普及指導員が現場で活躍する日々をレポート
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◆2008年9月

愛知県
佐光佳弘

「拓実会」、ダイズ畑で研修会!

2008.09.29

研修会の様子です

 9月18日(木)、拓実会(たくみかい)という若手の水田作オペレーターの組織が研修会を開催し、自分たちのダイズほ場(ほ場とは、水田や畑のことです)を巡回しました。

 拓実会では年3回ほど、水稲の直播栽培や小麦の品質向上、農政事情等に関する研修会を開催しており、私たち普及指導員は農協と連携し、研修内容を提案したり、研修会の講師を努めたりするなどしています。
写真 :研修会の様子です


 この日は約20人の参加者があり、農協のバスで5か所のほ場を巡回しました。

 種をまいた時期、病害虫防除の方法、土壌条件等が異なっているため、ほ場によってダイズの生育が違い、みんな興味深く観察し、質問し合っていました。

 先進的な技術である、ダイズを摘心したほ場(ダイズが倒伏するのを防止するために摘心する技術です)、小明渠作溝同時浅耕播種機(しょうめいきょさくこうどうじせんこうはしゅき:国の研究機関が開発した機械)で種をまいたほ場では、それぞれの技術の特徴を私から紹介しました。


 今年度の第1回目の研修会は6月に開催し、水稲の直播栽培の現地ほ場を巡回しました。平成21年1月ごろ、第3回目を開催する予定にしています。

ダイズの生育について、真剣に意見交換していました
写真 :ダイズの生育について、真剣に意見交換していました

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佐光佳弘

愛知県海部農林水産事務所農業改良普及課(海部農業普及指導センター)の技術指導グループで、作物担当として仕事しています。 県職員12年目ですが、職場では3番目に若い新米です(職員数は18人)。

岩手県
中森忠義

【寄り道】普及活動は現地を歩くので

2008.09.26

 私たちの普及活動は、根拠法令となる「農業改良助長法」においても「巡回指導、相談、農場展示、講習会の開催その他の手段により、直接農業者に接して」と明記されているように、現地に出向いて様々な活動を行います。

 現地に行くと様々なもの?に出会います。

ヘビの抜け殻
ヘビの抜け殻(ヘビにもあまり会いたくありません)


日本短角牛の雄牛
日本短角牛の雄牛


 乳牛も肉牛も雌牛に対する交配は、人工授精で行われるため、雄牛を目にすることはあまりありません。雄牛は、一部の極めて優秀な血統と成績を持つ牛を除き、基本的に去勢され、肉牛として肥育されるためです。

 この牛は、牧野でまき牛として、交配用に使われる雄牛です。

  
本県はトトロのファンが多いのでしょうか?


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中森忠義

岩手県中央農業改良普及センターの滝沢村駐在で、主に畜産を担当しております。 本県の畜産は、養豚や養鶏もありますが、主に関わっているのは、酪農経営・黒毛和種(肉用牛)の繁殖経営・日本短角種の振興などです。

愛知県
佐光佳弘

中間検討会で上半期を反省…

2008.09.25

普及指導計画の中間検討会で上半期を反省…


 9月17日、普及指導計画の中間検討会がありました。私たちは毎年、1年間の仕事の目標を立てます。その目標を達成するために、いつごろ何をするかを計画しますが、それが「普及指導計画」です。


 9月は1年のちょうど中間になるため、この半年にどれだけ仕事ができたか、この先何をしなくてはいけないかを課内で確認するため(上司に説明するため)、中間検討会を行います。

 この検討会は、私の職場では課長、班長、普及指導計画の進行管理担当の職員、担当者という少人数で開催されます(私の担当する「作物」の場合は、出席者7人でした)。県内では全職員が出席して、ほかの担当がどんな仕事をどのように進めているか、情報を共有している課もあるようです。

中間検討会の様子です
写真 :中間検討会の様子です

真ん中が、中間検討のためにまとめた資料です

 私が担当する「作物」では、

 1.「肥効調節型肥料利用によるコシヒカリの品質改善」、
 2.「水稲直播栽培の普及拡大」、
 3.「大豆増収のための技術確立」、
 4.「小麦品質評価基準の達成支援」、
 5.「環境に配慮した取組支援」  という5種類の目標があります。

 検討会では、それぞれについてこの半年の取組を説明し、今後の見通しについて話合いました。特に厳しい意見はでませんでしたが、あと半年、目標が達成できるよう、がんばっていきたいと思います。
写真 右:真ん中が、中間検討のためにまとめた資料です


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佐光佳弘

愛知県海部農林水産事務所農業改良普及課(海部農業普及指導センター)の技術指導グループで、作物担当として仕事しています。 県職員12年目ですが、職場では3番目に若い新米です(職員数は18人)。

岩手県
中森忠義

トウモロコシ畑の調査は危険がいっぱい?!

2008.09.19

 現在、原油高騰に加え、バイオ燃料への利用拡大によるトウモロコシ需給の逼迫等で、家畜用の配合飼料価格が急騰しています。

 それに対応するための手段として、普及センターでは家畜の自給飼料を増産する、様々な方法を農業者の方々や試験研究機関とともに検討しています。

試験研究機関と連携の元、調査を実施しました

 先日は、その一貫として取り組んだ、トウモロコシの不耕起播種栽培の現地試験圃に関する収量調査を、試験研究機関と共に行いました。
 畑を耕起せずに播種することにより、種まきに関する作業時間が大幅に削減される他、作業のためのトラクター等の燃料等も削減できます。
写真 右:試験研究機関と連携の元、調査を実施しました

 調査は、トウモロコシ畑に入り、一定距離に生えているトウモロコシを刈り取る作業を複数回繰り返します。
 刈り取ったトウモロコシをトラックで運び出した後、草丈や穂(人間用であれば食べる部分)が付く高さ、茎葉と穂全体の生での重さ、水分を除去した重さ、また穂の生重・乾物重等を計測します。


 調査のためトウモロコシ畑に入っていくのですが、葉は手や顔の皮膚を傷つけるだけでなく、運が悪ければ切れてしまいますので、暑くても長袖で作業することが多く、頭部もできるだけ保護します。人間の背丈よりも高いトウモロコシの上部の穂(雄穂:ゆうすい)からは、容赦なく花粉や花等のかけらが落ちてきます。そのためにゴーグルを装着する場合もあります。


  暑いなか、完全防備でほ場に入る試験場職員(ゴーグルをしています)  トウモロコシのとがった切り株
写真 左:暑いなか、完全防備でほ場に入る試験場職員(ゴーグルをしています) / 右:トウモロコシのとがった切り株


 また、調査のためのトウモロコシは鎌で切り取るのですが、その切り株は上の写真のように、斜めにとがっていますので、踏みつけないように注意が必要です。


 そして、最大の危険を防ぐ手段はこれ。なんのためかわかりますか?

畑に入る前に、爆竹やロケット花火を鳴らします  体には鈴をつけ、音を出しながら作業をします(筆者)
写真 左:畑に入る前に、爆竹やロケット花火を鳴らします / 右:体には鈴をつけ、音を出しながら作業をします(筆者) 


 もうおわかりでしょうか。

 トウモロコシ畑には、野生の熊がいる可能性があるのです。
そのため、最大限の注意を払いながら、調査を実施しました。

複数の鈴をつけた同僚普及指導員  クマに倒されたトウモロコシ。この対策も大きな課題です
写真 左:複数の鈴をつけた同僚普及指導員 / 右:クマに倒されたトウモロコシ。この対策も大きな課題です 


 新しい技術を理解してもらうためには、現地で実物を見てもらうことも重要ですが、そのことと併せて、数値(=データ)を提示することも極めて重要です。
 今回の調査で得られた生育の結果(=収量など)を提示・検討し、さらには新たな課題が無いかも検討しながら、新しい技術を現場に定着させていきます。


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中森忠義

岩手県中央農業改良普及センターの滝沢村駐在で、主に畜産を担当しております。 本県の畜産は、養豚や養鶏もありますが、主に関わっているのは、酪農経営・黒毛和種(肉用牛)の繁殖経営・日本短角種の振興などです。

埼玉県
鈴木知子

チップ堆肥はいかが?

2008.09.18

せん定枝の破砕場。チップはこの後堆積場へ運ばれ、切り返しながら6ヶ月堆積される。

 60年の歴史を持つ花の産地・鴻巣市では、20代から30代の若い生産者たちが毎月勉強会を開催しています。内容は花き生産・経営の全般にわたり、用土作成の考え方、病害虫対策、コストの考え方、新種苗情報、マーケティングについてなどなどです。

 今回は用土の勉強のため、車で30分の距離にある、東松山市へ視察研修に行きました。

 東松山市は以前私が担当していたことがある地域で、せん定枝チップの堆肥化方法および鉢物用土素材としての利用方法を確立した経緯があります。鴻巣市の農家にも、用土の物理性改善とコスト低減のためにチップ堆肥の活用を考えてもらえれば、と企画しました。
写真 右:せん定枝の破砕場。チップはこの後堆積場へ運ばれ、切り返しながら6ヶ月堆積される。


 せん定枝の破砕場と、チップ堆肥を利用した生産を行っている成川氏のほ場を見て回った結果、試しに4tずつ購入してみようということになりました。
 今後、チップ堆肥を利用した用土の作成指導や、生育調査を行っていく予定です。

成川氏(一番右)のハウスにて。チップ堆肥1:赤土1の用土で作るツルニチニチソウ。
写真 :成川氏(一番右)のハウスにて。チップ堆肥1:赤土1の用土で作るツルニチニチソウ。


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鈴木知子

埼玉県さいたま農林振興センター普及部の技術普及担当で、主に花植木と経営を担当しています。 埼玉県では女性農業改良普及員の1期生です。 農家と、若手の普及指導員が、夢を持って活動できるように支援していきたいと考えています。

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