普及指導員が現場で活躍する日々をレポート
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◆2017年11月

大分県
塩崎洋一

県産品利用状況調査

2017.11.29

 全国の普及現場で行っているかどうか分かりませんが、大分県では、県産の農産物を加工品原料に使っている状況を調査しています。
 先日はM普及員と、管内で酒米を生産している酒造会社に伺いました。
 前任地でも一緒に仕事をしましたが、実は彼女、わが県では数少ない農産加工のプロです。


 酒米生産は、始めて5年ほどになるそうですが、当初5haで始めたのが、今では10haを超える様子。しかも、まだまだ「うちの田を作ってくれないか」との話が来ているそうです。
 水田担当者からは、「あの町の、あの条件の良いところでも、あれだけのスピード感で土地が集まっていること自体が問題なんです。周辺部で遊休化するのはもっと早いです」とのこと。仕込みの全量を自社生産でカバーできる日は遠くないかもしれませんが、喜ぶべきか憂うべきか・・・・。


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醸造場の横には販売店舗、その横にはお茶できるギャラリーが併設されています


 この社長さん、先代が蔵を閉じたところにUターンして帰り、復活させたとか。
 杜氏もおらず、自分で勉強しての復活劇。その味は、言うまでもありません。

塩崎洋一

昭和63年に大分県で普及員として奉職。 令和4年3月に早期退職して農業に踏み込み始めたが、普及現場の要請により中部振興局を舞台に、普及活動の第二幕が上がった。臼杵市在住。

青森県
田島聖一

水稲脱穀作業を行いました

2017.11.27

 10月19日、調査用の水稲の脱穀作業を行いました。
 十和田市は農業を基盤として発展し、青森県内有数の米どころでもあります。その十和田市農業の生命線である「稲生川」は、市の中心地稲生町とともに、三本木原開拓によって人々の手で造られた人工河川です。
 現在でもその水を利用し、「まっしぐら」や飼料米品種などの種場として、県内に優良種子を供給しています。


 今回の脱穀は、試験区ごとに分けて作業を行い、調査の下準備を手伝いました。
 なれない作業ではありましたが、地道な作業の積み重ねが今後の地域営農につながるのだと感じました。


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左 :作業の様子 / 右 :流れ作業で行います

田島聖一

青森県上北地域県民局地域農林水産部農業普及振興室に配属となり3年目。前職は農協職員として販売業務を中心に産地形成に携わる。野菜・果樹・花きの基本を先輩から教えていただき、現場を通じて日々勉強中。

島根県
長妻武宏

隠岐家畜市場へ行ってきました

2017.11.22

 隠岐諸島は、4つの町村から構成される日本海の島です。それぞれの島で黒毛和牛が飼育されており、3月・7月・11月の年3回家畜市場が開設されます。「子牛市場」という名称でないのは、成牛や馬もセリにかけられるからです。
 今年の11月は1日から3日の3日間、市場が開設されました。

 年3回といっても、4つの町村それぞれに市場があって、船で各町村を渡って3日間かけて行われます。
 初日は隠岐の島町。朝9:00に松江市を出港するフェリーに乗船して、2時間30分ほどで隠岐の島町の西郷港に到着。JAが準備するバスに乗って約15分で市場に到着しました。


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 隠岐支庁に勤務する普及員と合流して、子牛の体側を開始します。発育等が良い牛には、赤いリボンをつけていきます。セリが終わると、JAが用意したチャーター船(普段は釣りの渡船などに使われている)で次の島まで向かいます。次の日は、海士市場、知夫市場、そして3日目は浦郷市場(西ノ島町)とめぐっていきます。


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子牛を体側しているところ


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子牛のセリ(左)と馬(日本ばん軽種)のセリの様子(右)


 海士、知夫、西の島をあわせて島前と呼びますが、島前の飼育形態は、放牧が中心です。子牛も放牧されていますので、中には、前日放牧場で捕まえてきた牛も出荷されます。
 市場が4か月に1度ということで出荷日齢は120日~。今回は平均209日、平均体重204kgと、若い牛が出荷されます。
 冬場に牛舎で子牛を飼いたくないということで、11月は特に早出しとなります。また、若い牛や隠岐の島町の突き牛(闘牛)のため、雄子牛も出荷されます。
 セリが終わるとトラックにのせられ、フェリーで運ばれて行きます。購買者は、本土に到着後、京阪神や九州などへ輸送することになります。


 隠岐で子牛を買うのは時間を要しますが、それでも魅力があるので全国から購買者が来てくれていると思います。
 雌子牛の一部はそのまま隠岐(海士町)で肥育して、東京に出荷されて「隠岐牛」として全国で販売されていますので、一度食してみてはいかがでしょうか。

長妻武宏

島根県の長妻です。畜産が専門の普及員ですが、過去には、イノシシの研究などもしていました。島根農業の応援団員になりたいと思っています。

青森県
田島聖一

加工・業務用ねぎの現地検討会に出席しました

2017.11.20

 10月6日、つがる市で開催された、加工・業務用ねぎの現地検討会に出席しました。
 県内のねぎの作付は、県南ではながいも等の輪作として、津軽地域では水田の転作作物として生産が拡大しています。
 通常は生食用として出荷していますが、全国的に需要が伸びている、加工・業務用への販路拡大に向け、規模拡大と単収の向上を目的に取り組んでいます。
 出席者からは活発な意見が飛び交い、今後の新たな取り組みとして有意義な検討会となりました。


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左 :活発な質疑が飛び交う / 右 :ほ場の様子

田島聖一

青森県上北地域県民局地域農林水産部農業普及振興室に配属となり3年目。前職は農協職員として販売業務を中心に産地形成に携わる。野菜・果樹・花きの基本を先輩から教えていただき、現場を通じて日々勉強中。

blog_hukyu_mitsuhashi_f.jpg 埼玉県
三橋伊蕗

梅干し品評会

2017.11.13

 JAいるま野越生(おごせ)梅部会で、10月31日に梅干し品評会が開催され、当農林振興センターも審査委員として参加しました。


 出品数は80点で、越生の固有種である「べに梅」や、南高、白加賀をはじめ複数の品種が出品されました。
 今年は土用干しの時期に降雨曇天が続き、天日干しの不足が懸念されましたが、出品されたものは良品揃いで、生産者の努力と技術の高さを感じました。
 審査は、色、揃い、パック詰めの美しさなどの外観を審査した後、試食して肉質や香り、塩気と酸味のバランスなどを確認して、食味の特に良好なものを選びました。


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品評会審査の様子


 ところで、越生の梅干しは、塩分濃度が低く食べやすいのが特徴です。
 塩分が少ないとはいっても、一般的な減塩梅干しとはちょっと違います。
 一般的な減塩梅干しは、20%の塩分濃度で漬けた後、塩抜きをして塩分を減らしています。そうすることで、塩分が非常に少ない梅干しをつくることができますが、梅の栄養分も一緒に抜けてしまうという欠点があります。越生では塩抜きをせず、漬けるときの塩分濃度を控えているため、梅の栄養がしっかりと残り、健康にも良いと評判です。


 ちなみに、両者は食品表示の名称が異なります。越生でつくられているような、本来の梅干しはそのまま「梅干し」と記載されますが、一度塩抜きをして再度味付けを行った梅干しは「調味梅干し」となります。スーパーで梅干しを購入する際には、この違いにも気をつけてみてください。

三橋伊蕗

埼玉県川越農林振興センターの三橋です。普及指導員の資格取得に向けて修行中の採用2年目。担当作目は果樹と野菜で、県内ではややマイナーな「うめ」「ゆず」をおもに担当しています。

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