普及指導員が現場で活躍する日々をレポート
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大分県
塩崎洋一

塩崎洋一

昭和63年に大分県で普及員として奉職。 令和4年3月に早期退職して農業に踏み込み始めたが、普及現場の要請により中部振興で普及活動の第二幕、北部振興局で普及活動第三幕を終えた矢先、北部からさらなる要請があって第4幕が上がった。なかなか自分のやりたいことに集中できない、でも断れないジレンマを抱えながら、それでも全力で普及員をやる気持ちです。

中山間地域の稲作担当

2021.03.19

 集落営農・稲作担当のIさんに同行しました。
 この日は集落営農法人の経営相談と、圃場状態のチェックでした。
 Iさんは、16、7年前の本庁勤務の頃に、同じ部署で働いていました。本県は、今でこそ農業への企業参入について専属チームがありますが、当時は、私たちの部署で対応していました。一緒に企業訪問をしたり、どこかに遊休農地がないか探し回ったりしました。

 普及員は、一人で動くことが多いと思いますが、稲作担当の相手方、つまり集落営農法人や稲作農家は、中山間地域では戸数は数知れず、です。
 チームで動くこともあるかと思いますが、ほとんどがこんな風景です。"孤独な作業"といえばネガティブですが、"一匹狼"と言えば「かっこいい」と思うのは、私だけでしょうか。


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絵的には孤独感満載ですが、熱き心のIさん。集落の内実まで把握できる着実堅実な中堅です

時には、林業青年(2)

2021.03.16

前回からの続き


 ところで・・・・
 中山間地域で山が荒れる、とか、よく聞く話ですが、今回の彼の取り組みは、その対策の一翼を十二分に担っているのです。


 というのも、彼の実家は、この近くで養鶏をやっています。彼自身も市内で稲作のオペレーターなどをやっていますが、今回こうした山を買い上げて、木を切り出しているのです。もちろんその木を売ることで、生活費+資金償還です。楽ではないと思いますが、彼のような存在なくしては、生き残る山もなくなってしまうと思わざるを得ません。
 また、ベースとなる農業経営がしっかりしているからこそ、多額の融資確保を可能にしたという要因も無視できません。

 果たして、山主の依頼などで木を切り出すこともありますが、その木を売って生活ができるとしても、そこに新たに木を植えて山を管理するまでやっていくと、生活ができるか否か、ここはクエスチョンです。
 ということは、そうした山の作業に関わるヒト、木が動いていくというモノの流通、そうした仕組みが循環して生活できるかというカネの流れ、の3つが充分に価値を発揮できないと、山仕事だけでは生活できないかもしれない、となるのは当然の帰結なのです。 


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この日は、森林組合からの受託作業、公共工事関連


 木を切った後に苗を植えると何が起きるか。
 数10haの山を何kmもネットやフェンスで囲みます。そうでないと、新植した苗は鹿のご飯になります。この手間やコスト、すごいことです。


 以前、ある公庫の担当者がつぶやいていました。
「何十年も先になって回収できるものに貸しているのは、公庫だけですよ」と。
 政策金融公庫の「政策」、まさに、そのとおりです。

賞金稼ぎ

2021.02. 3

 大分県では、農業青年のプロジェクト活動を活性化させるため、令和3年度にプロジェクト活動を実施する者に、県の後継者組織独自予算から支援金を出すことになりました。コンペ形式で、優秀者に対しては10万円、次点は5万円が2者です。
 「10万円狙うぞ、2人出ろ。できれば両方ねらいじゃ」と檄を飛ばしました。


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 写真右端のWくんとNさんが、そのプロジェクトの部門担当です。
 この日は青年達とその作戦会議。
「スライド作りは手伝うけど、発表はしゃーねーか?(大丈夫か?)」
「・・・・だ、い、じょ、う、ぶ、です」みたいな返事でしたが、おみごと! 一人が賞金をゲットしてきました。

経営指導の現場演習

2021.01.27

 採用から3年目か他部局からの転入者には、普及現場で経営指導の研修をするカリキュラムがあります。
 これを実施する場合、前年のうちに研修対象となる経営体を選定し、事前に承諾を得て決算書などを頂き、また、その数字などを(普及指導員だけの集まりではあるけれども)オープンにさせてもらう承諾を得ます。


 他の管轄では、そうしたことを上司や先輩がほとんどやってしまうと聞きましたが、うちではあり得ません。同行はしますが、基本、すべて自分でやるのです。もちろん、本人には事前に注意する点を伝えますが、原則自分で全部やる、のスタンスです。
 この日はSさんに同行して、来年度の研修のお願いに行きました。別件でIくんも同行です(野菜法人OJTのIくんとは別人です)


 現場に行く前段階では、
塩 :「よい、どこを選んだんかな」
S :「株式会社Aです、私の担当する○○町の・・・・」
塩 :「そりゃいい。ただ、法人やけど実質家族経営屋から、奥さんもいた方がいいなあ」
S :「はい、そのつもりです、奥さんの話しも色々聞きたいです」
塩 :「経営分析もすることになるけん、その時には、そん経営の労働力やら家族内での作業分担やら、決算書には出て来ん色々な背景を知っちょった方がいい、日程調整は頼むで」
といった具合で始まりました。


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株式会社AのTくん御夫妻。彼は私が担当する後継者グループの役員でもあります

1億円経営が舞台のOJT

2021.01.19

 今年ルーキーのIくん。この日は、4年前からお付き合いのある法人経営の野菜農家さんの本社で手伝ってもらいました。この会社では、半年ほど前から彼と一緒に動くようになりました。最近では、野菜に関しては、社長との直接のやりとりもできているようです。


 先日、Iくんから
「塩崎さん、来週あそこに行くんですよね、僕も一緒にいいですか」と言われ、
「おう、社長に聞いたんか。なら、いいぞ。1時半頃に本社じゃ。社長は3時頃に帰ってくるけん、それまでに資金繰りを修正するんじゃ、手伝え」と、段取りしました。


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意外と緊張してないIくん。先輩としては安心しています


 社長不在時に押しかけて、事務員さんから決算書や償還表を借りて、資金繰りを作成して社長と検討する。
 社長は、普及員が作った資料をもとに検討して判断する。あるいは、修正指示や事業展開計画の修正案を話すと、これを普及員がさらに盛り込んで校正する、という流れです。


 ここで、「どうして資金繰り表を本人が作らないのか」という疑問が出てくるかもしれません。
 私は他の法人経営者の場合でも、重点的な対応先では同じようにやっています。もちろん、本人に作ってもらう場合もありますが、重点対応先には、資金繰り表は基本、私(普及指導員)が作成しています。

 民間の経営コンサルタントの方々がどのようにしているかは知りませんが、普及指導員がこうした業務を支援することについて、以前ある大規模農業法人の専務さんから、「うちの経営でこれだけの計画を作ってもらうとすると、民間に頼めば何百万円とかかるだろう」と言われました。普段お付き合いをしている農業経営者からのこのような一言は、間違いなく励みになります。
 

 この日の帰り道、Iくんに言いました。
「どこかの研修会に行った時、『僕は1億円の資金繰りを作っています』と、胸を張って言えるぞ」と。

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