大分県
塩崎洋一
塩崎洋一
昭和63年に大分県で普及員として奉職。 令和4年3月に早期退職して農業に踏み込み始めたが、普及現場の要請により中部振興局を舞台に、普及活動の第二幕が上がった。そして第二幕を終えて、自社で色々やっていたところ、北部振興局の要請によって、普及活動の第三幕を上げることとなった。臼杵市在住。
2024.12.30
この日は、肥育のSさんところで、体重測定でした。
年末で勤務期間終了なので、挨拶もしておかねば、と思ったところです。
まずはGET。ロープで輪投げです。農場によっては、長めのフックで鼻ぐりを引っかけたり、いろいろです
他の牛を捕まえることを考慮して、繋ぎます。注意するのは、他の牛が、この子を繋いだロープの下をくぐることです。だから長めに、なるべく高さのあるところで繋いでおきます。捕まえながら、牛の観察もします。こいつ、元気ねえなあ、とか
終わったあとの雑談が大切。60年やってるSさんでも、うっかりがあったりします。雑談の中から、牛舎での改善点を提案したり、本人が解りやすく、やりやすい方法で伝えます
さて、ブログを始めた南部振興局勤務の前の広域普及員時代、県庁の普及主務課でのこと。
塩崎「耕種園芸の反収調査は坪刈りとかじ、男(子)でん女(子)でんでくるけど、肉用牛の反収はデイリーゲン(DailyGain:1日増体)やから、体重量らんとならん。けど、牛捕まえよっち怪我したら、公務災害になるんかな。『若えもんを鍛えてくれ』ち言われてん、畜産担当は牛を捕まえなならん」
主務課担当「公務災害にはならんから、そりゃあ、農家か農協に捕まえてもろうて」
塩崎「そげぇ言うてん、それじゃあ普及員が牛も引ききらんじ、農家ん信頼は得られんで」と返すが、議論にもならず。
技術もデータ収集も普及方法もセットだという、典型的な会話です。
ですが、やっぱり大きくなった肥育牛は、大変です。でも、やらねばならないし、牛に怪我はさせられない、自分も怪我をするわけにはいかない。若手に怪我はさせられないけれど、覚えさせねばならない。こんなことの繰り返しです。
たまに思いますが、試験場でのデータと現場でのデータ、やっぱり違うなあ、と。私だけでしょうか。
さて、これにて普及活動の第3幕が終わります。
これまでお読みいただき、ありがとうございました。
2024.12.28
実を言うと、私は学生時代から、草の類いが苦手でした。
そんなこともあって、自給飼料関係とか、苦手な気持ちが今もあります。
先日のような電柵の作業とかは良いのですが、草の生育状況とか成分とか種類とかは、どうも苦手です。
秋に播種したトウモロコシを刈り取ってサイレージにする頃で、この日はSくんがその熟度を見るとのことでした。
そうは言っても年の功で、「割って見るだけじゃねえで、粒をつまんで見れや、噛んでみれ」とか「畑ん端だけじゃねえで、中ん方も見るんじゃ」など、エラそうに言ってしまいました。
ですが、事実、圃場の中程と外側では違いがあった次第です。
私が言ったんではなくて、経験がものを言ったのでした。
2024.12.27
この日は、酪農から肉用牛に経営転換したOさんのところで、発育調査です。
子牛市場では、価格と日齢体重に相関がある面は避けられないので、体重を量るのはもちろん、牛さんの発育のバランスから、体高も胸囲も測ります。
量る・測る・計るで、それぞれ意味あいが違いますが、それぞれの数字を、和牛登録協会にいただいている標準偏差値を計算する表に並べます。すると、例えば体高のσ値が+1ならば、その他の値も+1になっているかなどで、その子牛の発育のバランスが解る、と言うことです。
胸囲を測るSくん、子牛と一緒に体重を量るH総括。普及現場では、自身の体重を気にしているようでは、仕事は進みません。私は三桁ですけど・・・・
最近は便利なグッズと言いますか、体重計も良くなりました。
以前、南部振興局に在籍していた時代は、軽トラで運ぶようなサイズでしたが、今は、公用車で運べます。
何事も数字で把握していくのが、技術の基本だと思うのは、私だけでしょうか。
2024.12.25
この日は、県内の各普及現場での事例発表会でした。
ひさしぶりに参加したのですが、感想はともかく、何人かの後輩から声をかけてもらって、発表を聞くよりも、来て良かった、うれしかったというのが本音です。
さて、一昨年に勤務した中部振興局での普及活動 第二幕で、Kさんと一緒にてこ入れしていた農場への対応、その後Aくんがやってくれていましたが、その経過を通じての発表でした。
「そうだ、この点だぜ」と思ったのが、農場で何をしたかと言うよりも、普及として、活動対象をどのように捉えて、産地としての将来像を描く中で、そこに向かってメリハリのある活動を展開する、本当に支援が必要な経営体に集中していく、といったことをハッキリと言ってくれたことでした。
壇上で堂々と発表するAくん、こうした普及手法を貫いて欲しいと願うばかりです
さまざまな環境要因が変化する中で、こうした戦略的な考え方は大切です。これを間違うと、何かの沼にはまってしまい、普及活動の成果といいますか、目的に対する効果が見えにくくなるのです。
話を聞いていて、私自身、自分のやってきたことは、やっぱり間違ってはいなかった、と思いました。
2024.12.17
酪農家さんは、365日、毎日欠かさず乳搾りをしなければなりません。肉用牛農家さんにそれはないですし、放牧であればやり方によっては毎日飼料給与しなくても何とかなります。もちろん、飼槽に入れての餌やり、という意味です。
水だけは必ず毎日給水してあげる方が良いのですが、そこに作業量は異なりますが、酪農家さんの乳搾り同様の拘束性があります。
しかも、ウオーターカップや大きな水槽があって、水がいつもあるのならともかく、ここは景色は最高ですが、水がありません。毎日、何度も水桶に入れてやる作業があります。
そこで、1日に何度も給水作業をしなくて良いように、普及活動第2幕でやったような細工をすることにしました。
作業時間は2時間ちょっと。これで拘束時間が激減するなら安いものです。
メインのタンクをセットするOさん。遠くは周防灘、景色は最高です
黙々と作業する、Nさん
完成。前回、中部振興局管内では、大きな樽を使って、パドックの内と外でしたが、今回は2パドックの飼槽横に、枝分けしてそれぞれ設置です