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佐賀県
平野稔邦

農業用マルチローターの資格を取得

2019.08. 7

 昨年度に導入した撮影用のドローンは、飛行制限区域以外の場所での飛行は高度を守った上で自由にできるため、普及活動に日々活用しています。しかし、農業用マルチローターでの農薬等の散布には、農林水産航空協会が認定する専門の資格が必要になります。この資格は使用する機種ごとに取得する必要のあるもので、機種に応じた操縦技術と知識をしっかり身に着けないと得られないものとなっています。

 この資格を取得するため、同僚の作物担当の普及指導員と、佐賀県農業大学校の学生2人の4人でスクールに行ってきました。


 まず、座学で航空法や農薬取締法、使用する機種の操作法等を学び、実技として農薬散布用のマルチローターを操作して、農薬散布(デモのため水ですが・・・)を行いました。


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検定に用いたマルチローター


 日頃利用しているドローン操作とは違い、GPSを切った状態でのホバーリングや、ナビゲーターとタイミングを合わせた散布作業等が必要です。GPSに頼り切った操作に慣れていて少し甘く見ていた自分としては、猛暑の中で、かなり疲労のたまる講習となりました。その結果、数日間奮闘したおかげでなんとか学科と実技の検定を通過し、無事に認定を受けることが出来ました。


blog_saga_hirano14-2.jpg  blog_saga_hirano14-3.jpg
左 :飛行コースに立てられた旗に沿って操縦
右 :猛暑の中、交代で実技講習


 このマルチローターですが、果樹を担当する自分としては、カンキツでの活用を考えています。近年は、各地で傾斜のあるカンキツ園での試験も増えており、当県でも果樹試験場での農薬散布試験が計画されています。ただ、果樹では登録農薬が少ないことが、普及に向けた大きな課題です。

 しかしながら、元々無人ヘリ防除での歴史のある水稲よりも、スピードスプレーヤーやスプリンクラーでしか省力が図れなかった部門でうまく活用できれば、画期的な省力技術になると思っています。そのためにも、ドローンでの農薬散布技術が現地に普及できるよう、試験場等と協力して進めていきたいと思います。

平野稔邦

佐賀県佐城農業改良普及センターで果樹を担当しています。佐賀県ではテレワーク推進の一環で普及指導員は、一人一台のタブレット端末を持ち日々の普及活動に活かしています。タブレットを活用した普及活動を中心に、産地の動き等を紹介します。

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