普及指導員が現場で活躍する日々をレポート
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大分県
塩崎洋一

塩崎洋一

昭和63年に大分県で普及員として奉職。 令和4年3月に早期退職して農業に踏み込み始めたが、普及現場の要請により中部振興で普及活動の第二幕、北部振興局で普及活動第三幕を終えた矢先、北部からさらなる要請があって第4幕が上がった。なかなか自分のやりたいことに集中できない、でも断れないジレンマを抱えながら、それでも全力で普及員をやる気持ちです。

肉用牛の育成技術改善とプロジェクト

2020.10.13

 後継者活動のひとつに、自家の経営改善を図るためのプロジェクト活動があります。
 管内B市の後継者組織では、昨年度、発表委大会で総合優勝を勝ち取りました。これに続いて今年度も、その発表課題の続きをやっていたところ、青年の定例会で、牛の話になりました。

 「それなら、"ふりかけ"、やってみろうぜ、理屈はこうじゃ」とやってみることになったのですが、当然、それだけで終わらせないのが普及員。「そんなら、これをプロジェクトにしようや」と説得。やってみることになって、毎月の発育状況を把握することとなりました。部門担当は久しぶりに普及現場に着任したNさん。青年と一緒にプロジェクト開始となりました。

・青年の自家経営での課題発見、課題の共有。問題の係数把握と目標設定。
・これによるプロジェクト活動のプロセス。
・その中で、どのように現場で数字を把握するか。
・これを整理しながら変化をつかんで、結果を考察、実際に効果があったかどうかを並行してまとめる。
・青年の自家経営課題を解決する方向が出れば、これを地域、産地として手法を普及させていく。

 普及活動の真髄がここにある、と勝手に思っています。


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「体高XX.Xcmです」と、Nさん。
「違う、俺が測る。△△.△じゃねーか、もう一回はかれ」と塩崎。
「あっ、△△.△でした。」
「そらそうじゃ、尺竿(しゃくざお)(※)が斜めじゃったんじゃ、しゃんと測れ、こげんふうに竿を持って、こげえ見らんと、斜めが分らんのじゃ」

まさにOJTです

「しゃくざお」は方言かと思います。体高計のことです

色違い普及員

2020.08.28

 普及員は、農業・林業・水産の分野にそれぞれいますが、この日は水産の普及員チックな仕事をしました。コロナ禍の休日でしたが、水産業者さんへワクチンの指示書を出すことになった家内に同行です。


 業者さんから相談を受けたと家内が言うので、「指示書を出すにも現場も知らなければ話にならない。旦那が、農業とは言え普及員をやっているのだから当たり前じゃ」と、当該養殖場について、懇意にしている水産の普及員さんに伺いました。

 場所は前任地の管内。それもH普及員の実家の辺り。動物病院のスタッフとランチもかねて行ってみました。


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育った風景、H普及員に送ると、すぐに解りました。前にあるのは島ではなくて全部陸続きです。これぞ豊後水道のリアス式海岸。。。。


 養殖場は船に乗って1、2分の沖合。天気が良く、海もおだやか。普段何気なく食べているお魚も、こうやっているのかと、また勉強です。


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お魚たちをのぞき込んでいるのが獣医さん。このいけすの中のお魚さんを1匹づつ捕まえて、ワクチン接種だそうです。何千匹・・・・・


 農林水産物の加工流通販売に関わることもありますが、何をイメージしてその仕組みや筋書きを作るのか。それは"食卓"です。食べる風景をイメージして、マーケットにリンクさせてみる。すると、わが県の流通、特に農産物の流通がなぜにこうなのかが観えてきます。
 水産物は、豊後水道という、他に負けない地の利がある。一方で農産物はどうか。何を付加価値にするかなどなど。

 考え出すときりがない。これくらいにしておきます。。。。。

時には山羊さん

2020.08.14

 ある日、自宅に着いたら、家内が「いま、山羊に点滴しよる」とのこと。一昔前の家畜タイプではないけれど、かなり衰弱していました。


 畜産普及員としては、何とかしてあげたいと思うところです。同じ食べさせるなら雑草チックなものよりはと、近くに生えていたカヤを小さく刻んでやり替えました。余分に刈り取って、翌日用に乾草調整もしてあげました。そして、ちょうど農家さんでテストするために仕入れていたバイパスタンパク飼料があったので、それを振りかけてあげました。


 起き上がってムシャムシャと食べ始め、時間がたつと反芻もし始めたので、やれやれと思いきや、翌日に様態が急変して。。。。。
 いろいろ聞いてみると、子ヤギの時からの衛生管理や飼養管理に問題がありそうでした。大学時代に実習で少し関わったくらいでは、やはり駄目だと思い、山羊のテキストを取り寄せて、改めて勉強を始めた次第です。


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 『頑張れ!』と思いましたが、悲しい結末となりました。
 命あるもの、必ず寿命があります。受け入れていかねばならない出来事も起きます。
 家内が獣医で開業しており野生動物保護にも関わっていますが、以前、交通事故でパトカーで運び込まれたバンビも、腰が立たないままで、やっぱり。。。。。
 一方で、「かわいそう」と思う感情論主体の動物愛護精神は、本当にその子のためになるのかなど、色々と考えさせられました。

普及職員協議会の支部別研修会

2020.08.12

 普及員の資質向上、スキルアップを目指しての研修は、どこでもされていることと思います。
 わが県でも、例年の各支部別(所属別)研修が行われました。
 今年度、自分が県の事務局を受けているからではありませんが、わが所属では、いつもと違うやり方(自分ではそう思っている)でやってみました。


 まず普及活動上の問題点を挙げて、それを「どうするか」という流れはやりませんでした。他の所属では、ほとんどがそうした指向でした。若手の悩みとか、ベテランと若手に別れてどうこうとか・・・
 それを否定はしないし、全く問題はないと思いますが、単に、それでは自分が物足りないだけだったからかもしれません。


 当事務所では、班分けして、司会進行とりまとめは若手にやってもらいました。これは、現場に出た際に、農家さんの組織作りや産地や組織の合意形成に役立つように、との思いからです。そして、テーマは「産地確立やブランド確立に向けて普及員は何をやるか」です。これを各部門でやってもらいました。米、肉、野菜、花、などなどです。時間の関係上、こちらが思うところまでは到達しなかった感じもありますが、おおよそ、普及が何するか、までは行き着いたようです。


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8割を超える参加でした。司会進行とりまとめをする若手には、何でも良いから自分の気になるブランドについて、なぜブランドになったのか、歴史や背景を事前に調べてもらい、なぜ自分がこれを気に入っているのかも出してもらいました。そして自分の関わる産品のブランド化、産地確立などをどうすればできるかを見ていく流れでした


 問題はここからです。何をするのか、机上では出そろいましたが、実際にそれをどのように、だれがやるのか。やった結果どうなるのか。やるべきことをやれば、その結果として目指すところに近づいていく、目的を達成する方向へ状況が変わっていくはずです。
 もし、そうした状況変化が生じないとすれば、目的そのものが現実的でないか、目的達成のためにやっていくこと、目の前の目標や行動が乖離しているのです。これをどのように進捗管理して積み重ねていくのか、など、具体的対策が出てくるはずです。この普及活動の進行管理はどうなっているのか、と。
 ある参加者の、「若手どころか、ベテランもスキルアップしなければならない」という意見に繋がって行きそうです。


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班ごとに温度差はありますが、やっぱり、こうやると、意見は出やすい。自分たちが研修している手法を、現場でもやってみよう!

会社作って経営立て直し

2020.06.10

 一昨年紹介したかもしれませんが「会社がやばい」との相談があってV字回復を目指したH社です。

 今期から管内の高原地帯で別会社設立、夏作の生産体制を強化し、さらなる経営の展開を目指しています。
 一昨年から昨年にかけては、H社の資金繰り、金融対策で対応していましたが、白ネギの冬作がメインで、前期は10haの作付けでした。夏作はピーマンなどをやってましたが、昨年の地域的な病気発生により大打撃。


 そこで、私が頭の中でSWOT分析をやった結果、「夏も高原地帯で白ネギ、やりましょう。会社の強みは白ネギです、どう考えてもそうです。冬作10haやってるんで、夏作も10haやる絵を描いても不自然じゃない。それも隣の市だから、そっちで新法人作って県の事業使えば、補助金使って、例のやつも買えますよ」と、昨年度にトントン拍子で法人設立。二つの会社でヒト・モノ・カネを回してやってきたところです。


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高原地帯の畑でただいま定植(作業はもちろん機械)中です。ここはK社でやってます。冬作メインのH社があるエリアよりも約400m高いところ。ここの他に、もう100m高いところにもあります


 で、で、そんな矢先にコロナの嵐。今年の春先には相場下落でやばかったのですが、さまざまな経済対策が飛び出してきたところ、これまた会社を2つ持っているメリットも出てきたのです。
 この夏作を軌道に乗せて、両社の経営も安定、としたいところです。

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