鳥獣害対策という名目で柿が食べたい(後編)
2025.02.12
●前回の話はこちら
最初におこなったのは、柿の木の持ち主であるおばあちゃんの紹介と、柿の収穫の仕方です。
おばあちゃんから、「生で食べる柿と、干し柿にする場合は、残すツルの長さが少し違うんですよ」「柿は折れやすいので登ってはいけませんよ」という、ありがたいお話を聞くと早速収穫です。
「わーっ」と言って子供達は柿の木の下へ走っていく子供達・・・。わざわざ「わーっ」と言うほどでもないと感じるのは、私が子供の頃、たった100円で仕事として柿の収穫や薬かけを手伝わされていたからだろうか?
騒ぐほどではない。
指導するおばあちゃんと、柿を採る小学生
(子供が写っているので、水彩画風に加工)
子供達には、基本的に大きくて丸い柿を取って欲しかったのだけど、子供達に人気なのは変形果です。特に男の子は、柿のヘタ当たりから突き出した指のような柿(図を参照)が大好きです。「Kちゃんのお父さんも、男ならわかるだろ!?」と不敵な笑みを浮かべて私に見せてくれます。私的には、どうでも良いのですが、子供達が喜んでいるので、「おーっ、これはすごいな!」と一応、合わせます(君たち、本当に楽しいか?)
収穫する子供達。絵的に良いです(子供が写っているので、水彩画風に加工)
さて、晴天にも恵まれ、1時間ほどで柿の収穫は完了。
続いて、町内会館へ移動して渋抜きです。ヘタに少しだけ焼酎をつける作業ですね。
りんご箱6箱が満杯という収穫量だったので、単調な渋抜き作業はなかなか大変です。激しく不人気です。すぐに子供達は飽きてしまって、会館の奥のホールに行きフラフープで遊んでいます。仕方がないので、大人達だけが黙々と単調な作業を繰り返します。
やっと渋抜きの作業が完了しました。さて、ここからが問題です。
この柿を誰にあげるか!?・・・となるのです。
中には、「私、柿食べられなーい」と堂々という子供もいて、「じゃぁ、何しに来たんだ?」とツッコみたくなりますが、「ママも嫌いなんだよ」とすぐ横にいる母親を指さして言われると、その母親は無言のまま私から目を反らします。
結局のところ、行き場を失った柿は、アチコチにLINEで「もらってくれない?」と連絡して配り、ありがたいことに多くの人々から感謝を言われ、時に消費期限切れ間近のお菓子や、ビール等に形を変え、柿イベントは無事に終了を迎えるのでした。
二週間後、そろそろ良いだろうと、袋を開けるとツヤツヤしている柿がゴロゴロしています。皮を剥いて食べると、甘い! パリパリしたものや、どろっとしたもの、熟しすぎて赤くなっているもの・・・。色々あって、私は、心の底から柿の旨さを堪能しました。
今度の秋は、栗とクルミを拾いたいです。