普及指導員が現場で活躍する日々をレポート
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◆2019年1月

大分県
塩崎洋一

プロジェクト活動、始動

2019.01.31

 管内には2つの農業後継者組織(チームKとチームZ、とします)があります。
 そのうちの1つ、チームZは最近プロジェクト活動にご無沙汰していました。また、過去の色々な事情があってチームKは県連組織を脱退しています。そのため、県段階で行われるプロジェクト発表と意見発表の場に出場できるのはチームZだけなのです。だけど事情があって、プロジェクト活動をやっていませんでした。


 今年度、私はチームKの担当なのですが、チームZの担当者都合で、昨年末からこちらも受け持つことになりました。
 実は、私は平成15~18年度に農業青年の県連事務局を担当していた関係で、チームZのほとんどのメンバーと顔なじみです。
 そんなことで、年末の定例会で、以下のようなやり取りがありました。


【塩崎】 
「なあ、来年はプロジェクトやろうぜ、何か産地の課題はないかえ?」
【青年A】
「そうですね、今年は夏の高温障害ですね、でも、うちの3mではやられたのに、隣町の1.8mでは、そんなにひどくなかったんですよ」
【塩崎】
「そりゃあ、ハウス自体の容積が小さい方が熱量が上がらないやろうし、小さいハウスの方が空気は抜けやすいやろう。なら、いっそのこと6mで天井を抜いたらどうかえ。温度環境に違いがあるなら、ハウス自体の構造はその次じゃ。まずはやってみるかえ、何か少しでも予算をとるで、比較しやすい建てる場所あるか?」


と、あおったら、「やりましょう」となった次第。
ピンと来る人はいるかもしれませんが、何のハウスかは一応、ひみつ、です。


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「飲み会」を「ただの飲み会」に終わらせないのが、普及方法のテクニックです


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みんな部門は違いますが、各自そのプロです。仕事は違えども、手慣れたものです

塩崎洋一

昭和63年に大分県で普及員として奉職。 令和4年3月に早期退職して農業に踏み込み始めたが、普及現場の要請により中部振興局を舞台に、普及活動の第二幕が上がった。臼杵市在住。

富山県
井上徹彦

農作業安全個別相談会

2019.01.31

 高岡市の認定農業者である(有)今城農園では、一昨年度1名、昨年度1名を雇用し、現在従業員3名と社長、そして両親の6名で水稲約40ha、大豆約17ha、里芋2ha、ハーブ0.1haを栽培しています。
 今城社長は、社員に対して積極的に技術指導をするとともに資格取得を促していますが、次年度から「とやまGAP」に取り組むことに決め、昨年末1名の従業員にGAP指導員の資格を取得させました。


 そんな中、農業経営者総合サポート事業の専門家として、労働安全コンサルタントである(同)片山安心コンサルタント代表社員の片山昌作氏が新たに加わったことから、今城社長に「農作業安全個別相談会」の開催を持ちかけ、今城農園の社長以下6名全員に、座学と現場での安全指導を体験してもらいました。

 座学では、労働安全衛生法で要求される免許や講習について学ぶとともに、JGAPにも活かせる様々な文書の作成や保存方法、そして設備などの各種点検のやり方について説明を受けました。

 
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資料を基に労働安全について学習


 また、防除などで使うマスクについても、防塵、防毒など種類がいろいろあり、効果を保証されている使用時間や薬品のタイプも確認して選ぶ必要があること、そして付け方なども教えてもらいました。


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マスク装着練習

現場では、事前に確認してあった作業場や農業機械などを回り、トラクターでは事前の点検や乗り方の手順など、今まであまり意識せずに行っていた日常作業に対して、しっかり指導してもらいました。


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左 :資料を基に労働安全について学習
右 :乗り降りする際は、左手で取っ手をつかむ。


 わずか半日の指導でしたが、たくさんのことを学べたと、今城社長をはじめ社員全員が大変喜んでいました。引き続き、各種作業シーズンに片山コンサルタントを呼んで、その時々の注意事項をパートさんと一緒に研修するとともに、もし、農場やほ場に安全上の問題点があれば指導してもらいたい、とのことでした。


 なお、今回使った資料は片山先生のご厚意で片山安心コンサルタントのHP上にアップしていただきました。農作業や農業者への指導の参考にして下さい。


▼今回使用した資料はこちら(片山安心コンサルタント合同会社)

井上徹彦

富山県砺波農林振興センターで、花きと薬用作物の担当をしています。 担当地区は南砺市で、チューリップ球根と小ギク等切花生産者を中心に技術指導をしています。

佐賀県
平野稔邦

みかんの根域制限栽培リース団地の造成進む

2019.01.28

 みかんの根域制限栽培は、気象要因に左右されずに高品質果を安定的に生産することが可能な栽培法で、これまで管内では、約60aで栽培されていました。ただ、補助事業の対象であっても導入経費が高いなどの課題もあり、思ったほど増えない状況にありました。そこで、JAが中心となって、耕作放棄地を基盤整備して66aのリース団地を造成する事業に取り組んでいます。


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 今回、入植予定の5名の生産者を集めた現地検討会を開催し、これからの定植等の管理作業や用水確保のための事業内容を確認しました。寒い中ではありましたが、これから栽培に取り組むリース園地を前にして、入植者の高い生産意欲が伝わってくる、熱気ある検討会となりました。


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造成された圃場での検討会


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用水タンクの位置を検討


 これまで普及センターでは、根域制限栽培みかんに対しては細かい栽培指導等の支援を実施してきましたが、今後も関係機関と連携を取りながら、高品質のみかん生産と安定的な所得向上に向けて取り組んでいきたいと思います。

平野稔邦

佐賀県佐城農業改良普及センターで果樹を担当しています。佐賀県ではテレワーク推進の一環で普及指導員は、一人一台のタブレット端末を持ち日々の普及活動に活かしています。タブレットを活用した普及活動を中心に、産地の動き等を紹介します。

島根県
長妻武宏

しまね和牛子牛の初競り-西部子牛市場

2019.01.23

 島根県は東西60里といわれており、東西に長く、また隠岐もあるため、子牛市場は松江市の島根中央家畜市場(毎月開催)、益田市の西部家畜市場(奇数月に開催)、それに加えて隠岐市場4カ所(3、7、11月の年3回開催)の合計7カ所で子牛の競りが行われます。

 和牛子牛の今年の初競りが、益田市にある西部家畜市場で開催されました。県内では、この西部家畜市場が毎年新年最初の子牛市場となります。競りの掲示板には、しめ縄が飾られていました。


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初競りの様子


 肥育農家サイドに立てば、もう少し子牛の値段が安くなって欲しいところですが、繁殖農家側からすれば、今年も子牛の高値が続いて欲しいという思いがあります。
 他の作物のようなご祝儀相場はありませんが、先月より雌子牛20,709円高、去勢牛48,004円高となりました。


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出番を待つ子牛達

長妻武宏

島根県の長妻です。畜産が専門の普及員ですが、過去には、イノシシの研究などもしていました。島根農業の応援団員になりたいと思っています。

島根県
長妻武宏

放牧実践スクールを開催

2019.01.21

 年末のことですが、放牧実践スクールの開催がありました。
 放牧実践スクールは、県が推進する集落放牧について、講義や現場視察を通して、これまで牛の飼養経験のない集落営農の農業者に放牧の魅力を伝えていくスクールです。


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 今回は、「放牧と経済」という題で講義を実施しました。「経済」と言っていますが、普及指導としては「経営」という面が多く出てしまったかなと思っています。
 概略としては、放牧は、労働費↓(下がる)・飼料費↓(下がる)・その他費用↑(上がる)となります。
 放牧をすることで、特に中山間地域では、耕作放棄地の解消や獣害対策をしながら子牛を生産できる、という話をしました。


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 新たに牛を導入された集落では、牛飼いが不慣れということで、分娩間隔が延びたり子牛の事故などが実際の現場で起きているという話も聞きます。今後、技術普及指導としても、新たな重点課題として取り組む必要があります。

長妻武宏

島根県の長妻です。畜産が専門の普及員ですが、過去には、イノシシの研究などもしていました。島根農業の応援団員になりたいと思っています。

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