埼玉県
鈴木知子
鈴木知子
埼玉県さいたま農林振興センター普及部の技術普及担当で、主に花植木と経営を担当しています。 埼玉県では女性農業改良普及員の1期生です。 農家と、若手の普及指導員が、夢を持って活動できるように支援していきたいと考えています。
2009.03.30
春。公務員にとっては人事異動の時期です。
埼玉県では、「県民1万人当たりの県職員数日本一の少数をさらに拡大する」という上田知事の公約により、人員削減が進められています。
農業就業者人口や農業産出額が減っていることもあって、とりわけ農林部には風当たりが強く、どんどん、順調に(!)削減が進んでいます。さいたま農林振興センターでは組織の改編により、現在24名いる普及指導員が4月から21名に減ることになっています。
今日は、新年度の体制に備えて、所内の机の移動を行いました。他の事務所へ転勤になった人の引っ越し準備と重なり、ワサワサした落ち着かない1日となりました。
左 :本棚を移動するためいったん取り出した書籍の山 / 右 :机を移動するためとりあえず束ねた個人の書類。私の上司、森部長のもの。早く片づけてくださいね
左 :机を運ぶ男性陣。カメラ目線は本日の引っ越しの指揮官、万田部長 /
中 :机の隙間のホコリを掃除しながら作業が進む。後ろ姿ですみません、日野主任 /
右 :唯一の男性平職員、平井主任
私のいた「技術普及担当」はこの3月でなくなり、所内異動することになりました。
4月からはさいたま市の花植木担当として新たなスタートを切る予定です。
昨年夏から続けてきたブログの執筆でしたが、私の担当期間はこれで終わりとなりました。
拙い文章と写真ではあるものの、普及指導員の仕事の幅広さとおもしろさ、そして、農業者に寄り添い支援することで、地域の農業振興を図っていくこの仕事の重要性を、少しは伝えられたのではないかと自負しています。
おつきあい頂きまして、ありがとうございました。
(文中の画像をクリックすると大きく表示されます)
2009.03.25
昨年秋のリーマンショック以来、物が売れなくなったと言われています。中でも嗜好品の部類に入る花の生産者は、どうやったら買ってもらえるか、これまで以上に知恵を絞らないとやっていけません。市場のセリ売りに委ねるだけでは買い叩かれて安値になってしまう・・・危機感を持つ生産者は、小売店や末端の消費者に働きかけて需要を開拓し、指名・指し値で注文が来るよう努力しています。
2月に若手鉢物生産者と花キューピット協同組合を訪問した際(「お花屋さんに行ってみよう!」参照)、7月に行われる「フラワードリーム2009」に出展してみないかとのお誘いを受けました。普及指導員が募集をかけたところ、2月のメンバー5名に加え鴻巣市の5名が参加を表明、10名で出展を計画することになりました。
左 :昨年秋の展示会(IFEX)の様子を画像とともに説明する小泉氏(一番右)
右 :夕方~夜にかけての打合せだったため、軽食を準備した
3月17日、第1回打合せ会議を行いました。自己紹介、過去のイベント出展経験からの提言などを出し合った後、今回の出展にあたっては見込み客をできるだけたくさんつかむことを目的に臨むことを確認、グループ名を「彩~SAI~」と決めました。
これからの季節は、出荷が多くとても忙しくなります。母の日の出荷が終わったら本格的な準備を進めることにし、初めての打合会はお開きとなりました。
決まったことをホワイトボードに書き出して確認。一番左は今西普及指導員
(文中の画像をクリックすると大きく表示されます)
2009.03.19
埼玉県南部の川口市、さいたま市は、江戸時代からの植木の産地です。都市化が進むとともに生産は減少しましたが、流通基地としての機能は健在です。
さいたま市の安藤貢氏は、ヘデラや芝など、グランドカバープランツとしてニーズのある定番品目を中心に、生産を行っています。受注の不足分については、他の生産者から供給を受ける卸業を兼ね、少量多品目の需要にも応える優良経営を行っています。
これこそ埼玉県らしい植木生産者ということで、第18回花の国づくり共励会花き技術・経営コンクールに応募したところ、農林水産省生産局長賞を受賞することになり、表彰式に同行しました。
表彰式は3月16日、南青山会館(東京都)で行われました。
農林大臣賞はアンスリウムを生産している小松氏(愛知県)とバラ生産の浜野氏(福岡県)。続いて、生産局長賞の安藤氏ほか、3名が表彰されました。
左 :農林水産省花き産業振興室長から賞状、賞品を受け取る安藤氏 / 右 :受賞者、来賓、審査委員一同で記念撮影
賞状授与のあとは懇談会。
昨年秋のリーマンショック以来、嗜好品である花の消費は減少していること、そんな中でも需要の開拓や新商品発掘など、皆それぞれに努力していることが語られました。
また、生産局長賞や日本花普及センター会長賞などの受賞者が、10年後には後継者が農林大臣賞を取れるように頑張りたいと、抱負を述べる場面もありました。
今回、推薦書作成のために、安藤氏には何回にも渡り経営内容の聞き取りをさせていただきました。個人の経営内容だけでなく、植木流通の現状や、農業生産者が地域づくりに大きな役割を果たしていることなど、たくさん勉強させてもらいました。ありがとうございました、そして、受賞おめでとうございます!
左 :懇親会の会場(準備中) / 右 :表彰状を手にする安藤氏と
(文中の画像をクリックすると大きく表示されます)
2009.03.12
普及指導員のOBには、退職後も現役時代同様、あるいはさらにパワーアップした普及指導活動に取り組む方がいます。
花植木担当一筋でキャリアを重ねた半田洋一氏もその一人で、豊富な経験や人脈、磨き抜かれた判断力を携え、現在も多くの農家と連絡を取り続け、指導を行っています。
先日、半田氏の紹介で、鴻巣市の花農家:桐敷氏を訪問しました。わい化剤を使わなくても徒長しないようになる、新しい育苗方法についてお話を伺うためです。
たまたま別件で職場に電話をかけてきた半田氏に、実は今、わい化剤を使わずに花壇苗の徒長を防ぐにはどうしたらよいか検討している、と言ったところ、桐敷氏の取り組みを紹介してくれました。桐敷氏から実践的方法を、半田氏からは理論的なお話を聞くことができ、とても興味をそそられました。
今年は、我々普及指導員もどこかでやってみようと、栽培試験を受けてくれる農家を探しています。
桐敷氏の農場の休憩室でお話を伺う。 とても寒い日でした。 左:半田氏、中:桐敷氏
(文中の画像をクリックすると大きく表示されます)
2009.02.25
生産者は、自分が出荷する市場へ足を運ぶことはあっても、その先の小売店、消費者から、自分の生産物に対する意見を直接聞くことはあまりありません。どんな品目・品種を作るかを決めるにあたっては、種苗会社や生産者仲間からの情報に頼るところが大きいです。
先日、県内の若手鉢物生産者5名、岡島副知事とともに、花キューピット協同組合を訪問しました。
花キューピットとは、全国の約5,000店の花屋さんが加盟する、日本最大の花の通信配達システムです。そこに加盟する花店の全国組織が、花キューピット協同組合です。生産者と小売店が、花業界の活性化を求めて情報交換を行うこと、あわせて、加盟店である都内の花店4店を見学することが今回の目的でした。
「三田ハナモ・REN」
左 :川原取締役(一番左)と / 右 :インテリア性の高い商品
左 :岡島副知事(真ん中)と花キューピットの石川常任顧問(左) / 右 :副知事室の鈴木秘書(左)と筆者
「ゴトウフローリスト」
左 :東京の老舗高級花店 / 中 :ピアノの生演奏が響く店内
訪問した花店は都内でもトップクラスのところだけに、商品の質の良さはもちろん、商品の置き方、照明の仕方など工夫が凝らされています。それ以上に、どの店にも経営者の明確なコンセプトがあり、その店独自のこだわりがある、と感じました。生産者に対する要望は、小売店や消費者から、もっと情報を得て欲しい、「もち」の良い商品が欲しい、との意見が出ました。
花キューピット協同組合から、「今後も継続的に情報交換を行っていきましょう」との提案がなされ、有意義な勉強会となりました。
「小田急フローリスト本店」
左 :駅中の花店、商品別に多店舗展開 視察に行った生産者の商品も並んでいた。
/ 中 :小泉氏のチューリップ / 右 :小林氏のカランコエ
(文中の画像をクリックすると大きく表示されます)