれ。って、無理ですよね・・・
翌年4月には、保管しておいた雑種種子を植え付けます。
育てるうちに、奇形や生育が悪いものが出てくるので、除外します。
一夏が過ぎれば、小さな容器の中に可愛らしいれんこんが出来ます。研究者、農家、JAが協力して、その中から有望個体を選抜します。通常は9月頃にこの選抜を行うのですが、今回は何故か4月になったようです。
しかし、百戦錬磨の農家のみなさんでも、こんな小さなれんこんから良いものを選抜するのは初めての経験。
前回のブログでご紹介したものよりずっと小さいミニミニれんこん達を前に、ハウスのあちこちから
「ごめん、わからん!」
「こんなんでいいのかなぁ・・・」
「えーっ、小さいなー」
等と、悲鳴に近い声が聞かれて、大変にぎやかな作業風景となりました。
左 :生育中の雑種
中 :今回の選抜会の様子。はてなマークが飛び交っています
右 :ミニミニれんこん。この中から選抜してくれと言うのは、ちょっと酷でしょうか(笑)
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