普及指導員が現場で活躍する日々をレポート
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青森県
田島聖一

田島聖一

青森県上北地域県民局地域農林水産部農業普及振興室に配属となり3年目。前職は農協職員として販売業務を中心に産地形成に携わる。野菜・果樹・花きの基本を先輩から教えていただき、現場を通じて日々勉強中。

GLOBAL G.A.Pの公開審査に出席しました

2016.11. 5

 9月20日、五所川原農林高等学校にて、GLOBAL G.A.Pの公開審査に出席しました。

 GAP(Good Agricultural Practice)とは、農業生産活動を行う上で必要な関係法令等の内容に定められる点検項目に沿って、各工程の正確な実施、記録、点検及び評価を行うことによる持続的な改善活動のことで、GLOBAL G.A.Pは民間団体による第三者認証を備えたものです。


 五所川原農林高等学校では、国際的な次世代農業経営者を育てるため、GLOBAL G.A.Pの教育に取り組む中で、昨年12月、高等学校としては国内初となる認証を取得しました。今年度は認証機関からの承認を得て、審査を公開形式で実施し、昨年のりんごに加えて米にも挑戦しました。


 書類審査から始まり、認証機関から派遣された審査員が、200項目以上の取組事項を生徒に聞き取り、確認しながら審査は進みました。5時間ほどで書類審査は終了し、つづいて現地審査が行われました。

 ほ場では耕種概要、作業時の注意事項を明記した看板が設置されていました。次に精米所では危険箇所と通路を明記したマップを見える場所に貼り、立入禁止区域には掲示板とテープで侵入できないようにするなど、作業中の事故やリスクを未然に防ぐ工夫が随所に施されています。審査が終わると、審査員から指摘事項等を含む講評があり、結果は後日発表されます。


 日本の輸出青果物の中で、ながいもは第2位の品目です。青森県のながいも生産量は全国でもトップクラスで、台湾やアメリカにも輸出しています。そして上北地域のながいも生産量は県内第1位です。
 今後、輸出拡大をめざすのであれば、安全性の指標として、取引相手からGLOBAL G.A.P等の国際的に通用するGAP取得を求められることが予想されますが、上北地域管内ではGLOBAL G.A.Pに取り組む農家・団体はまだ少ない状況にあります。

 輸出拡大に備えた環境整備を進めるためにも、今回の公開審査は取得までの流れを実際に見て確認でき、非常に有意義なものとなりました。今後の指導に役立てていきます。

やまのいもの先進地視察研修を行いました

2016.09.29

 やまのいもの生産振興を図るため、9月7日(水)にJAゆうき青森の生産者と先進地視察研修を行いました。


 やまのいもは、つくねいも群に属する丸い形状のいもで、管内では十和田市や七戸町で栽培されています。しかし、近年生産者の高齢化が進んでおり、産地維持のための作業の効率化が大きな課題となっています。

 そこで、昨年から農協と農業普及振興室が協力して実証展示ほを設置し、省力技術の普及・拡大に取り組んでいます。

 展示ほでは、畦にマルチを被覆し、種子用の切片を直接定植する「直接定植栽培」を実践しています。一般に行われている芽出し作業(※)と除草作業を省略するとともに、土壌の乾燥防止による生育の安定化の実証を進めているところです。
種子用の切片を床土に伏せ込む


 今回の先進地視察研修では、すでに「直接定植栽培」が普及しているJA八戸に出向きました。生産者からは、管理作業や使用資材について多くの質問が出されるなど、作業の省力化に向けた意欲の高まりを感じることができました。


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ほ場で栽培方法の説明を受ける部会員


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左 :葉の色や、茂り、厚みを確認する。申し分のない状況
右 :次年度への意欲が高まる生産者


 今後は、管内に設置した直接定植栽培の実証展示ほを活用しながら、よりよい栽培技術の導入による高品質のやまのいも生産に向け、農業普及振興室がリーダーシップを発揮し、生産者や農協を支援していきたいと考えています。

普及指導員資格試験について

2016.09.14

 8月18日、19日の2日間にわたり、仙台市のハーネル仙台ビルにて、普及指導員資格試験を受験してきました。


 そもそも「普及指導員」とは、農業者に直接接して、農業に関する情報を提供し、農業者の皆さんの農業技術や経営を向上するための支援を専門とする、国家資格を持った都道府県の職員です。そのため、普及業務に携わる先輩方は皆この資格を持っています。合格率は50%前後となかなか簡単には合格できない試験となっており、私も休日返上で必死に勉強しました。


 試験の内容ですが、3つの審査課題があります。
 審査課題アは、農業等に関する基礎的な知識の有無を判定する五肢択一式問題。
 審査課題イは、農業等に関する高度かつ専門的な技術に関する知識及びその応用能力の有無を判定する、記述式問題。
 審査課題ウは、農業の現場における課題を解決するのに必要な地域の現状の把握、普及指導計画の策定及び現場の指導等に関する企画立案の能力並びに普及指導活動手法に関する知識の有無を判定する、記述式問題となっています。


 どの課題も非常に難しいのですが、普及指導員として必ず覚えておかなければならない内容です。


 試験結果は11月上旬の発表で、一次試験に合格すれば二次試験として面接が行われ、この2つに合格すれば、晴れて一人前の普及指導員として活躍できます。
 結果が発表になるまで、一日も早く先輩方に追いつけるよう、勉強してまいります。

青森県農業青年交流大会について(後編)

2016.09. 2

 7月19日、20日の2日間にわたって東北町にある小川原湖青年の家で開催された青森県農業青年交流大会に出席しました。後編では交流会と視察研修を紹介します。


▼前編はこちら


 講習会、スポーツ交流と、頭と体をフル活用した後は、いよいよお待ちかねの交流会です。野外バーベキューの食材は、稲作、畜産、野菜とバランス良く生産されている上北産品を豊富に使用し、まっしぐら、七戸短角牛、キャベツ、ナガイモ、そしてクラブ員が作った葉つきコカブや、ニンニクの差し入れも加わり、非常に豪華なものでした。


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葉つきコカブを豪快に食べるクラブ員


 余興は、野外ということもあり、キャンプファイヤーを行いました。厳かな雰囲気の中で、火の神・火の女神による点火の儀式を行い、その後は火を囲んで、夜が更けるまでクラブ員たちと語り明かしました。


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左 :キャンプファイヤーの井桁を組むクラブ員 / 右 :火の神・火の女神による点火


 20日は、住友化学三沢工場・住化テクノサービスMGS事業所を見学しました。三沢工場では、殺虫剤の原料であるピレスロイド系薬剤を製造しており、製造された製品のうち70%は海外に輸出されています。また、工場内の敷地では、ニンニク優良種子の増殖・栽培を行っており、青森県のニンニク産地を支えています。


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工場内で学ぶクラブ員


 今回の交流大会を通じて、県内若手農業者の熱意を肌で感じることができ、普及指導員としての自覚を深めるとともに、今後の農業についてクラブ員たちと目標を共有することができました。この思いを胸に、日々の業務に全力で取り組んでまいります!

青森県農業青年交流大会について(前編)

2016.08.15

 7月19日、20日の2日間にわたって、東北町にある小川原湖青年の家で開催された青森県農業青年交流大会に出席しました。

 この大会は、県内全域の4Hクラブ員の研修と交流を兼ねて毎年開催されており、開催場所は各地域の持ち回りとなっています。
 今年は、上北地域の「上十4Hクラブ」と「三沢4Hクラブ」が実行委員会を結成して、会場の選定や研修内容の検討に加え、運営や設営に至るまでを主体的に行い、私を含む普及指導員はサポート役に徹しました。


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開会式のようす


 今回の大会スローガンは、「つなぐ伝統☆きずく未来」で総勢53名の若者が集結しました。
 近年、青森県では野生鳥獣による農作物の被害が増えていますが、有害鳥獣駆除を担う狩猟者の数は年々減少しています。そこで、地元や県の猟友会へ講師を依頼し、伝統的な狩猟について講習会を開催することにしました。


 講習会では、近年の狩猟の動向や、狩猟免許の取得方法について学んだほか、猟犬を使っての模擬狩猟の実演や装備品の展示、シューティングシミュレーターの体験等も行い、普段はなかなかできない体験に、クラブ員達も興味津々のようすでした。


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左 :猟犬を使った模擬狩猟 / 右 :シューティングシュミレーションを体験


 続いて、チームに分かれてのスポーツ交流です。ドッジボールの球をフリスビーに変えた「ドッヂビー」という競技を行い、みんなさわやかに汗をかき、交流を図りました。


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ドッヂビーのようす


 このような交流を通じて、県内に農業者のネットワークが構築されていくのだと改めて感じました。
 次回は、交流会と視察研修についてお伝えします。

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