島根県
奥野かおり
奥野かおり
島根県農業技術センター技術普及部野菜技術普及課の奥野です。主にアスパラガス、メロンを担当しています。地域の技術的な課題解決、研究部門の開発した技術の橋渡しができるよう日々励みます。
2018.12.26
調査の一環として、近所のイチゴ栽培農家に環境計測機器を設置したところ、事務所にいながらにして、ハウス内の状況がわかるようになりました。
機器を設置させていただいた生産者は県内ではかなり高いレベルの収量を上げており、栽培環境を計測させてもらうことで、高収量をあげるポイントがわかるのではないかと期待しています。
今日は久々に生産者のほ場を訪問して、生育状況を見させていただきました。
実際の株はカメラで見る印象よりもずいぶん大きかったです。気温、地温、炭酸ガス濃度、どれをとっても生育が進んでいるだろうと思っていましたが、与えている液肥の濃度も高めということから、他の生産者のほ場よりも株が大きいわけだと納得しました。摘葉、摘果、芽の整理もきちんと行われていました。今年は2番目の果房が出てくるのが遅いとのことで、年明け以降の収穫がやや心配です。
ほ場で撮影。株が大きく育っているので、果実を覆い隠しています
計測したデータはほぼリアルタイムで確認できるため、生産者の方も「スマホでハウス内の状況がわかって便利。データを見ながら加温機や炭酸ガス濃度の設定を考えている」と話してくれました。あとは、2分ごとに録りためられていくデータを、今後に向けてどのように処理していくのかが課題と思っています。データを入れるだけで簡単に処理してくれる、そんなアプリがあるといいけれど・・。
定点カメラ。経時でみると、生育の進み具合がわかります
11月10日
年末はイチゴ生産者の方々にとってはたいへん忙しい時期です。おいしいイチゴをたくさんつくり、消費者のみなさんを笑顔にしていただきたいです。
2018.12. 7
スマート農業への関心、期待が高まりつつある中、島根県でも「しまねスマート農業推進研究会」が結成され、関係機関の情報共有、体制作りがすすんでいます。
このたび、県の主催で、人が乗車せずに自動で作業をしてくれるトラクターの実演会が農林大学校で開催され、農業の将来を担う農林大学校の学生、関係機関の担当者等が100名以上集まりました。
まずは株式会社中四国クボタの担当者からロボットトラクターの説明があり、その後実演となりました。
目印の位置により、作業範囲を設定されたトラクターは、上手に耕うんのデモを行ってくれました。障害物を検知すると、自動で動きを止めました。一定範囲内で人が見守りをしながらとはいえ、自動で農作業をしてくれるようになるんだ、ドラマの中だけの話ではないんだと、改めて思いました。
実演の後、見学していた農林大の学生がトラクターの運転席に乗って自動作業を体験し、「本当に自動で動いていた!」と感動していました。将来、彼らがこのトラクターを使うようになるのでしょうね!
(この実演会は株式会社クボタ及び株式会社中四国クボタの協力を得て行われました)
2018.09.24
9月上中旬は、イチゴの花芽分化状況を確認し、定植時期を決める大事な時期です。県内では各地域でイチゴの栽培が行われているため、この時期は生産者・JAから苗が持ち込まれ、普及員は花芽検鏡を行って定植時期や当面の管理についてアドバイスすることを求められます。
このたび、経験年数の短い普及員に技術を習得してもらうため、栽培研究部野菜科の協力を得て、イチゴ花芽検鏡の実習を行いました。
参加者はイチゴ担当の研究員から今年の苗の生育状況について、ほ場を見ながら説明を受けた(写真1)後、検鏡の手順について解説を受けながらテレビ画面で確認し(写真2)、実際の作業に取り組みました(写真3)。
写真1:野菜科 金森専門研究員の案内で、育苗ほ場で苗の生育を確認します
写真2:検鏡の手順について、実際の作業を見ながら解説を受けます
写真3:最後に実習。実体顕微鏡を見ながら、生長点を包んでいる葉を1枚1枚取り除いていきます
皆さん最初はおそるおそるでしたが、数をこなすうちに徐々に作業に慣れていきました。今回の検鏡では、すべての株でまだ花芽分化していなかったため、生長点も小さく難しい作業だったと思われますが、上手に最後まで葉を取り除くことができた参加者もいました!
研修の後、参加者からは、今後の普及活動の参考になった、数多く練習をできてよかったとの感想をもらいました。
引き続き研究部門の協力も得ながら、若手普及員の技術習得の手助けをしていきます。
2018.08.28
島根県内におけるアスパラガス栽培面積は、施設栽培を中心に毎年少しずつ伸びています。露地栽培はというと、これまで栽培のなかった地域で取り組みが始まるようになりました。一方で、古くから露地で栽培しているほ場では、茎枯病対策と欠株になった部分の補植、改植の判断に頭を痛めています。
今年は露地栽培における茎枯病対策として、防除状況の聞き取りを行うとともに、補植を試しています。5月にポット苗を補植させてもらったほ場で、現在はJA・地域普及部とともに定期的に生育調査を行っているところです。
6月には活着良好な姿がみられ、7月は順調に生育していた株ですが、今回の調査では茎枯病が目立ち始めました。生産者によると10日に1回は防除、病株の抜き取り、焼却処分を行っているとのことですが、ほ場全体にも茎枯病の発生が見られるため、これが感染したものと思われました。
露地アスパラガスの収量アップに向けて、茎枯病対策と欠株部分の補植の必要性を改めて感じています。他県の対策の状況について、情報交換できる機会があればと思います。
2018.07.24
このたびの豪雨で被災された皆様にお見舞い申し上げます。
梅雨が明けてから島根でも毎日厳しい暑さが続いています。水分補給、暑さ対策をしながら現地活動がんばりましょう。
島根県オリジナルメロン「ゴールデンパール®」は、熟した時の香りや滑らかな舌触りが抜群の黄皮白肉種のメロンです。昭和30年代につくられた品種をより作りやすくしようと研究を重ね、平成26年に「ゴールデンパール®」の名前でデビューしました。
今年、主にギフト向けとして10aで栽培している生産者が、地元松江市内の小学校の食育授業で「ゴールデンパール®」をPRしました。子供たちは、作るのが難しい、けれどとってもおいしいメロンが自分の住む町でつくられていることを勉強した後、おいしそうに「ゴールデンパール®」を食べてくれました!
「ゴールデンパール®」はお中元向けに、これから出荷が本格化します。
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