ゴールデンエイジ
2022.09. 1
私の職場では、近年、新規採用職員が増えてきました。
若い方が増えることはとてもよいことです。歓迎しています。
そんな若手職員の育成方法として、『OJT』という手法を取っています。
OJTとは、『職場で実務をさせることで行う職業教育』のことです。特に新任職員の能力を高めるのに有効とされています。今年も、私は新採用職員のトレーナーをつとめています。
若い職員が多いのは、私の担当地域のJAも同様です。
勝手ながら、JAの職員の方も一緒に現地を回る中で、専門技術や手法、コミュニケーションが学べたらと日々、思案しています。
さる6月、絶好の機会がめぐってきました。ぶどうの栽培講習会です。
技術やコミュニーションが効果的に学べるよう講習会の会場となる生産者にご協力いただき、①摘粒の事前練習→②模擬講習会→③本番→④その後の経過観察の流れですすめていくことにしました。
まずは、①事前練習です。紙の資料と私の実演を見てもらい、主枝1本分に取り組んでもらいました。その後は、Youtubeにアップされているベテラン生産者(いつも参考にしている"ドリームファーマーズちゃんねる")の動画を見てもらい、自分の作業と比べて気がついたところや取り入れられそうなところを話してもらいました。それから再度、摘粒を行います。
左 :普及1年生が集中しています
右 :JAの1年生も集中しています
私は、基本(座学)→実技→動画を用いて復習→再度実技の効果が高いと考えています。不慣れな初心者でも作業をすると、なおのこと生産者の上手さと気をつけている点に気がつきやすくなります。さらにYoutube(動画)のよいところは何度でも繰り返し見られることです。
その後、②模擬講習会を園地で実施しました。摘粒の目的と目標(目指す粒数・房型)を伝え、普及1年生、JA1年生順番に取り組みます。上手に行うことが目的ではありません。伝えたいこと、確認したいことを本番に向けて整理することに重点を置きました。
そして、③本番です。参加した生産者のみなさんは、若い指導員の話に耳を傾けてくれました。また、大変珍しいことですが、JAの指導員さんが摘粒を終えると、よく頑張ったとほめてくれるように生産者から拍手が起こりました。小さな一歩です。地域の生産者が『認めてくれる』という経験は、何より若手職員がモチベーションを高める重要な体験です。
左 :模擬講習で粒の数を数えたシャイン
右 :ソーシャルディスタンスでも食い入るように見られている本番
最後に④その後の経過観察です。徐々に大きくなるぶどうを確認し、「もっと外してよかった」や「こんなに大きくなるなんて」と1年生らしいコメントを残してくれています。9月には最後の仕上がりを確認する予定です。
一番ありがたいのは、私たちに実際の作業をさせてくれた生産者の存在です。商品をつくるんだという気構えは、ただの"練習"では身につきません。
最初に書いたとおり、関係機関含め、若い職員のみなさんを歓迎します。そのため、トレーナー(私)はこれからも経験を積むための環境づくりを工夫しながら頑張ります。