普及指導員が現場で活躍する日々をレポート
   普及指導員とは・・・こちら

RSS

富山県
井上徹彦

井上徹彦

富山県高岡農林振興センターで、担い手と経営指導の担当をしています。
ただし本来は花きが専門なので、時々現地で花き栽培についての指導をすることも♪

こまつな入りネパール餃子「モモ」発売決定

2018.12.26

 射水市のこまつな農家、ダルマ・ラマさんが、自ら栽培するこまつなを使った「こまつな入りネパール餃子『モモ』」を考案して、12月8日に新商品の試食会がありました。


 ネパール出身のダルマさんは、2005年に県内の女性との結婚を機に来日し、こまつな農場の「はっぴーファーム(射水市)」を知人を介して知りました。日本での就農に関心が出たため、はっぴーファームでの短期パートや研修を重ねたことで経営者の信頼を得、はっぴーファームを第三者継承で譲り受け、昨年7月から新規就農者として毎日真摯に農業に取り組んでいます。

 第三者継承では、ハウスなどの施設・機械やパート従業員のほか、販路や商号などの無形資産も引き継いだことから、経営1年目にもかかわらず、通常の独立自営の新規就農者では実現できない規模の経営を行っています。
 そんなダルマさんが作るこまつなは、あくが少なく生でも食べられると評判で、射水市の徳永食品(株)の『小松菜餃子』に材料提供を行っており、その餃子は射水市のふるさと納税の返礼品にもなっています。


 今回ダルマさんは、母国ネパールで祭りの際などに食べられている餃子「モモ」に注目し、モモを徳永食品(株)に委託製造してもらい、はっぴーファームで販売するという企画を考えました。その試食会にあわせ、2日前の12月6日にも新聞取材があったので、同席してきました。


blog_inoue10-1.jpg  blog_inoue10-2.jpg
左 :取材を受けるダルマさん
右 :揚げ餃子(左)と蒸し餃子(右)


 日本の餃子と違い、餡にはシナモンやクローブなどのスパイスが入っています。試食会にはチリソースのようなエスニック味のものとエゴマソースの2種類が用意されており、なかでもエゴマソースの方は餃子に穴をあけてソースを注ぎ込んで食べるという形式だったことが特徴的でした。これらソースのレシピを付けて、2019年3月から冷凍食品として一般販売(予定価格:10個入り300円)するとのことです。

 また、「富山ネパール文化交流協会」の会長でもあるダルマさんは、県内をはじめ全国のネパール料理店にモモを提供するとともに、そこで一般客に向けて委託販売をしてもらうことも考えているそうです。


 このように、こまつな農家として頑張っているダルマさんですが、実は仏教画であるマンダラの絵師でもあり、これまで多くの作品を制作・販売したほか、富山や金沢でマンダラ教室を開催していました。
 ただ、現在はこまつな農家として忙しく、なかなか制作に取りかかれないことが悩みのタネだということです。


blog_inoue10-3.jpg  blog_inoue10-4.jpg
収穫中のダルマさん(左)とダルマさん作のマンダラ

北陸ブロック農業青年会議

2018.11.22

 今年も11月15日~16日にかけて、北陸ブロック農業青年会議が開催されました。
 この会議は、北陸地域(富山、新潟、石川、福井)の青年農業者が一堂に会し、日ごろの活動を通じて得た知識や技術、プロジェクトの成果を相互に交換するとともに、組織活動強化のための研修を行うことで、自信と希望をもって農業に取り組む意欲を高めることを目的としています。


 今回の大会は「若い力で切り拓け! 農業新時代」をテーマに、各県の代表者がプロジェクト発表と意見発表を行いました。
 富山県からはHITS(氷見射水高岡地区青年農業者協議会)所属の酪農家の青沼夫妻が発表。この発表を応援するため、、高岡農林振興センター管内の2組織から計13人の参加がありました。

 

blog_inoue9-1.jpg blog_inoue9-2.jpg
左 :青沼光さんによるプロジェクト発表の様子
右 :青沼佳奈さんによる意見発表の様子


 結果、「酪農が日本で100年後も続いていくためのclover farmの取り組み」を発表した青沼光さんが最優秀賞を、「みんなの身近な牧場に」を発表した青沼佳奈さんが優良賞を受賞しました。
 光さんは北陸ブロック代表として、来年2月26~27日に開催される全国青年農業者会議で発表することとなり、全国でも高評価が期待されています。


blog_inoue9-3.jpg
富山からの応援団も加わって記念撮影しました


 併せて、新潟市農林水産部ニューフードバレー特区課の斎藤課長から、「新潟市革新的農業実践特区 ~新潟市における農業特区の取組~」と題した講演がありました。
 そこでは、平成26年5月に「ニューフードバレー特区」として、大規模農業の革新拠点として新潟市が国家戦略特区指定された経緯や、その後の規制緩和により①全国初の企業参入による特例農業法人の設立、②農地への農家レストランの開設が認められ、農村地域の雇用創出と交流人口増につながったこと、③農業支援外国人の派遣契約期間の3年間が『通算』3年間となったこと、などの説明がありました。


 翌16日には、その規制緩和により(有)高儀農場が平成28年5月に農地に開業した農家レストラン『ラ・トラットリア・エストルト』を見学しました。
 天然木をふんだんに使った店内に入った参加者は、規模の大きさと、これらの施設が農地に建てられていることに驚くとともに、うらやましさをにじませていました。
 高儀農場の高橋専務によると、敷地内での来客の滞在時間をさらに伸ばすため、イチゴの観光農園の増設と農家民宿の営業なども検討しているとのことでした。


blog_inoue9-4.jpg blog_inoue9-5.jpg
『ラ・トラットリア・エストルト』の外観と店内の様子


blog_inoue9-6.jpg
高橋専務が(有)高儀農場の経営について説明中


 今回、会議に参加した他県の青年農業者は意識の高い方が多く、富山県の参加者は、交流によって良い影響を受けたことと思います。
 全国農業者会議での青沼光さんの発表にも、HITSから青年農業者が応援に行く予定です。その際にも参加者がたくさんのことを学び・感じて、大きく成長して欲しいと願っています。


 なお、公私ともお忙しい中、今回の受賞報告のため青沼夫妻が県農林水産部長と高岡農林振興センター所長へ表敬訪問に来られました。ありがとうございます!


blog_inoue9-7.jpg blog_inoue9-8.jpg
左 :農林水産部長への表敬訪問(マスコミの取材中)
右 :高岡農林振興センター所長への表敬訪問


HITS『たかおか食彩フェア』への出店

2018.11.18

 高岡市の農業祭は、高岡市の食の魅力をアピールするイベント「たかおか食彩フェア(主催:『高岡市農林水産業まつり実行委員会』及び『JA高岡食と農ふれあいフェア実行委員会』)」と銘打って開催されており、食彩フェアの前身であった『高岡農業まつり』時代から、管内の青年組織(旧4Hクラブ)であるHITS(氷見射水高岡地区青年農業者協議会)が出店協力をしています。


 HITSは、2015年から食彩フェアで、新鮮な野菜のほか、高岡市産のキャベツを使った広島焼きを販売しており、2015年と2017年は、広島焼きの名人である『お好み焼き士』をオタフクソース株式会社から派遣してもらうなど、おいしい広島焼きの提供に向け、毎年技術の向上に取り組んでいます。


blog_inoue8-1.jpg  blog_inoue8-2.jpg
お好み焼き士の指導のもと、練習会で広島焼きを作る青年HITSメンバー(2017年度)


 今年も昨年の復習を兼ね、食彩フェア前日に、昨年参加した会員が新規会員に広島焼きの焼き方を指導しました。


blog_inoue8-3.jpg  blog_inoue8-4.jpg
先輩の指導のもと、広島焼きを作る新人HITSメンバー(2018年度)

 食彩フェア当日は好天に恵まれたこともあり、市内外から来られたお客さんで、会場早々から大いににぎわっていました。


blog_inoue8-5.jpg  blog_inoue8-6.jpg
左 :開場を待ち望むお客さんたち(開場30分前)
右 :開場内の様子(会場30分後)


 HITSの作る広島焼きにも開場から多くのお客さんが並び、てんてこ舞いの状態でした。


blog_inoue8-7.jpg  blog_inoue8-8.jpg
HITSコーナーの様子


blog_inoue8-9.jpg  blog_inoue8-10.jpg
左 :広島出身のA氏は、1人で同時に8枚焼きができます!
右 :黙々と葉ネギを切る女性会員のK氏


 今年は、予定より早い午後1時半に、予定の300食を売り切ることができました。
 このあと参加者による慰労会が居酒屋で開催されたとのことで、さらに親睦を深めたことでしょう。その関係が今後の活動につながることを、農林振興センターとして大いに期待しています。

農業高校生対象の就農青年育成懇談会

2018.11. 9

 高岡農林振興センターでは、管内の在住および管内の高校へ通学する農業高校生を対象に、毎年『就農青年育成懇談会』を開催し、先進農家への視察研修や体験学習、懇談を通じて農業への関心を高めてもらい、就農意欲や農業関連産業への就業意識の高揚を図っています。

 11月8日は、小矢部園芸高校生と中央農業高校生、計22名に対し、管内の先進農家4戸の視察研修を行うとともに、昼食後に視察研修3戸の若手従業員5名と意見交換会を行い、就農の意識向上を図りました。


blog_inoue7-1.jpg  blog_inoue7-2.jpg
左 :会社の説明のあと、ネギの調整作業を見学(小矢部市 T法人)
右 :ハボタンの下葉とり作業を体験(小矢部市 S農園)


blog_inoue7-3.jpg  blog_inoue7-11.jpg
左 :若手従業員との意見交換会(小矢部市)
右: 同上(新聞社の取材中)


 翌9日には、氷見高校の農業科学科の生徒10名に対し、管内の先進農家2戸の視察研修を行うとともに、昼食時には農家レストランでオーナーの話も聞きました。


blog_inoue7-4.jpg  blog_inoue7-5.jpg
左 :農業法人社長の話を聞く生徒(高岡市 T法人)
右 :かぶら寿司の製造について説明中(高岡市 T法人)


blog_inoue7-6.jpg  blog_inoue7-7.jpg
左 :農幅連携で水耕野菜を栽培しているハウス(高岡市 T法人)
右 :農家レストランにて(高岡市)


blog_inoue7-8.jpg  blog_inoue7-9.jpg
左 :会長夫妻のお話(高岡市 I法人)
右 :人気商品(マドレーヌ&ハーブティ)を食べながら奥さんの話を聞く生徒(高岡市 I法人)


 例年、参加した農業高校生の中から、とやま農業未来カレッジに進学する生徒や農業法人就職する生徒がいることから、今後も引き続きこの取組みを行っていく予定です。

山本研究員による第三者継承研修と現地調査

2018.11. 2

 農業従事者の高齢化と後継者不足が言われ始めてから、かなりの年数が経過しました。
 政府は2017年の成長戦略の中で、『40代以下の農業従事者を現在の約20万人から10年後には40万人に倍増させる』という目標を掲げ、これに先立ち2000年から『青年就農給付金』を、2012年から『農の雇用事業』が始まりました。
 その効果もあり、高岡農林振興センター管内では45歳以下の新規就農者が、毎年20人前後誕生しています(ほとんどは農の雇用を活用した雇用就農)。
 一方、施設やほ場などの「有形資産」及び、栽培技術や販売ルートなどの「無形資産」が十分あるのに、経営内(親族内)の後継者不在によって離農につながるケースがあり、県農業経営課のアンケート調査によって、数年以内に第三者に経営委譲を検討している経営体が、当センター管内にも複数あることが明らかとなっています。


 農研機構では以前より第三者継承の調査を続けてきたとのことで、研究を担当している山本研究員が、高岡管内の2事例について調査するために11月1日から2日にかけて来県されました。
(農研機構では、今年度末に新たな経営継承マニュアルを作成するとのこと)


blog_inoue6-2.jpg
居抜きによる第三者継承例(酪農)


blog_inoue6-3.jpg
合同会社設立による第三者継承例(主穀作+チューリップ球根)


 そこで、山本研究員が来県された機会を利用して、当センターの職員に対する「事例を中心とした第三者継承の現状と課題」について講義していただきました。


blog_inoue6-1.jpg
第三者継承研修会の様子


 支援チームによるコーディネートで移譲者と継承者のマッチングがうまくいっても、その後継承まで至らない場合が多いこと、第三者継承がうまくいくためには「並走期間」を長くし過ぎないことなどが重要であると分かりました。


 現在、当センターでは経営継承に悩んでいる経営体をいくつか抱えていますが、それらは今回調査した事例やその他の管内事例とは異なった条件にあり、そのまま参考にはできません。
 そこで、それらの事例が移譲者と継承者の双方が喜べる成功事例となるよう、作成中の農研機構のマニュアルを参考にするとともに、今年度中に県外調査を行って、成功事例と失敗事例を学んでくる予定です。

1  2

上へ戻る

カレンダー

loading ...

みんなの農業広場に戻る