野菜にもヒートポンプ導入?
2008.10.14
10月3日に、長崎県農産園芸課主催による野菜振興対策検討会が農林試験場で開催され、各普及センターの野菜担当、農試(野菜、愛野馬鈴薯支場)、病害虫防除所、島原・県北の農務課、JA全農ながさき等の野菜関係者が参加しました。
内容は、園芸振興の柱である、園芸ビジョンパワーアップ対策事業(野菜関係)の進捗状況、コスト高対策としての各種事業などの説明・野菜に関する情報提供があり、特に今回はヒートポンプについて現地研修が組み込まれました。
20年度の緊急対策事業で、283台のヒートポンプ導入が計画されていますが、ほぼ全員がバラ、きくなどの花農家です。野菜については、施設もパイプハウスが主であり、バラ、きくなどと比べて暖房機の設定温度が低いために重油消費量が少なく、過剰投資になる可能性が高く、ほとんど導入には至っていません。
写真 :ヒートポンプについて説明する打越氏
会議終了後に、諫早市のきく農家、打越氏を訪ねてヒートポンプ使用に係わる話を聞きました。
明らかなことは、
● 温風機と比べて温度ムラが少ない。(石油ファンヒーターとエアコンとの差か?)
● メンテナンスは温風機より手がかからない。
● ヒートポンプは稼働時の音が静かである。(温風機は稼働時のダクト巻き上げ時の音がやかましい)
● 夏場の冷房で、高温障害を回避できて花形が良くなる。また、出荷時期が早まる。
● 重油代は導入前の1/4程度に抑えられた。
● 導入は2月~5月上旬に利用する作型でないと採算が合わない。
現地対応していだいた県央農改の太田専門幹の話では、試算で重油代60万円以下だと過剰投資となるとのことでした。
話を聞いてみて、野菜では導入が難しいの一言でした。
とにかく、早く燃油価格が下がることを祈ります。
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