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佐賀県
平野稔邦

農福連携による労力支援体制を構築

2019.02.18

 当地区では、山間部でのホウレンソウ栽培において、農福連携による労力支援を普及課題として取り組んできていましたが、山間部のため市街地の福祉施設からは移動時間が課題となり、広がりが見られませんでした。このため、市街地に近く、福祉施設からの労力支援体制が整いやすい果樹部門で新たに取り組めないかと、障害者福祉ネットから依頼がありました。
 そこで、普及センターで福祉施設に依頼可能な作業を選択した上で、福祉ネットの担当者とともに、みかん部会に対して推進を行いました。


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選果場と福祉施設の契約書の取り交わし


 その結果、まず二つの作業に対して、農福連携による労力支援の取り組みが始まりました。
 一つは、デコポンのセンサー選果作業です。コンテナ単位の単価計算を基に契約された選果作業が開始しています。
 作業スピードはやや遅く設定していますが、作業精度は問題なく、丁寧に実施されており、評価も上々のスタートとなりました。さらに、生産者の出役でまかなうしかなかった労力に対しての支援であり、生産者からは「助かった」という声も聞かれています。


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デコポンのセンサー選果作業

 二つ目は、現地で堆肥を入れたマルチ抑えのビニル袋を回収する作業です。
 簡単な作業ですが、生産者にとっては出荷に追われる中で、遅れ遅れになっていたことから、すぐに契約して作業の実施につながっています。これに続いて、剪定枝の集積作業も依頼したいと連絡もあり、この生産者も、労力支援に対して前向きにとらえています。


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マルチ抑え用堆肥袋の回収作業


 支援者の体制や作業時間、作業の内容も含め制約もあり、すべての作業で労力支援という訳にはいきません。
 しかしながら、農福連携に向く作業を少しずつでも実績として積み上げることで生産者の理解をより深め、農福連携による労力の利活用体系をしっかり構築していきたいと思っています。

平野稔邦

佐賀県佐城農業改良普及センターで果樹を担当しています。佐賀県ではテレワーク推進の一環で普及指導員は、一人一台のタブレット端末を持ち日々の普及活動に活かしています。タブレットを活用した普及活動を中心に、産地の動き等を紹介します。

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