普及指導員が現場で活躍する日々をレポート
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◆2017年8月

青森県
田島聖一

農業機械実演会を開催しました

2017.08.30

 7月25日、JA十和田おいらせ農業技術センターにおいて、農業機械実演会を開催しました。
 
ここでは、以前紹介した全国システム化研究会の事業を活用し、複数の排水対策技術の組み合わせにより、ごぼうの生育、収量に及ぼす効果を検討しています。

 今回の実演会には、管内市町村、JA、県関係機関、生産者を中心に、およそ50名が参加しました。
 はじめに、農業普及振興室からこれまでの経緯と試験内容について説明し、その後、各メーカーから作業機械の説明と実演を行いました。

 実演は、ハーフソイラー、溝掘り機、自動操舵トラクターによるごぼう収穫機の3つが行われ、参加者も実際に作業する様子を見ながら、興味深く話を聞いていました。
 排水対策技術により、生育にどのような差が出るのか、引き続き調査を行います。


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左 :説明を聞く参加者の様子 / 右 :溝切り機の説明                              


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左 :ハーフソイラ-の実演 / 右 :ごぼう収穫機の実演

田島聖一

青森県上北地域県民局地域農林水産部農業普及振興室に配属となり3年目。前職は農協職員として販売業務を中心に産地形成に携わる。野菜・果樹・花きの基本を先輩から教えていただき、現場を通じて日々勉強中。

大分県
塩崎洋一

業界の後継者育成

2017.08.28

 農業の後継者育成はともかく、私たち普及指導員も、業界の後継者を育成しなければなりません。
 すくなくとも、私は、後輩たちに対しては、自分以上の成果を出すように、と思いながら接しています。もちろん、その成果が何かは、時代が変わっていく中、社会が変わっていく中で、求めるものが違ってきて、判断基準も変わるものです。
 そう考えれば、「成果」というよりは「経験」や「体験」を積んで欲しい、「実戦」を積み重ねて欲しいと思うところです。(そういう自分がどの程度のものか、他者の評価は解りませんが・・・・)


 さて、そうした気持ちで過ごす日々、今回はさらに、これを掘り下げたような場面です。管内の高校で「職業人講話」なる、職業紹介の場を頂きました。


 最初は、普及指導員の話をするかと思いきや、公務員の話になってきて、当日は、もろに農学系、のカテゴリーになってました。話す直前に伺うと先生曰く「まだ自分の将来はイメージできないので、どんな話でも良いです」とのこと。
 ならば、といつもの調子で、どんなに農業がすごいかに始まって『公務員でもいろいろあるぞ、大学は自分の行きたいところに、どこでもいいからがんばれ、世の中どんな分野でも役所の仕事はあるから、心配無用。公務員就職はなんとかなる』と、ひたすら若者たちを元気づけた次第です。


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「SHIOSAKI」ワールドへようこそ


【塩崎】農業がなぜ大切か、これを食べなきゃ死んでしまう、って時に、コンビニでおにぎり一個が10,000円、いつもは100円だけど、これを食べなきゃ死ぬ、あなたは、10,000円で買うか?
【生徒】買います
【塩崎】ところが、コンビニのお兄さんが「あの人が、おにぎり一個を30,000円で買う」って言ってるんですが、どうしますか? と言い出した。どうする?
【生徒】40,000円出します
【塩崎】そのとおり、それが食い物がなくなる世界。お金なんて何の役にも立たなくなる。子供かかえたお母さんは、子供のために10万円でも出すようになる。これが農業が命の産業と言われること。

塩崎洋一

昭和63年に大分県で普及員として奉職。 令和4年3月に早期退職して農業に踏み込み始めたが、普及現場の要請により中部振興局を舞台に、普及活動の第二幕が上がった。臼杵市在住。

青森県
田島聖一

夏秋トマトの栽培管理について

2017.08.14

 7月21日、十和田おいらせ農協トマト部会を対象に、栽培管理講習会を開催しました。

 講習会のあった週は全国的にも真夏日で、上北管内でも30℃を越える猛暑が続いていました。その結果、管内では高温障害が原因と見られる生長点付近の萎れや徒長、尻腐れ果の発生が散見されています。
 講習会では高温対策について、先輩普及指導員から、かん水と追肥、遮光資材の活用を中心に適期管理を指導し、私からはオオタバコガの生態と管内の発生消長から適期防除について、指導を行いました。

 管内のトマトは、これから出荷のピークを迎えます。安定生産に向け、今後も講習会や個別巡回指導を行っていきます。


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講習会の様子

田島聖一

青森県上北地域県民局地域農林水産部農業普及振興室に配属となり3年目。前職は農協職員として販売業務を中心に産地形成に携わる。野菜・果樹・花きの基本を先輩から教えていただき、現場を通じて日々勉強中。

大分県
塩崎洋一

受験対策にはならないよなあ・・・

2017.08. 7

 先日、今年度の普及指導員資格試験を受験する県下の3年目の普及指導員が集まり、経営指導研修会がありました。
 経営の普及指導活動のスキルアップをめざします。各自、自分の担当する農家さんの経営状況を把握して、これにどのように支援するか、年度末に向けた経営の普及指導活動を、PDCA(plan-do-check-act)していきます。
 私も講師として参加し、午後の時間を担当しました。


 親子ほど年が違う彼らに対して、何をどのように伝えれば良いのか、悩むところですが、どう考えても「現場で顧客のニーズに応える」ためにどうしたらよいのかは、やはり「いまどき、何なんだ」と言われそうな精神論になってしまうところは、否定できない気がします。


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こんなスライドです、ほとんど精神論でした・・・


 「話するけど、教科書は無(ね)え、自分の経験則、体験談でしゃべる。自慢話に聞こえるなら、それでも結構。経営再建やってりゃ、現場では口に出して言えないことだらけじゃ。そんな現場では、普及員は、知りませんとか、できませんとか、言えねえ。やるしかないんじゃ。きれいごと抜きじゃ」なんて、思っていてもそんなに、強くは言えませんでした。


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午前の部、皆さん、真剣です

塩崎洋一

昭和63年に大分県で普及員として奉職。 令和4年3月に早期退職して農業に踏み込み始めたが、普及現場の要請により中部振興局を舞台に、普及活動の第二幕が上がった。臼杵市在住。

blog_hukyu_tanabe_f.jpg 埼玉県
田邉香織

にんじんのネキリムシ類対策(その2)

2017.08. 2

前回からのつづき)
【春夏にんじんに合った防除方法を目指して】

1.ネキリムシ類の生態に合った新たな防除方法の検討
 まずは、フェロモントラップを用いて成虫の飛来時期を調査し、その結果とアメダスなどのデータから幼虫の発生時期を予測して、被害を受ける前にベイト剤を用いて防除する方法を考えました。
 この防除方法を研修先の地域指導農家のほ場を実証ほにして試験したところ、ネキリムシ類被害は10%から0.7%に抑えることができました。
 「今年は穴が空いてるにんじんは全然ないね!」
 昨年、研修の時にネキリムシ類被害に悩んでいた地域指導農家の方から、うれしい言葉が聞けました。


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左 :フェロモントラップ / 右 :ベイト剤散布後の様子


2.防除方法の普及
 そもそも、なぜ春夏にんじんに合った防除方法が行われていなかったのか?
 その理由として、入間地域は昔から、秋冬にんじんの生産が盛んな地域だったために「春夏にんじんも秋冬にんじんと同じ防除方法で大丈夫」という考えが一般的だったことが考えられました。
 春夏と秋冬では、ネキリムシ類が畑で加害する時期が異なるため、秋冬にんじんと同じように播種時に薬剤散布する方法では防ぐことができていませんでした。


 そこで、この新しい防除方法について説明したチラシやポスターを作り、JAに協力してもらい掲示・配布しました。
 さらに地域の生産組織等の会議や総会で情報提供や、生産規模の大きな農家への巡回、防除講習会の実施など、一人でも多くの農家にこの防除方法を広めようと活動しました。

 とくに、にんじん部会員が多く参加した防除講習会では、
 「たしかに、この時期に農薬やったらうちはほとんど被害なかったよ」
 と、地域指導農家の方に実証ほの感想を言ってもらったところ「じゃあ間違いないな。うちでもちょっとやってみようか。」と納得の声も聞こえました。


 その結果、平成28年は7名がこの防除方法に取り組み、平成29年は農家同士での口コミなどの効果もあって、さらに多くの農家が取り組んでいます。
 今後は防除時期などの年次変動を調査し、より散布の時期が分かりやすく、実施しやすい防除方法に改良していくとともに、JAと協力してにんじんの防除暦の検討を行っていきたいと考えています。


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左 :作成したチラシ・ポスター / 右 :講習会の様子

田邉香織

埼玉県川越農林振興センター 技術普及担当の田邉です。埼玉県の中でも露地野菜、特に、にんじんやさといもなどの根菜類を担当しています。普及指導員仮免許中(今年受験)。チャームポイントは埼玉県農林部内で一番小さいことです。座右の銘は「見た目は小さくとも夢と心は大きく」。

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