普及指導員が現場で活躍する日々をレポート
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塩崎洋一

塩崎洋一

大分県豊肥振興局で経営全般の普及活動を展開中です。大分県臼杵市生まれ、九州東海大学卒。昭和63年に畜産普及員で採用されました。実家は平成6年まで肥育農家でした。

典型的な中山間地域ですが・・・・

2019.05.27

 ご案内のとおり、当管内は大分県南部で、熊本・宮崎に隣接する典型的な中山間地域です。しかも九州の真ん中、主な幹線道路にも「中九州道」という名称があるほどです。

 一方で私の育った実家は、同じ県内でも豊後水道沿岸部。海があるし、自分勝手ですが、狭いながらも平野部のイメージがあるのです。そんな両者を思いながらですが、やっぱり広大な平野、しかも農地となれば、何度か行った北海道や、人生で最初で最後、一回だけ行ったアメリカ北西部の小麦畑を連想します。


 ですが、中山間地域にもそんな風景があったのです。
 ある時に気がついたのですが、管内の大野川という河川流域。ジオパークの認定を受けたところでもありますが、この周辺地形にミソがありました。

 通常車で移動する幹線道路、それも昔からの県道や旧国道は、河川の流域や谷間に沿っているのが多いのです。人の住んでいるエリアが河川流域に集まっているので当然かもしれませんが、逆に広大な畑作地帯が様々な農業施策の流れの中で、周辺の台地、高台に作られてきたのです。
 つまり、普及員という仕事をしてなければ、私はたぶん、こんな風景には出会っていない、普段の生活ではこんな場所に来ることはないからです。


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麦とスイートコーン。一瞬「北海道!!」と感じるのですが、背景の山々と高圧線の鉄塔が、九州だと思わせるところです。実は、隣り合わせの畑なのです

ニューフェイス・・・・親子鷹

2019.05. 9

 新年度開始、また今年も新たな顔ぶれが加わりました。この日一緒に巡回したW君もそのひとり。当所は二回目の着任ですが、担当が変わったので早速巡回に出ました。先般紹介した、V字回復に向けてのH農場にて、ピーマン圃場に同行した次第。


 ところでWくん、道中色々と話していると、以前一緒に仕事をした先輩の息子さんでした。「親父が普及員だと、なんだかいつも授業参観されてるみたいで・・・」とのこと。父は花の普及員で自分は野菜なんで、いくらかマシですが・・・、とつぶやいていました。
 こちらは親子鷹をうらやましく思いますが、本人の気持ちは色々とあるようです。


 かく言う私の父親は肥育農家でしたが、ある日、初めての巡回先で名刺を出そうとしたところ、相手の農家の親父さんが突然、「ちょっと待て。お前、塩崎くんだろうが、親父は元気か」という場面がありました。、これには驚きました・・・。わが家は県の南部で牛を飼っており、普段縁もない県北部に巡回した時のことでしたので・・・。


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普及員にとって人脈は財産です。H農場のNさん、Wくんが農大勤務の時、受講生だったそうです


 これは何を意味するか。普及指導員の身内が関係者にいる、それも普及指導対象となる農家さん側にいる場合(親が農家の場合ですが)、はっきり言って、ある意味とても居心地が悪いというか、ただならぬ緊張感がある、ということなのです。

V字回復の兆し・・・・

2019.04.25

 昨年夏に緊急対応を迫られた、H農場さん。順調に上半期を超えて、売上も計画どおりのようです。それでも相場の下がる時期、社長は「出荷量で稼ぐ」と同時に、労働生産性を上げていくと、踏ん張っています。


 何カ所か圃場でありますが、自分の専門分野(私の技術専門は畜産)でないために、日頃の様子はなかなかわかりません。この日は調整作業場に行ってみると、畑に出ているとのこと。


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軽トラ軍団で作業員フル稼働、車で3分の調整作業場にピストン輸送です


 「アポ取りして行けば良いのに」と思う方もいると思いますが、経営改善、特に再建モードでは、経営体の様々な状況をくみ取る必要があります。つまり、本人も含めて作業員の皆さんの圃場での動きや機械操作も含めた作業の流れなども、経営改善の要因として把握しておくのです。極端に言えば、もっとこうした方が作業効率は上がるのでは、というようなところも見ていきます。

 つまり、面積が一定であれば投下コストは同じです。ならば単価下落を出荷量でカバーすれば、面積当たりの売上げを上げていけるので、労働生産性の勝負です。

 昨年のリストラが成功したかどうかは、少し乱暴な表現ですが「会社に残った人材の労働生産性が良いかどうか」であることは、言うまでもありません。

プロジェクト活動、始動

2019.01.31

 管内には2つの農業後継者組織(チームKとチームZ、とします)があります。
 そのうちの1つ、チームZは最近プロジェクト活動にご無沙汰していました。また、過去の色々な事情があってチームKは県連組織を脱退しています。そのため、県段階で行われるプロジェクト発表と意見発表の場に出場できるのはチームZだけなのです。だけど事情があって、プロジェクト活動をやっていませんでした。


 今年度、私はチームKの担当なのですが、チームZの担当者都合で、昨年末からこちらも受け持つことになりました。
 実は、私は平成15~18年度に農業青年の県連事務局を担当していた関係で、チームZのほとんどのメンバーと顔なじみです。
 そんなことで、年末の定例会で、以下のようなやり取りがありました。


【塩崎】 
「なあ、来年はプロジェクトやろうぜ、何か産地の課題はないかえ?」
【青年A】
「そうですね、今年は夏の高温障害ですね、でも、うちの3mではやられたのに、隣町の1.8mでは、そんなにひどくなかったんですよ」
【塩崎】
「そりゃあ、ハウス自体の容積が小さい方が熱量が上がらないやろうし、小さいハウスの方が空気は抜けやすいやろう。なら、いっそのこと6mで天井を抜いたらどうかえ。温度環境に違いがあるなら、ハウス自体の構造はその次じゃ。まずはやってみるかえ、何か少しでも予算をとるで、比較しやすい建てる場所あるか?」


と、あおったら、「やりましょう」となった次第。
ピンと来る人はいるかもしれませんが、何のハウスかは一応、ひみつ、です。


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「飲み会」を「ただの飲み会」に終わらせないのが、普及方法のテクニックです


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みんな部門は違いますが、各自そのプロです。仕事は違えども、手慣れたものです

成せるか、V字回復

2019.01.17

 昨年のお盆前のこと。
 「塩崎さん、うちの会社大変じゃ、もう駄目かもしれん。ちょっと決算書見てくれんかな」と、野菜農家のUさんからの電話。お盆の14日に伺った記憶があります。


 「猛暑と長雨にやられて、夏作の白ネギが予定の3分の1しかとれなかった。作付け面積を勘案して雇用は確保したままで・・・」との話。
 まずは数字を見てみると、前年売上から約3割の減収、これがそのまま一千万円を超える赤字になっていました。

 リストラをして乗り切りたいとの意向にあわせ、夏期労働力軽減のため、夏出荷の白ネギ面積8割カットなど、思い切った計画を立てたところで問題は、リストラ経費と当面の資材買掛精算となりました。

 労務管理上の問題もあり急ぐので、取引銀行にお願いに行くことにした次第。こちらは月別の売上推移や経営計画の見直しを作成して、銀行には別途お願いにも行きました。


 2週間で運転資金確保のめどが立って、9月中に何とか乗り切れそうな感触でした。その後は相場の追い風もあって、無事に正月を迎えることができたとのこと。安堵感です。
 年が明けて調整作業場に伺ったところ、リストラしても十分に稼働している様子でした。
 

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社長のUさん自ら調整作業もやっています。農業における労働生産性、特に雇用型経営では重要なポイントのようです

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