島根県
長妻武宏
長妻武宏
島根県の長妻です。畜産が専門の普及員ですが、過去には、イノシシの研究などもしていました。島根農業の応援団員になりたいと思っています。
2023.01.23
2022.12. 7
島根県内のたまねぎ移植の大部分は11月で、山間部から平地にかけて、徐々にタマネギ苗の移植が移動していきます。
管内の栽培面積は増加しており、移植には歩行型の移植機械が使われるようになってきています。移植機械はJAが貸し出しをおこなっており、20~30aで使用するには重宝しています。手植えに比べると、ずいぶんと省力化を計ることができますが、苗や土の状態によってはきちんと移植ができていない場合もあるため、補植をおこなっている状況です。
そんな中、11月中旬に、管内で乗用型のたまねぎ移植機械の実演会が開催されました。ロスも少なく、小さな面積でも機械がほ場に入れば、乗用型のほうが有利だと思いました。
普段、野菜の機械を見ることが少ない地域なので、この日は多くの見学者がありました。
収穫についても、現在、歩行型収穫機械の貸し出しが行われています。
今後、乗用型の収穫機械の導入等も検討する必要があると考えられますが、県内で利用されている収穫用鉄コンテナへのサイズ対応ができていないため、フレコンバックで対応している状況で、収穫後にコンテナへの移し替えをしています。
また、たまねぎ栽培の大部分は水田となるため、排水対策もあわせて指導しているところです。
2022.10. 3
例年発生するイノシシ、ニホンジカ、タヌキ、ニホンザルにツキノワグマなどの被害に加えて、ヌートリアやアライグマなどの外来生物の被害も身近になってきています。実際には、ネズミやモグラなど、さまざまな農作物被害もあると思いますが、田んぼでの加害動物としては、一番がイノシシとなります。
これまで、農家を対象とした集落ごとの研修会をしてきましたが、今回、ふるさと学習会として鳥獣対策の研修会が開催され、講師は当センターの鳥獣専門員が担当しました。会場には30人を超える農家&一般の出席がありました。
近くの田んぼでは稲刈りも進み、2番草(ひこばえ)も立ち始めてきました。
鳥獣対策指導のなかでは、えさ場をイノシシに提供しないように田を使わない時期からの対策などにも今後取り組んで聞く予定です。
西中国山地では、ツキノワグマは保護動物になっています。今回講師を担当した職員は、イノシシのわなにかかってしまうという錯誤捕獲されたクマの保護も担当しており、普段からクマに接する機会も多いので、クマに出会わないための方法や、出会ったときの対処など、実体験の話もあり、出席者にとっても関心の高い内容だったと思います。
今年6月に稲の生育調査をしていたとき、パトカーから駐在さんが降りてきて「近くでクマが目撃されたので注意してください」ということもありました。普段はほとんど見かけることはないですが、この地域にとっては、身近な大型ほ野生乳類です。
ちなみに、今年は夜の農道でイノシシとぶつかって、バンパーが壊れてしまうという鳥獣被害を経験しました。
2022.09.21
2022.02. 9
大田管内では、農作物を荒らす鳥獣害対策をおこなわない農家は、ほぼないといってもいいくらい、農業経営の必須項目です。
島根県内の状況を見ると、イノシシ対策はワイヤーメッシュまたは電気柵が使われており、設置後の管理ができていれば、農地への侵入は、ほぼ防ぐことができるようになってきました。
一方で、ニホンザルには手をやいているところです。
農地に限らず、ビニールを破ってハウスの中にまで入ってくることも増えてきました。サルの生息・行動範囲が広がり、これまでサル被害対策の必要がなかった地域は無防備のため、深刻な状況です。
これまで、8本程度の電気柵やワイヤーメッシュの上に3本の電気柵のほか、『猿落くん』など、さまざまな方法を紹介してきましたが、最近では立体的な電気柵が有効ではないかと言うことで、3本の電気柵に新たに1本加えて新たに飛び出すような、立体的な防除柵を張り、4本設置としました。
昨年度も立体的な電気柵を設置しましたが、侵入されたために栽培をあきらめた地区でしたが、今年度は、昨年8月に張ってから1月末まで1回も被害に遭わずにサルの進入を防ぐことができました。