青森県
伊藤和彦
伊藤和彦
青森県上北地域県民局農業普及振興室で野菜の産地育成を担当しております。仕事のストレスを家の家庭菜園で癒し、家庭菜園の疲れを忘れて普及活動を行っております。
2016.11.18
夏秋トマトの収穫もほぼ終わりに近づいた10月28日、当管内のJAゆうき青森(七戸町)に、JAごしょつがる(旧木造町)トマト部会が視察に訪れました。
JAごしょつがるでは、JAゆうき青森と同じ「りんか409」という品種を栽培していることもあり、産地の取組について情報交換をしました。
七戸町とJAゆうき青森では、夏秋トマト栽培を推奨しており、新たに取り組もうとする人のために研修先を斡旋したり、ハウス導入や循環扇設置に対し助成を行っています。これらの取組により、毎年2~3名の新規栽培者を確保しています。
当県民局からは、現在取り組んでいる秋の裂果を防ぐ「全摘葉」や、アザミウマの侵入を防ぐ「赤ネット」試験に加え、高温対策に有効な「循環扇」の効果について説明しました。
左 :裂果を防ぐ「全摘葉」 / 右 :「赤ネット」と「循環扇」
ひととおりの説明を終え、情報交換となりましたが、灰色かび病対策やトマトトーンの効果的な使い方等について盛り上がり、「いい話を聞かせてもらった!」と、視察に来た農家も満足して帰路につきました。
2016.11.11
ゆうき青森農協のトマト生産者が、栽培技術の向上と産地振興を図るため、山形県の山形もがみ農協(大蔵村)で視察研修を行いました。
視察先では、ゆうき青森農協と同じ品種「りんか409」を作付けしており、部会生産者の平均反収が11tという、技術レベルが非常に高い産地です。
ゆうき青森農協では、通常、収穫花房の下葉を1~2枚程度残して、そこから下は除去する葉欠き作業を行ってますが、その作業をほとんど行わずに栽培していました。
「りんか409」に多く発生する秋の裂果は、紫外線をカットするUVカットフィルムを使用することであまり問題になっておらず、また、青森県の県南地方で問題となる「やませ」が当地ではないことから、花落ちや規格外が少なく収量が多い要因になっているようでした。
参加した生産者からは、「品種は同じでも、気候が違うだけじゃなく、ハウスの造りから栽培の考え方まで全然違う、勉強になった!」との感想が寄せられ、有意義な研修となりました。
2016.10.11
十和田おいらせ農協のピーマン生産者が、栽培技術の向上と産地振興を図るため、東北でも有数の大産地である岩手ふるさと農協(奥州市)で視察研修を行いました。
視察先では、まず選果施設で、産地づくりの経緯について説明を受けました。
現在の生産者数は約300名、出荷額約5億円で、選果施設はピーマン生産を始めた昭和53年から、わずか2年後の昭和55年に導入されました。袋詰めの労力負担がなくなり、その労力を活用して規模拡大を図ったため、急速に産地の栽培面積が拡大したとのことで、自分で選別して段ボール詰めを行っている十和田おいらせ農協の生産者は、共同選果の必要性を強く感じていたようです。
左 :選果場で説明を受ける部会員 / 右 :熱心に質問する生産者
ほ場研修では、露地栽培でありながら、かん水設備を設置し、通路にはマットを敷いて非常に綺麗な管理を行っていました。栽培のポイントとして、①枝を上に立たせて樹勢を弱くしないことと、②花を落とさないように葉面散布を時期別に使い分けることが重要であるとの説明を受けました。
参加した生産者からは、「今後の産地の方向性について考えさせられた、有意義な研修であった」との感想が得られ、高品質生産と生産拡大に向けた意欲の高まりを感じることができました。
2016.08.31
十和田おいらせ農協主催のトマト栽培講習会が7月22日(金)、十和田市と七戸町(旧七戸町)で開催されました。
十和田おいらせ農協の産地規模は生産者96名、面積12haで、目標を単収で8t、販売額を3億円に設定して産地づくりを進めており、県民局も普及指導計画に位置づけて支援しています。
現地での講習会は、5~8月まで毎月1回実施しており、今回は、夏場の高温対策を中心に行いました。青森県のトマトの作型は5月定植が多く、8月の安値の時に収穫ピークが来ます。その反動で、9月,10月の高値の時には収量が低いことから、十分な収量を計画的な摘果(摘花)や主枝更新、6月下旬定植を指導しています。
当日は、(株)タキイ種苗の奥原氏からも新品種「TTM111」や全国的なトマト情勢の話があり、普及員2年目の田島技師からもオオタバコガの発生状況について報告がありました。
左 :沢山の農家が参加しました / 右 :わかりやすく説明する奥原氏
残りの現地講習会も8月を残すのみとなりましたが、現地巡回指導を中心に目標達成に向けてフォローアップしていく予定です。
2016.08.24
JA十和田おいらせのピーマン生産者が、7月15日に五戸町でピーマンの先進地視察を行いました。
五戸町へは昨年も先進地視察を行っており、その時の視察が好評で、同じ農家へ2度目の視察となりました。
JA十和田おいらせでは、ピーマンの生産に力を入れており、ビニールやパスライト被覆による早植栽培の作型の普及拡大を進めています。
早植栽培は収穫期間が長くなる長所がありますが、従来のトンネル支柱による誘引方法では、支柱を越えて伸びた茎葉が倒れることにより収穫後半の収量が激減する欠点があります。これを改善する方法として、八戸農協で広く一般的に行われているフラワーネットによる誘引方法を再度、確認しに行きました。
視察先の三浦氏は、フラワーネットを3段張って誘引していることと、ピーマンの上にビニールトンネルで被覆して雨が直接当たらないようにしており、地域農家の中でも特に手間をかけて良い物を生産する有名な農家です。
十和田市のピーマン生産者からは、かん水やトンネルの温度管理など、多くの質問が出され、高品質安定生産に向けて生産意欲がさらに高まりました。
今後は、地元の農協管内に設置したフラワーネットの展示ほを活用しながら、よりよい生産方式の導入に向けて生産者、農協、普及振興室が一体となって取り組んでいきます。