再生された農地で特産のダイコンとソバを栽培。そして今年も大根まつりを開催!(新潟県上越市)
2013年11月27日
新潟県上越市の牧区宇津俣地区棚田再生協議会(佐藤健一会長)(※1)は、山間地の棚田で年々増える耕作放棄地に頭を痛めていたが、平成24年度からクボタeプロジェクトの支援を受けて、2.5ha(平成24年度1.5ha、25年度1ha、計2.5ha)を農地に戻すことができた。再生された農地では、特産の「雪太郎大根」と「白峰そば」を作付け。農事組合法人雪太郎の郷(佐藤健一代表理事:上越市牧区宇津俣)で若者を2名雇用し、地域に活気が戻ってきた。
※1 構成員は、(農)雪太郎の郷、上越市、上越市農業委員会、新潟県東農林事務所、牧区農業振興公社、(株)新潟クボタ、クボタアグリサービス(株)新潟事務所
今までの経緯はこちら
▼棚田再生で本格的に作付けを開始
▼中山間地の棚田を再生し、特産品づくりで地域活性化をめざす
左 :長者屋敷があったと伝えられる場所(松の木のあるところ)
右 :屋敷跡の周囲では、昔から味の良い「雪太郎大根」が採れてきた
左 :再生された圃場。昨年はソバを作った圃場で、今年は雪太郎大根が育つ
右 :今年度再生し、ソバとナタネを播種した圃場では、ソバを収穫した後、ナタネが芽を出している
左 :クボタeプロジェクトの看板 『「雪太郎の郷」美しい棚田再生に取り組んでいます!』
8月下旬に播種した「雪太郎大根」が順調に育ち、地区で恒例になった雪太郎大根の収穫祭、「第16回雪太郎大根いっぺごとまつり」が11月10日、再生された農地にも近い、「牧湯の里 深山荘」の屋内ゲートボール場で開かれた。あいにくの大雨と強風の中、約200名の参加者、関係者が集まった。
開催の挨拶に立った佐藤会長は、「(株)新潟クボタ、(株)クボタに支援していただき今年が2年目、20~30年も放棄されていた土地が畑に蘇って、感謝の気持ちでいっぱいだ。この恩に報いるように、精一杯、いいものを作っていきたい。今年は長雨が続き、雪太郎大根の生育が危ぶまれたが、収穫にこぎつけた。そのダイコンを使って、ダイコン尽くしの食事を今年も用意したので、たくさん食べてほしい」と挨拶した。
左 :挨拶する佐藤健一会長
右 :種苗会社によるダイコン品種紹介コーナー
行政の手を借りずに、毎年、(農)雪太郎の郷の人たちが手作りで企画、運営をしてきた、この「雪太郎大根いっぺごとまつり」。宇津俣の人たちが丹精込めて育て上げた雪太郎大根を、いっぺごと(たくさん)使って、来てくれた人をもてなすのが、毎年の恒例だ。地区のお母さんたちが、雪太郎大根を使った10種類の料理を用意し、参加者にふるまう。この「雪太郎御膳」は、食べ放題。長い行列ができ、皆が舌鼓を打っていた。
当日のメニュー:
・大根汁(鮭とダイコンの味噌汁)
・大根ごはん(薪で炊いたもの)
・山菜の煮物(イタドリ、ヤマブドウ、ウド皮、ダイコン皮)
・切り干し大根の佃煮
・とろろ大根(ヤマイモのトロロとダイコンを味噌で味付け)
・大根とニンジンの千切りピーナツあえ
・ふきのとうの酢の物
・輪切り大根の煮物
・大根ギョウザ(小麦粉の皮の代わりに薄切りしたダイコンで包んだもの)
・大根葉とスジエビの天ぷら
食事の間、ステージではマジック、コーラス、民謡踊り等が披露された。続いて毎年お楽しみのビンゴゲーム、抽選会と続き、参加者は雪太郎大根2本のお土産に満足のようすだった。
来る11月29日にはお披露目会が開かれ、雪太郎大根の栽培圃場の見学、経過や今後の展望等が報告されることになっている。(みんなの農業広場事務局)