普及指導員が現場で活躍する日々をレポート
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◆2016年3月

青森県
伊藤和彦

次世代野菜産地育成へ向けて

2016.03.28

 はじめまして。
 私の勤務している青森県上北地域は、ながいも・にんにく、ごぼう等の露地野菜の生産が盛んな地域です。
 これらの野菜は、栽培を開始するために多くの大型農業機械等の投資が必要になりますが、Uターンや定年退職を機に農業を始めたものの、大規模な農地を持たない農業者が近年増えていることから、高額の投資をしなくても10年、20年先も経営の柱として栽培できる「次世代野菜(新野菜)」として7品目(夏秋ピーマン、1果どりかぼちゃ、ハウス立茎アスパラ、そらまめ、夏秋トマト、しゅんぎく、加工業務用小松菜)を選定しました。


 今年度は、次世代野菜ごとに実証試験ほを設置し、新規参入者が栽培するにあたって目安となるような栽培マニュアルの作成を行いました。
 今後は、次世代野菜ごとの取組の詳細についてレポートしますので、よろしくお願いします。


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農家や関係機関と現地巡回しました


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関係機関と今後の方向性について検討しました

伊藤和彦

青森県上北地域県民局農業普及振興室で野菜の産地育成を担当しております。仕事のストレスを家の家庭菜園で癒し、家庭菜園の疲れを忘れて普及活動を行っております。

北海道
田所由理恵

さつまいもフォーラム

2016.03.25

 「北海道でさつまいも!?」 ...と思われたでしょ~??
 そうなんです。北海道でさつまいもの話題です。


 3月中旬、道南農業試験場主催「道南さつまいもフォーラム」が厚沢部町で開催されました。
 厚沢部町といえばメークイン発祥の地、"イモつながり?"が関係するのかどうか、当初の予測以上の多数申し込みがあり、急きょ会場が変更になるという盛況ぶり。当日、会場には檜山管内だけではなく、全道各地から100名以上が参集しました。


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 フォーラムの内容から...、
 最近はさつまいもがブーム。さつまいもが身近になり、季節を問わず消費者から広く求められるようになったと。
 確かに、身近なスーパーマーケットでも店内に焼き芋コーナーがあり、とても良い香りが漂い、ふらふらと引き寄せられることが多くあります。
 消費者の嗜好も変化し、これまで"ホクホク感"が求められていましたが、次第に"甘くてねっとり感"へ変わってきていると。そしてさらに、寒冷地適正品種の育成や栽培技術も向上!
 『ここはひとつ、北海道の出番では!?』というところでしょうか。

 そして、「高付加価値化」を職名に持つ私の主たる目的は、コレ。干しいもの試食です。


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 この日の試食品は全6品種。人生初の「干しいもの食べ比べ」です(道産子なので? さつまいもを食べ比べた事は今まで一度もありませんでした)。
 色も香りもしっとり感も、そして味も・・・ 今さらですが、品種によって全然違い、一品種ごとに「ん?」「へぇ」「ほぉ」「えぇ?」と、その違いを堪能しました。


 試食品を準備した試験場の担当者は「調理技術がイマイチなので・・・」と謙そんされていましたが、なかなかどうして、一品種ごとの違いがはっきり感じられて、比較するには充分でした。


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 参加していたある生産者の方は、加工品として直売所での販売を検討されているとのことで、"充分イケル!"を体感したようでした。
 「北海道産のさつまいも」が市場に出回るにはまだまだ時間がかかるでしょうし、北海道農業の起死回生・一発逆転ホームラン! とは行かないまでも、地域農業に新たな石が投げ込まれた感を受けました。


 そして、先ほどの干しいもの試食、一口大にされた6品種を次々と食べ比べている間にお腹がいっぱいになり、夕方遅い時間まで満腹状態が続きました。添加物を使わない自然食品で、半生とはいえ乾物。腹持ちもよく、災害時用の保存食としての需要も考えられるのでは!? と、満腹で緩慢になった思考回路で考えてみましたが、みなさまどう思われますか?


 『北海道でさつまいもぉ!?』(こう思ったのは私です...)と参加したフォーラムでしたが、色々な切り口が見えた有意義なフォーラムとなりました。今後、北海道からさつまいも関連の情報が流れていくかも知れません。ご期待下さいね!


 最後に、全国のみなさまへお礼を伝えさせて下さい。


 私事ですが、この3月をもって北海道職員を退職することに致しました。
 このコーナーに初めて投稿させて頂いたのが2009年4月で、丸7年間(途中中抜け? サボり? あり)お世話になりました。提出した後に"自分ダメだし"で修正をする私に根気強くおつきあい頂いた支援協会のみなさま、読んで下さった全国のみなさま、「見てるよ~がんばってるね~」と時々声をかけて下さったみなさま、本当にありがとうございました。

 "伝えたいこと"を"読んでもらえる文章にする"ことの難しさを学ばせて頂きました。それができたかどうかは分かりませんが、7年間とても楽しく書かせて頂きました。本当に長い間お世話になり、ありがとうございました。


 私は農業改良普及事業から去りますが、全国の普及指導員のみなさま、これからの日本の普及事業をどうぞよろしくお願いしますっ!!(スケールが大きすぎですか?^^;)

 

田所由理恵

平成24年から檜山農業改良普及センター所属。25年度に高付加価値に係わる仕事に変わりました。北海道に新幹線が来るのも間近!北海道の入り口で地域農畜産物の付加価値向上に邁進します。

富山県
柳瀬美智代

水稲栽培研修会

2016.03.22

 いよいよ、28年産稲作に向けた活動の開始です。
 今日は水稲栽培研修会を開催しました。今年の重点指導は、健苗育成と適正な田植えです。


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説明する私。
「育苗期間は20日間です、実態は23日間と長くなっています。これでは、老化苗で初期生育が劣ります」


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植付深さは3cmにする。深いと初期生育が劣ります


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田植機調整の研修


 「苗、半作」、「初期生育確保が収量向上への第一歩」。ていねいな作業こそ、安定生産につながります。
 3年連続、特A獲得に向け、富山米のスタートです。

柳瀬美智代

富山県高岡農林振興センターで、地域担当しています。地域担当の役割は主穀作(水稲、大麦、大豆)の技術改善や集落営農等の組織化など、地域全体のコーディネートです。

北海道
田所由理恵

第3回 HIYAMA P1グランプリ ~後編~

2016.03.17

 今回は、一次審査通過作品をすべて紹介したいと思います。
 使用する写真は、二次審査当日に、試食用に調理された作品です。応募者が応募用紙に添付したものとは若干の違いが・・・(あくまでも見た目の感想です)。
調理は応募用紙に忠実に再現しています。審査に影響はありませんのでご心配なく!


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「きのこと海の幸たっぷり!和風いももちピザ」


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左 :「OYA? MA! HIYAMA! メークインDEミルキーホワイトうどん」
右 :「あっさぶらん白~冬~」


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左 :「棚からばた餅」
右 :「あっさぶメークインのマッシュスフレ」


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左 :「塩からじゃが」
右 :「メークインのシーフードグラタン」


 一次審査で選考にもれてしまった作品も含め、13点を応募して下さった12名の皆さま、そして、審査に関わって下さった関係者の皆さま、本当にありがとうございました。


 さて、第3回のHIYAMA P1グランプリを終了し、実行委員会では、料理コンテスト形式での取組は一段落・・・としています。
 応募点数が激減していること、ひとつの区切りとしていた北海道新幹線が今月末にいよいよ開業すること、地域への投げかけと盛り上がりに"やり尽くした"感があること(空振りも含めて・・・)、他モロモロの事情・・・などの理由によります。

 これからは、この3年間の取組内容と、地域での動きと、3回分の応募作品のヒントやアイデアを活用しながら、料理コンテストではない、次の展開を計画しています。


 先日の二次審査の時にはさっそく「3回分の入賞作品を、地域のイベントや温泉宿で、期間限定などで提供できるように組み立てては?」とか、「他地域の消費者も需要だけれど、地域内の消費者も重要。学校給食や老健施設等での提供が検討できないか?」等々、さまざまな意見が出されました。昨年から検討している「P1グランプリを活かした お菓子」についても現在進行形で、これからの展開が楽しみです!


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実行委員長の外崎明氏(檜山南部食用馬鈴薯生産組合 組合長)。
多くの役職を担う地域のリーダーで、忙しすぎるスーパー&アイディアマンです


 第1回の開始時には、いろいろな問題やクリアしなければならない課題があったこの活動、「案ずるより産むが易し」「石の上にも3年」「二度あることは三度ある(これはちょっと違いますか...)」??? いろいろなことわざが頭をよぎりますが、当初の目標の3回が無事終了できたことにホッと胸をなでおろしつつ、地域に少しずつ起きている"変化"を見つけることも、普及指導員ならではの楽しみかな? なんて感じています。


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昨年末にはNHK函館放送局が、P1グランプリの募集を放送してくれました(こちらから依頼したのではなく・・・)。感謝! です

田所由理恵

平成24年から檜山農業改良普及センター所属。25年度に高付加価値に係わる仕事に変わりました。北海道に新幹線が来るのも間近!北海道の入り口で地域農畜産物の付加価値向上に邁進します。

群馬県
川島正俊

施設キュウリの基礎技術研修会を開催しました

2016.03. 8

 はじめまして。そして、こんにちは。
 私の勤務している群馬県の前橋地域は、施設キュウリの栽培が盛んです。近年、Uターンなどで後継者が少しづつ増えており、徐々に世代交代も始まっています。

 そこで、普及指導課では、本年度、関係機関と連携し、栽培経験の少ない後継者などを対象に、栽培技術の習得と仲間づくりを目的とした「キュウリ基礎技術研修会」を4回開催しました。

 内容は、キュウリの基礎知識と、篤農家のほ場視察です。講義だけではなく、フリートーキングの時間も設けたところ、参加者同士で自由な話ができ、交流も始まりました。
 この研修会をきっかけとして、参加者の早期の経営安定に取り組んでいきます。


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座学での質疑応答。普段聞けないようなことも、ここでは気兼ねなく


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現地研修会の様子。篤農家の説明、技術に感心しきり

川島正俊

群馬県中部農業事務所普及指導課で野菜を担当しており、施設キュウリの環境制御や露地ナスのV字仕立ての普及などに取り組んでいます。担当地域は、雄大な赤城山の麓の前橋地域です。

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